金属組織制御特論

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 金属組織制御特論
科目番号 59 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新訂初級金属学(内田老鶴圃)/軽合金材料(コロナ社),アルミニウム大全(日刊工業新聞社)など
担当教員 高山 雄介

到達目標

□鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。
□共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。
□加工硬化、固溶硬化、析出硬化、分散硬化の原理を説明できる。
□再結晶粒の成長機構を説明できる。
□先進的な素形材加工技術の利点や課題を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アルミニウム合金について,成分や加工工程による組織学的変化を理解し,適切な材料選択ができるアルミニウム合金について,成分や加工工程による組織学的変化を理解しているアルミニウム合金について,成分や加工工程による組織学的変化を理解していない
評価項目2金属の強化機構と転位の移動の関係について説明できる金属の強化機構を理解している金属の強化機構を理解していない
評価項目3先進的な素形材加工技術の利点や課題を理解し,説明できる先進的な素形材加工技術の利点や課題を理解している先進的な素形材加工技術の利点や課題を理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は企業で鋳造の生産技術を担当していた教員がその経験を活かし,金属製の工業製品がその生産プロセス中でどのような組織変化を起こすのかについて授業を行う。またアルミニウム合金を例に,プロセス-組織-材料特性の関係を理解し,適切な工法や材料の選択方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業はパワーポイントと板書を併用した講義形式で行う。
授業スライドは事前にpdf資料を配布する。
注意点:
本科目の履修を希望するものは,機械工学科「材料学」「機械工作法」を履修していることが望ましい。未履修の学生は適宜質問を受け付けるので,毎回の授業内容について積み残しがないようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・状態図の基礎① 代表的な状態図の違いを説明できる
2週 状態図の基礎② 異なる溶質濃度の液相から結晶が凝固する過程を説明できる
3週 転位の移動と金属の強化機構① 金属の結晶組織と機械的特性の関係
4週 転位の移動と金属の強化機構② 代表的な金属の強化機構を,転位の移動によって説明できる
5週 アルミニウム合金 アルミニウム合金の種類と特徴を説明できる
6週 溶解と鋳造 初期組織の形成を状態図を使って説明できる
7週 塑性加工① 代表的な塑性加工について説明できる
8週 塑性加工② 塑性加工による初期組織の変化と転位密度の関係を説明できる
2ndQ
9週 熱処理① 熱処理の種類について説明できる
10週 熱処理② 転位密度と再結晶組織の関係を説明できる
11週 熱処理③ 溶体化処理と時効硬化について説明できる
12週 切削・接合 切削や接合による組織変化を説明できる
13週 応用技術① 熱処理や塑性加工を複合したプロセスについて説明できる
14週 応用技術② 先進的な素形材加工技術について説明できる
15週 要求特性とプロセス設計 要求される機械的特性に対して適切な材料・プロセスの選択ができる
16週 期末試験

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000