技術者倫理

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 6 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての工学倫理(昭和堂)
担当教員 市村 智康,平社 信人,田中 英紀,永野 博之

到達目標

技術が社会および自然に及ぼす影響を考慮し、技術者として社会および自然に対する責任を自覚する能力(技術者倫理)が要求される。グループ討議を通して自分の意見をわかりやすく説明し、他者の意見に対するコメント、同調等を涵養する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1プラスとマイナス面を複数考え、技術者としての責任を負える。プラス面とマイナス面を考えることができる。複眼的な見方ができない。
評価項目2各人の特別研究を技術者倫理の観点から説明できる。各人の特別研究をわかりやすく説明できる。特別研究の意義や倫理的な側面を理解できない
評価項目3議事録やパワーポイントをわかりやすくまとめる。議事録や書類をまとめることができる。決められた書式に沿って報告書をまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
オムニバス形式とし、3名の教員で各5回担当する。内容は、原因、責任の所在、社会への影響、自然への影響、考えられる未然処置等、学生が技術に関して多面的に考察できるように、次のテーマについて倫理基礎を学習する。テーマは、組織とエンジニア、企業の社会的責任、安全性と設計、事故調査、製造物責任、知的財産、施工管理、工程管理、維持管理、企業秘密、内部告発、専門的知識の研鑽、専門家の誇り、システム設計の難しさ等である。
授業の進め方・方法:
発表形式の授業で、学生を班分けし、班別に1テーマを担当する。各班は1回の講義を担当し、講義前までにテーマの調査、発表内容を相談し、発表要旨を作成して当日配布する。問題提起を含め担当学生がプレゼンを行い、その後質疑応答を受けて、複数のグループに分かれた学生同士で討議する。時間内に各グループごとのまとめを行って発表する。討議内容は各グループの書記がまとめる。
注意点:
本科目は、授業時間30時間に加えて、自学自習時間60時間が必要となります。具体的には、各班に指定されたテーマの要旨、プレゼン資料・発表・質疑応答、8回実施する小テスト、グループ討議とその内容把握、各人が対応している特別研究を1ページ内に要領よくまとめる事を予習・復習すること。
主題に沿った事例があるので、事例を基に概要調査、背景、原因、責任所在、問題提起(討議すべき課題)を明確にして、プレゼン資料や発表要旨を作成すること。主題からずれた問題提起は行わないようにすること。なお、最終評価点等に関する個人的な問い合わせには応じません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.ガイダンス 学習目標、講義の進め方、評価方法、技術者倫理の基礎を説明し、それぞれを理解する。
2週 2.企業の社会的責任 フォードピント事件を題材に主題を理解する。
3週 3.事故調査 日航機ニアミス、または設樂高原鉄道事故を題材として主題を理解する。
4週 4.製造物責任 三菱自動車リコール隠し、または六本木ヒルズ回転ドアを題材として主題を理解する。
安全について小テストで内容を理解する。
5週 5.安全性と設計 豊洲新市場土壌汚染を題材として主題を理解する。
知的財産に関する小テストで内容を理解する。
6週 6.維持管理 笹子トンネル事故を題材として主題を理解する。
製造物責任に関する小テストで内容を理解する。
7週 7.知的財産権 遺伝子スパイ事件、または青色発光ダイオード裁判を題材として主題を理解する。
ビジネス倫理についての小テストで内容を理解する。
8週 8.施工管理 原発コンクリ-ト大量加水事件、または欠陥住宅を題材として主題を理科する。
倫理要綱についての小テストで内容を理解する。
4thQ
9週 9.工程管理 雪印乳業集団食中毒、またはJOC臨界事故を題材として主題を理解する。
応用倫理についての小テストで内容を理解する。
10週 10.システム設計の難しさ みずほのシステムトラブル、または小惑星探査機はやぶさを題材として主題を理解する。
倫理概念についての小テストで内容を理解する。
11週 11.組織とエンジニア チャレンジャー号事件を題材として主題を理解する。
工学の倫理概念についての小テストで内容を理解する。
12週 12.企業秘密を守る 転職のモラル、新潟鐵工事件、またはIBMさん豪スパイを題材として主題を理解する。
13週 13.内部告発 キルベイン・ゴールド、または日本における内部告発の事例を題材として主題を理解する。
14週 14.専門的知識の研鑽 無駄な開発、または耐震偽造事件を題材として主題を理解する。
15週 15.専門家の誇り 材料特性(鋼材強度)偽装問題を題材として主題を理解する。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合2040020020100
基礎的能力0200002040
専門的能力2010000030
分野横断的能力0100200030