到達目標
冗長な自由度を有するマニピュレータの解析方法と制御方法の初歩的な部分を習得することを目標にする。
□簡単なマニピュレータの逆運動学問題を解ける。
□簡単なマニピュレータの動力学を、ラグランジュ方程式を用いて導出できる。
□安定性を解析できる。
□極配置法を用いて状態フィードバック制御則を導出できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 簡単なマニピュレータの逆運動学問題を十分、理解できる。 | 簡単なマニピュレータの逆運動学問題を理解できる。 | 簡単なマニピュレータの逆運動学問題を理解できない。 |
評価項目2 | ラグランジュ方程式を用いた簡単なマニピュレータの動力学を十分、理解できる。 | ラグランジュ方程式を用いた簡単なマニピュレータの動力学を理解できる。 | ラグランジュ方程式を用いた簡単なマニピュレータの動力学を理解できない。 |
評価項目3 | 簡単なマニピュレータの安定性を十分、解析できる。 | 簡単なマニピュレータの安定性を解析できる。 | 簡単なマニピュレータの安定性を解析できない。 |
評価項目4 | 簡単なマニピュレータで、極配置法を用いた状態フィードバック制御則を十分、理解できる。 | 簡単なマニピュレータで、極配置法を用いた状態フィードバック制御則を理解できる。 | 簡単なマニピュレータで、極配置法を用いた状態フィードバック制御則を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
産業用ロボットで多用されるマニピュレータは手先効果器を空間中の任意の位置姿勢まで持っていって、溶接や塗装やピックアンドプレースの作業をすればよいので、一般には機構全体の自由度を6以下に設定して設計される。一方、我々の手や腕は位置精度や速度ではマニピュレータに劣るが、6自由度よりも多くの冗長な自由度を有して巧みにいろいろな作業をすることができる。ここでは、我々の手や腕のように冗長な自由度を有するマニピュレータを考え、巧みさに注目した解析方法と制御方法について初歩的な部分を学習する。
授業の進め方・方法:
主な授業内容は以下のとおり。
・冗長関節系の必要性
・冗長関節系の運動学
・マニピュレータの動力学
・線形システムの主な性質
・非線形システムの安定性
注意点:
リンク機構と剛体の力学と制御工学を復習しておくことが望ましい。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
冗長関節系の必要性 |
2自由度平面ロボットアームを例に、逆運動学の不良設定性を学習し、冗長多関節系としての手指を学習する。
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2週 |
冗長関節系の運動学 |
2~3自由度平面ロボットアームを例に、冗長関節系のヤコビ行列を学習し、擬似逆行列を用いて逆運動学を解析することを学習する。
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3週 |
冗長関節系の運動学 |
2~3自由度平面ロボットアームを例に、変分法を用いて、手先空間における速度を最小にする方法を学習する。
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4週 |
冗長関節系の運動学 |
2~3自由度平面ロボットアームを例に、変分法を用いて、手先空間における加速度や躍度を最小にする方法を学習する。
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5週 |
マニピュレータの動力学 |
2自由度平面ロボットアームを例に、その動力学をラグランジュの方法を用いて導出することを学習する。
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6週 |
マニピュレータの動力学 |
2自由度平面ロボットアームを例に、その動力学をラグランジュの方法を用いて導出することを学習する。
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7週 |
マニピュレータの動力学 |
2自由度平面ロボットアームを例に、その動力学をラグランジュの方法を用いて導出することを学習する。
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8週 |
マニピュレータの動力学 |
2自由度平面ロボットアームを例に、その動力学をラグランジュの方法を用いて導出することを学習する。
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4thQ |
9週 |
非線形システムの安定性 |
リヤプノフの定理を用いて、マニピュレータのような非線形システムの安定性を調べる方法を学習する。
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10週 |
非線形システムの安定性 |
リヤプノフの定理を用いて、マニピュレータのような非線形システムの安定性を調べる方法を学習する。
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11週 |
非線形システムの安定性 |
リヤプノフ関数を用いて、PDフィードバックに基づくロボット手先の位置制御の安定性を調べる方法を学習する。
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12週 |
非線形システムの安定性 |
リヤプノフ関数を用いて、PDフィードバックに基づくロボット手先の位置制御の安定性を調べる方法を学習する。
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13週 |
線形システムの主な性質 |
マニピュレータの微小動作を現在の関節角近傍で線形近似する方法を学習する。
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14週 |
線形システムの主な性質 |
2自由度倒立振子を例に、線形システムの安定性、可制御性と極配置法を学習する。
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15週 |
線形システムの主な性質 |
2自由度倒立振子を例に、線形システムの安定性、可制御性と極配置法を学習する。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |