到達目標
□ ミクロの世界を記述するには、量子力学が必要であると認識することができる。
□ 箱型ポテンシャルについて、存在し得るエネルギー状態を算出できることができる。
□ 電子集団を空間に閉じ込めた場合の最高エネルギーを見積もるための原理を知ることができる。
□ 電子集団が弱い周期的ポテンシャルを感じると、自由なときとは状態が違ってくることを理解できる。
□ 電子デバイスの内部でのキャリア状態について概観を得ることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ごく基本的な量子力学を使い、電子集団の性質をよく理解できる。 | ごく基本的な量子力学を使い、電子集団の性質を理解できる。 | ごく基本的な量子力学を使い、電子集団の性質を理解できない。 |
評価項目2 | 逆格子の構成原理とその意義をよく理解できる。 | 逆格子の構成原理とその意義を理解できる。 | 逆格子の構成原理とその意義を理解できない。 |
評価項目3 | バンドギャップの起源とその発生メカニズムをよく理解できる。 | バンドギャップの起源とその発生メカニズムを理解できる。 | バンドギャップの起源とその発生メカニズムを理解できない。 |
評価項目4 | 半導体の基本パラメーターの意味をよく理解できる。 | 半導体の基本パラメーターの意味を理解できる。 | 半導体の基本パラメーターの意味を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
○固体電子物性を考えるとき頻繁に遭遇する基本概念を理解することを目標とします。電子物性の舞台として固体を捉え直すことが大切です。固体電子物性の舞台となるのは、規則的に配列した原子集団(結晶)です。まず初めに、金属中の自由電子のエネルギー状態について概観し、電子系の比熱について学びます。そして、半導体のバンド構造に触れた後、電子デバイスの内部でのキャリア状態について概観を得ることも目指します。
授業の進め方・方法:
教科書にもとづいて進めます。
注意点:
○電子物性の舞台となるのは固体物質です。物質の中では複層的エネルギースケールの物事が絡み合いながら存在しています。今考えている現象がどのくらいのエネルギーを持つ現象であるのかを意識しながら考えるようにしてください。
○この科目の理解のためには、化学・統計力学・量子力学・電磁気学等の基本的な知識が必要となります。種々の機会を捉えて学習をしておいてください。
[後期]期末試験:80%,レポート:20%
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
電子物性の概要 |
・電子物性の概要 ・結晶結合の種類 ・孤立原子の電子軌道とその種類
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2週 |
基礎知識1
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・量子力学の概要 (a)シュレディンガー方程式 (b)波動関数 (c)エネルギー期待値 (d)摂動論 【レポート1】 箱型ポテンシャルにおけるエネルギー式の導出
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3週 |
基礎知識2
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・分散関係 ・1次元箱型ポテンシャルの解 ・3次元箱型ポテンシャルの解 ・周期的境界条件の導出 ・フェルミエネルギー ・自由電子近似 【レポート2】 自由電子のフェルミエネルギー
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4週 |
電子集団の性質 |
・フェルミ粒子の性質(1) ・フェルミ波数と粒子数の関係 ・フェルミ粒子の性質(2) ・フェルミ分布関数 ・状態密度の定義 ・3次元のときの状態密度 ・比熱の定義(定積比熱と定圧比熱) ・電子比熱 【レポート3】 自由電子のフェルミエネルギーの導出および電子比熱式の導出
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5週 |
エネルギーバンド1 |
・バンドギャップ発生の基本メカニズム (自由電子近似におけるバンドギャップの解釈) ・自由電子近似再説
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6週 |
エネルギーバンド2 |
・代表的半導体のエネルギーバンド ・直接遷移と間接遷移 ・摂動論
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7週 |
エネルギーバンド3 |
・ブロッホの定理 ・強結合近似 【レポート4】 強結合近似によるバンドギャップの導出
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8週 |
逆格子とブリルアンゾーン1 |
・逆格子の定義 ・逆格子の意味 ・格子と逆格子の具体例 【レポート5】 代表的な逆格子の計算
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4thQ |
9週 |
逆格子とブリルアンゾーン2 |
・定在波の存在条件 ・ブリルアンゾーンとその意味 ・代表的なブリルアンゾーン形状 【レポート6】 ブリルアンゾーン模型の製作
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10週 |
ドナーとアクセプター
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・電子とホール ・バンドギャップと不純物準位 ・ドナー準位とアクセプター準位 ・有効質量近似 【レポート7】 バンド図に対応する有効質量の作図
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11週 |
キャリア濃度1 |
・固有半導体のキャリア濃度
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12週 |
キャリア濃度2 |
・不純物準位 ・不純物半導体のキャリア濃度 ・半導体材料の基本評価パラメーター ・電気伝導度の古典論
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13週 |
キャリア濃度3 |
・波数空間における電気伝導の扱い ・移動度 ・ホール効果 【レポート8】キャリア密度の導出
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14週 |
pn接合 |
・pn接合におけるキャリア分布 ・空乏層 ・電位障壁 【レポート9】 空乏層厚さと電位障壁の関係
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15週 |
ダイオード |
・ダイオードのIV特性 ・降伏効果 【レポート10】 講義ノートまとめ
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |