解析力学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 解析力学
科目番号 136 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に指定しない.自作の問題集などをTeamsから配布する.
担当教員 宇治野 秀晃

到達目標

□Euler-Lagrange方程式を用いて,古典力学の典型的な問題を解くことができる.
□正準形式の基本的な枠組みを理解し,基本的な問題を取り扱うことができる.
□Hamilton-Jacobi方程式を用いて,基本的な問題を解くことができる.
□古典力学と量子力学の対応関係を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Euler-Lagrange方程式を用いて,古典力学の典型的な問題を解くことができる.Euler-Lagrange方程式を用いて,古典力学の典型的な問題を解くことができる.Euler-Lagrange方程式を用いて,それほど難しくはない古典力学の典型的な問題を解くことができる.Euler-Lagrange方程式を用いて,古典力学のそれほど難しくはない典型的な問題を解くことができない.
正準形式の基本的な枠組みを理解し,基本的な問題を取り扱うことができる.正準形式の基本的な枠組みを理解し,基本的な問題を取り扱うことができる.正準形式の基本的な枠組みを理解し,それほど難しくはない基本的な問題を取り扱うことができる.正準形式の基本的な枠組みを理解し,それほど難しくはない基本的な問題を取り扱うことができない.
Hamilton-Jacobi方程式を用いて,基本的な問題を解くことができる.Hamilton-Jacobi方程式を用いて,基本的な問題を解くことができる.Hamilton-Jacobi方程式を用いて,それほど難しくはない基本的な問題を解くことができる.Hamilton-Jacobi方程式を用いて,それほど難しくはない基本的な問題を解くことができる.
古典力学と量子力学の対応関係を理解できる.古典力学と量子力学の対応関係を,複数の観点から十分に理解できる.古典力学と量子力学の対応関係を理解できる.古典力学と量子力学の対応関係を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目の総授業時間数は22.5時間である.古典力学の基礎方程式である質点に対するNewtonの運動方程式は,選んだ座標に応じて運動方程式の形が変わるため,大変に煩わしい.その煩雑さを解消し,万能で一般的な処方箋を提供するLagrange形式をまず解説し,Machが「思考の経済」と絶賛したその実用上の利点を様々な例題を通じて実感させる.続いてLagrange形式よりもさらに大きな変数変換の自由度を与えるHamilton形式について解説し,運動方程式の表現の一つであるHamilton-Jacobi方程式を導く.量子力学の基礎方程式であるSchroedinger方程式が,古典極限でHamilton-Jacobi方程式に帰着することを見ることで,量子力学が古典力学の拡張理論であることを理解する.
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
【事前に行う準備学習】微積分を用いる基礎的な力学(例えば本校学科3年応用物理Iでカバーされるような),多変数関数に対するものも含む微積分(偏微分,重積分),線形代数(特に行列の対角化,2次形式の標準化),簡単な微分方程式の解法に関する知識を前提としますから,事前に復習をしておくと良いでしょう.本科目は,講義時間30時間に加え,自学自習時間60時間が講義の前後に必要となります.具体的な学修内容は,教材として私が自作した問題集の自学自習です.取組の状況については2回のテストゼミで確認します.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 最小作用の原理とLagrangian ・一般化座標とLagrangianについて説明できる.
・Euler-Lagrange方程式について説明できる.
・点変換とEuler-Lagrange方程式の不変性について説明できる.
2週 最小作用の原理とLagrangian ・自由粒子とLagrangianについて説明・計算できる.
・自由粒子のLagrangianについて,平面極座標を用いた解析ができる.
3週 L=K-U型のLagrangianを持つ系 ・保存力とEuler-Lagrange方程式について説明・計算できる.
・2重振り子についてLagrangianを用いた解析ができる.
4週 L=K-U型のLagrangianを持つ系 ・フーコーの振り子について説明・計算できる.
・電磁場中の荷電粒子のLagrangianについて説明・計算できる.
5週 保存量と対称性 ・循環座標について説明・計算できる.
・拘束条件とLagrange未定乗数法について説明・計算できる.
・Lagrangianの不定性
・ネーターの定理について説明できる.
・空間の一様性と運動量の保存について説明・計算できる.
6週 正準形式 ・正準方程式について説明できる.
・最小作用の原理と正準方程式について説明できる.
7週 正準形式 ・正準変換と母関数について説明・計算できる.
8週 Lagrange形式の総復習 ・第5週までの内容についてのテストゼミ(模擬試験+問題解説)
2ndQ
9週 正準形式 ・調和振動子の正準形式による取扱いができる.
・エネルギーに共役な正準変数としての時間について説明できる.
10週 Hamilton-Jacobi方程式 ・時間発展と正準変換について説明できる.
・Hamilton-Jacobi方程式について説明できる.
11週 Hamilton-Jacobi方程式 ・Hamilton-Jacobi方程式の完全解と正準方程式の一般解について説明できる.
12週 Hamilton-Jacobi方程式 ・Hamilton-Jacobi方程式を用いて力学の簡単な例題を扱うことができる.
13週 量子力学の古典極限 ・Schroedinger方程式の古典極限について説明できる.
14週 量子力学の古典極限 ・量子力学における最小作用の原理について説明できる.
15週 正準形式以降の総復習 ・第6週以降の内容についてのテストゼミ(模擬試験+問題解説)
16週 定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010