到達目標
土木事業の中には,河川・海岸・港湾・水力発電・上下水道・灌漑などの水に関する事業がきわめて多い.これら事業の計画・設計・施工にあたっては,水の基本性質,流れの状態,流れが土木構造物(堰・ダム・橋など)に及ぼす影響などに関する知識・技術などが重要となる.このような水の運動を力学的に取り扱う学問である水理学に関する本科で身につけた基礎と応用能力を確実なものにするとともに,水の流れの内部に生じている現象や諸量の分布状態などのより詳細な情報に関する学問である流体力学の基礎能力を養成する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 流体の物理的性質の定量的表現とその解析ができる. | 流体の物理的性質の定量的表現とその解析手法の概要を理解できる. | 流体の物理的性質の定量的表現とその解析手法の概要を理解できない. |
評価項目2 | 完全流体・粘性流体における1~3次元不定流に関する基礎方程式が導出できる. | 完全流体・粘性流体における1~3次元不定流に関する基礎方程式を理解できる. | 完全流体・粘性流体における1~3次元不定流に関する基礎方程式を理解できない. |
評価項目3 | 管水路と開水路の1次元不定流に関する基礎方程式を応用できる. | 管水路と開水路の1次元不定流に関する基礎方程式を理解できる. | 管水路と開水路の1次元不定流に関する基礎方程式を理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科で勉学した水理学の発展的内容として,主に水を対象とした流体力学の基礎理論に関する講義を行う.
授業の進め方・方法:
講義形式による座学
注意点:
レポートや課題を全て提出することは成績評価を行う条件であり,未提出のレポートや課題がある場合は,総合成績を0点とする.
本科目は,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が授業の前後に必要となる.具体的な学修内容は講義に沿った内容となり,課題提出を実施する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
流体の物理的性質(1) |
・流体の物理的性質(密度,粘性,応力)を理解できる. ・流体を連続体として認識することができる.
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2週 |
流体の物理的性質(2) |
圧縮性と非圧縮性,表面張力と毛細現象を理解できる.
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3週 |
流体の定量化と次元解析 |
レーリーの方法とバッキンガムのπ定理を理解できる.
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4週 |
流体運動の表現 |
・ラグランジュ表示とオイラー表示の概念を理解できる. ・実質微分のラグランジュ表示とオイラー表示を理解できる.
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5週 |
連続式 |
圧縮性流体と非圧縮性流体の連続式を理解できる.
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6週 |
非粘性流体の運動方程式 |
オイラーの運動方程式を理解できる.
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7週 |
粘性流体の応力の表現 |
粘性流体の応力の表現を理解できる.
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8週 |
粘性流体の運動方程式 |
ナビア・ストークスの運動方程式の構成を理解できる.
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4thQ |
9週 |
流体の変形と回転 |
・流体要素の伸縮・ずれ・回転の表現を理解できる. ・渦度を理解できる.
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10週 |
速度ポテンシャルと渦なし流れ,流れ関数 |
・速度ポテンシャル,渦なし流れを理解できる. ・流れ関数を理解できる.
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11週 |
非定常流れに対するベルヌーイの定理 |
・非定常流れに対するベルヌーイの定理を理解できる. ・非定常の場合のベルヌーイの定理の例を理解できる.
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12週 |
非定常流れに対する運動量保存則 |
非定常流れに対する運動量保存則を理解できる.
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13週 |
運動量保存則の応用 |
運動量保存則を応用した抗力の評価法を理解できる.
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14週 |
開水路の非定常流(1) |
開水路の非定常流の基礎式(連続式・運動方程式)を理解できる.
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15週 |
開水路の非定常流(2) |
・キネマティック・ウェーブを理解できる. ・ダイナミック・ウェーブを理解できる. ・クライツ・セドンの法則を理解できる.
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16週 |
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評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 45 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 50 |
専門的能力 | 45 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |