無機化学特論Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学特論Ⅰ
科目番号 117 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:第4版 無機化学[上][下]:シュライバー著 田中、平尾、北川 訳:東京科学同人   参考書:基礎無機化学[第3版]:コットン・ウィルキンソン・ガウス著:培風館
担当教員 太田 道也

到達目標

近年では、有機化合物の特性と金属原子の特性をハイブリッドさせるという新しい展開がみられ学部レベルにも一般
化されてきている。本科目ではそうした新しい基礎無機化学を学ぶ。
□分子軌道の考えに基づいて化学結合と反応性について理解できる。
□錯体の結合状態と結晶構造を理解できる。
□対称性と点群によって物質の安定性や物性予測を理解できる。
□電子移動と酸化還元反応の化学や有機金属化合物などについて分子軌道の考えに基づいて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1錯体の結合状態と結晶構造について理解して十分に説明できる。錯体の結合状態と結晶構造について理解して説明できる。錯体の結合状態と結晶構造について理解して説明できない。
評価項目2対称性と点群と物性との関係について理解して十分に説明できる。対称性と点群と物性との関係について理解して説明できる。対称性と点群と物性との関係について理解して説明できない。
評価項目3分子軌道法に基づいた化学結合と電子配置、エネルギー状態の関係について理解して十分に説明できる。分子軌道法に基づいた化学結合と電子配置、エネルギー状態の関係について理解して説明できる。分子軌道法に基づいた化学結合と電子配置、エネルギー状態の関係について理解して説明できない。
評価項目4電気化学反応と電解工業や電池反応と発電、エネルギー貯蔵問題、エネルギー問題、環境問題について理解して十分に説明できる。電気化学反応と電解工業や電池反応と発電、エネルギー貯蔵問題、エネルギー問題、環境問題について理解して説明できる。電気化学反応と電解工業や電池反応と発電、エネルギー貯蔵問題、エネルギー問題、環境問題について理解して説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機化合物は量子論的な化学結合の考えにもとづいて結合論や化学反応論を学ぶ。また結晶構造やX線回折による構造解析、点群標記と結晶構造との関係、熱化学的取り扱いでの結晶構造などを学ぶ。物性や化学反応が構造や結合における電子状態に左右されることを分子軌道の考えに基づいて学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
本科目は、授業時間30時間に加えて、自学自習時間60時間が授業の前後に必要となります。具体的な学習内容は授業計画のとおりであり、本科で学んだ内容を準備学習として復習すること。また、課題に取り組み、授業の内容を復習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスに基づく本授業の内容と予定の説明と無機化学の基礎について復習 酸・塩基、酸化・還元、共有結合とイオン結合、結晶系などを総括的に説明できる。
2週 化学結合(1) 分子間相互作用の種類とミクロ及びマクロな構造の形成および物性との関係について説明できる。
3週 化学結合(2) 原子化結合(VB)理論から考える等核二原子分子と異核二原子分子の化学結合を説明できる。
4週 化学結合(3) VB理論から考える多原子分子の化学結合と立体構造、VSEPR理論と分子力場について説明できる。
5週 化学結合(4) 分子軌道(MO)理論から考える二原子分子、多原子分子とVB論の違いについて説明できる。
6週 結晶構造(1) 分子の対称性と点群、結晶における対称性と群論について説明できる。
7週 結晶構造(2) 軌道の対称性とMO論について説明できる。
8週 結晶構造(3) 結晶・非結晶とX線回折法を用いた結晶構造の解析法について説明できる。
2ndQ
9週 X線結晶学 Braggの式と結晶構造解析について説明できる。
10週 錯体化学(1) d金属錯体の構造と対称性について説明できる。
11週 錯体化学(2) 結晶場理論から考える配位子場分裂と中心金属原子の電子配置について説明できる。
12週 錯体化学(3) 磁気測定または電子協名吸収測定に基づく中心金属ない電子配置について説明できる。
13週 錯体化学(4) 配位化学とヤーンテラー歪み、軌道の重なりから考える配位子場理論と構造について説明できる。
14週 錯体化学(5) 有機金属化合物および錯体の電子状態と電子スペクトルについて説明できる。
15週 電気化学工業 電気化学反応と電解工業・電池・エネルギー貯蔵材料について説明できる。
16週 期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力7010000080
専門的能力1010000020
分野横断的能力0000000