到達目標
機械工学の基幹的基礎科目である材料力学を発展した内容を理解する.
具体的な目標は以下のとおり.
□材料が破損を起こす原因に対する強さ、破損に対する材料の強さを理解するため、材料力学を理解できる
□構造物の弾性領域の力学特性を微小領域における概念を理解できる
□具体的な対象物に働く応力とひずみの関係を構築できる
□エネルギ論に基づいて2次元問題の連続体力学と弾性学の基礎を理解できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 材料力学に関する応用的な解法を十分理解し,解くことができる | 材料力学に関する応用的な解法で解くことができる | 材料力学に関する応用的な解法で解くことができない |
評価項目2 | 弾性力学に関する基礎的な表現方法や解法を十分に理解し,解くことができる | 弾性力学に関する基礎的な表現方法や解法で解くことができる | 弾性力学に関する基礎的な表現方法や解法で解くことができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
弾性力学から見た材料力学について学習を進める.
材料力学は弾性力学を細長い直線棒に適用したものと言えるので,公式集を用いて連続体力学の概論および材料力学において応力と変形を求めるときの基本的な考え方について整理する.つまり,弾性理論に対する基礎式,つまり,平衡方程式,適合方程式,構成方程式,ひずみ成分と変位の関係式,境界条件式などの考え方について材料力学を通して修得すること目指す.
材料力学における真直はりの曲げ問題について,曲げモーメントとせん断応力による変形やひずみエネルギ問題について,重ね合わせの原理と相反定理,カステリアノの定理について弾性力学から見た意義を述べる.
弾性力学の基礎段階は,応力の平衡方程式,変形とひずみの関係について,主軸と主ひずみの定義,ひずみの不変量,ひずみに関する適合方程式の導き方について学習する.フックの法則の一般化を行うことによって,等方性材料から異方性材料への理論式の拡張を行う.二次元弾性論を中心に応力変換,ひずみ変換を行い,弾性問題の解法を学習する.
授業の進め方・方法:
【教科書・教材・参考書 等】
教科書:異方性材料の弾性論:中曽根祐司:コロナ社:2014
必要部分をプリンとにて配布:材料力学ハンドブック基礎編(1999)日本機械学会.
必要部分をプリンとにて配布:線形弾性論の基礎,進藤裕英(2002)コロナ社.
参考書:材料力学, 清家政一郎 (1998)共立出版.
参考書:材料力学, 西谷弘信(1998)コロナ社.
【授業形式・視聴覚・機器等の活用】
教科書を用いて座学により行い,プリント等を配る.
注意点:
基礎的な理論だけでなく実際に扱われている機械や人間工学的な側面にも分野を広げ,さまざまな機構や設計に対する取り組みを学習してもらいたい.
【事前に行う準備学習】
機械工学科 材料力学
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
連続体力学と材料力学の関係 |
連続体力学の概論および材料力学において応力と変形を求めるときの基本的な考え方について整理する。
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2週 |
直線棒の応力と変形の異方性 |
材料力学における真直はりの曲げ問題について、曲げモーメントとせん断応力による変形の異方性について整理する。
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3週 |
応力と弾性体の基礎方程式 |
真直棒の垂直応力と曲げ応力と断面2次モーメントを理解し、たわみ変形の微分方程式を学習する。
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4週 |
変形の取り扱い |
変位ベクトルと変位勾配テンソルについて平衡方程式と適合方程式の表し方を学び、剛体回転と剛体変位の考え方と区別できるようにする。
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5週 |
応力とひずみの座標変換 |
ひずみテンソルと応力テンソルを学び,座標変換とテンソルの関係を学ぶ
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6週 |
つり合い方程式 |
応力のつり合い方程式を示し,弾性体の基礎方程式を学ぶ。
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7週 |
主応力と主ひずみ |
主応力と偏差応力に分解して表記する方法を学び,直線棒の応力と変位のまとめとして組み合わせ応力をモールの応力円を用いて学習する。
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8週 |
境界条件 |
弾性力学で取り扱う境界について述べ、それぞれのつながりと役割について学習する。
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2ndQ |
9週 |
弾性力学と材料力学の関係 |
応力の種類と定義について考え、弾性学の基礎仮定を考える。 表面力と体積力の作用と、垂直応力とせん断応力による主応力の導き方について述べる。
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10週 |
構成方程式 |
直応力、せん断応力の応力成分の表記によってひずみや変形を関連付ける方程式に関する規約を学習する。
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11週 |
弾性係数テンソルの座標変換 |
異方性における変位の不均一性について弾性係数テンソルを座標変換する方法を学習する。
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12週 |
異方性材料 |
一般的な異方性材料を取り上げ,結晶系から対称性についてグループ化できることを学び,弾性係数テンソルの異方性を実用材料を含めて学習する。
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13週 |
弾性学の基礎式 |
弾性理論の基礎を理解するため、平衡方程式、適合方程式、構成方程式、境界条件式の役割をまとめ、均質等方弾性体におけるLameの定数なども用いた基礎方程式を導く。
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14週 |
弾性問題の解法 |
二次元問題に限定し、平面ひずみと平面応力問題について取り組む。
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15週 |
弾性問題の解法 |
二次元問題に限定し、各種の応用問題を扱う。
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16週 |
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評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |