経済思想

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 経済思想
科目番号 80 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし(講義に応じて参考文献を例示します)
担当教員 林 凌

到達目標

◇経済思想における代表的概念の意味とその歴史的形成過程を理解することによって、現代社会において生じている経済的問題について分析を行えるようになる。
◇現代社会における経済システムのメカニズムについて理解し、今後の展望を行うことが出来るようになる。
◇日本特殊的な経済・経営思想の流れとその諸帰結を理解することによって、現代日本社会において生じている様々な問題やその源泉を把握することが出来るようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1経済思想における代表的な概念の意味について、その歴史的経緯も含め十分に理解し、読書などを通じてさらに理解を深めることが出来る。経済思想における代表的な概念の意味について理解することが出来る。経済思想における代表的な概念の意味について理解出来ていない。
評価項目2現代社会を考察するツールとして経済思想の諸概念を用い、現実に生じている問題に対し分析を加えることができる。現代社会を考察するツールとして経済思想の諸概念を用いることができる。現代社会を考察するにあたって、経済思想の諸概念を用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・講義や参考文献の講読を通じて、経済思想の基本的な知識を身につける。
・講義の内容に関係する資料や参考図書を読み込み、少人数での議論などを通じて、経済思想やそれにまつわる応用問題について、多様な観点から考察し、学習内容の理解を深める。
・授業内容についてのワークシートやレポート課題の作成を通じて、学習内容の定着を図るとともに、自らの見解を論理的に表現する訓練を行う。
授業の進め方・方法:
原則講義形式で行う。講義の内容や文献・資料の講読にもとづいたグループでの議論なども実施する。
最終評価はワークシートとレポート課題の合算で行う。
注意点:
参考書は以下の通り(授業中に別途参考文献を提示します)

ナイアル・キシテイニー, 2018,『若い読者のための経済学史』すばる舎.
中村隆之, 2018, 『はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで』講談社.
安倍悦生, 2010,『経営史』日本経済新聞出版社.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス―経済思想を学ぶ意義 高専生が「経済思想」を学ぶことについて、どのような意味があるのかを知ることが出来る。
2週 「経済」とは何か 一般に社会で語られる「経済」という概念が、そもそもどういうものなのかを原論的に理解することが出来る。
3週 「貨幣」とは何か 経済思想において重要な分析枠組みである「貨幣」概念がどのような意味を託され形成されてきたのかを理解することが出来る。
4週 「市場」とは何か 経済思想において重要な分析枠組みである「市場」概念がどのような意味を託され形成されてきたのかを理解することが出来る。
5週 「資本主義」とは何か 現代社会の主要な体制であるとされる「資本主義」が、どのような歴史的経緯のもと生まれたものなのかを理解することが出来る。
6週 「社会主義」とは何か 1990年代以降急激に退潮した「社会主義」が、どのような歴史的経緯の中で要請されたものなのかを理解することが出来る。
7週 「新自由主義」とは何か 現代社会でしばしば批判的に述べられる本概念が、歴史的にどのような形で形成されてきたのかを理解することが出来る。
8週 社会科学における再現性 自然科学と社会科学の間にある本質的違いと、それに対応しようとした経済思想の流れについて理解することが出来る。
4thQ
9週 企業の変遷 現代の企業がどのような歴史的経緯のもと現れたのかを理解することが出来る。
10週 フォーディズムとポストフォーディズム 「フォーディズム」体制と「ポストフォーディズム」体制の違いを理解することが出来る。
11週 イノベーションのジレンマ 近年の大企業によるベンチャー企業の相次ぐ買収が、なぜ起きているのかを理論的に理解することが出来る。
12週 日本における経済学・経営学の導入過程 日本における経済・経営学の導入過程を理解し、欧米のそれとの差異とその影響を理解することが出来る。
13週 日本的経営①その歴史的定着過程 今もなお支配的な「日本的経営」が、どのような歴史的経緯のもと日本に定着したのかを理解することが出来る。
14週 日本的経営②現代におけるその問題 今もなお支配的な「日本的経営」が現在抱えている問題点を理解し、その対策について検討することが出来る。
15週 日本における「流通革命」の諸相 現在の日本における流通業、特に小売業が、戦後どのような経済・経営思想のもと発展を遂げたのかを理解することが出来る。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート授業中の課題合計
総合評価割合000008020100
基礎的能力000008020100
専門的能力00000000