システム制御工学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 44 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定なし
担当教員 平間 雄輔

到達目標

□古典制御理論を基に,フィードバックシステムの設計ができる
□古典制御理論を基に,フィードバックシステムの解析ができる
□PID制御のについて,各制御動作(P動作,I動作,D動作)を理解し,PID定数の調整ができる.
□フィードバックシステムの安定判別ができる.
□産業応用のPID制御技術を理解し,フィードバックシステムの設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古典制御理論を基に,複雑なフィードバックシステムの設計・解析できる.古典制御理論を基に,フィードバックシステムの設計・解析できる.古典制御理論を基に,フィードバックシステムの設計・解析できない.
評価項目2一般的なPID調整則を用いて,PID定数を調整でき,それを基に,性能向上のための再調整ができる。一般的なPID調整則を用いて,PID定数を調整できる.一般的なPID調整則を用いて,PID定数を調整できない.
評価項目3フィードバックシステムの安定判別ができ,制御性能を定量的に評価できる。フィードバックシステムの安定判別ができる.フィードバックシステムの安定判別ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
PID制御は産業界で広く利用されており,その応用例は多岐にわたる.そこで,本講義はフィードバック制御の中でも,PID制御を取り上げ,その基礎知識を学習する.
授業の進め方・方法:
授業の前半は,基礎知識を学習する.また,PID定数とフィードバックシステムの特性について学習する.授業の後半では,産業界で利用されるPID制御技術である,アンチワインドアップ,微分先行型PID制御,比例帯,その他のアドバンストPID制御について触れ,実用上の制御を学習する.必要に応じてPCを用いて,数値シミュレーションを行い,アドバンストPID制御などの効果を実際に確認する.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ラプラス変換と逆ラプラス変換 制御工学で扱う関数のラプラス変換・逆ラプラス変換ができる
2週 1次遅れ+むだ時間系のステップ応答 ・1次遅れ+むだ時間系のステップ応答の時間関数が書ける
・ステップ応答のグラフからプロセスパラメータを読み取れる
・高次モデルを1次遅れ+むだ時間系に近似できる
3週 PID制御①
P動作(比例動作)
P動作(比例動作)について,原理と特徴を説明できる.
4週 PID制御②
I動作(積分動作)
PI制御
I動作(積分動作)について,原理と特徴を説明できる.
5週 PID制御③
D動作(微分動作)
PD制御,PID制御
D動作(微分動作)について,原理と特徴を説明できる.
6週 PID調整法① CHR法やZN法を用いてPID定数を調整できる.
7週 PID調整法② オートチューニングなど,閉ループで行なうPID調整法を説明できる。
8週 フィードバックシステムの応答 フィードバックシステムの応答波形に関する用語を説明できる.
4thQ
9週 フィードバックシステムの特性,ロバスト性,目標値追従性,外乱抑制性 ロバスト性と目標値応答性がトレードオフ問題であることを説明できる.
10週 PID制御応用①
アンチワインドアップ,微分先行型,不完全微分
制御ループを,操作量の制約や目標値変更,ノイズなどに合わせて修正できる.
11週 PID制御応用②
目標値重み,比例帯
目標値重みを用いることで,外乱抑制と目標値追従のトレードオフを改善できる.
12週 外乱オブザーバの設計 単入出力系の外乱オブザーバを設計できる
13週 IMC制御 IMC制御を用いた制御系が設計できる
14週 数値シミュレーション① 伝達関数を状態空間方程式に変換し,制御シミュレーションが行なえる
15週 数値シミュレーション② 伝達関数を状態空間方程式に変換し,制御シミュレーションが行なえる
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000