遺伝子工学特論

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 遺伝子工学特論
科目番号 91 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 遺伝子工学ー基礎から応用までー:野島 博:東京化学同人:4-8079-0804-2
担当教員 大和田 恭子

到達目標

□遺伝子工学について、その概念と基礎を理解できる。
□遺伝子の発現機構とその調節について説明できる。
□遺伝子組換え技術の原理について理解できる。
□遺伝子クローニングと機能発現解析について理解できる。
□遺伝子組換え技術の医薬品への利用や遺伝子治療について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1遺伝子の発現機構とその調節について説明できる遺伝子の発現機構とその調節について理解できる遺伝子の発現機構とその調節について説明できない
評価項目2遺伝子組換え技術の原理について説明できる遺伝子組換え技術の原理について理解できる遺伝子組換え技術の原理について説明できない
評価項目3遺伝子クローニングと機能発現解析について説明できる遺伝子クローニングと機能発現解析について理解できる遺伝子クローニングと機能発現解析について説明できない
評価項目4遺伝子組換え技術の医薬品への利用や遺伝子治療について説明できる遺伝子組換え技術の医薬品への利用や遺伝子治療について理解できる遺伝子組換え技術の医薬品への利用や遺伝子治療について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
遺伝子工学について、その概念と基礎を理解し、遺伝子組換え技術の原理について学習する。
遺伝子組換え技術の応用を医薬品への利用、遺伝子治療について理解するとともに、バイオテクノロジーにおける遺伝子工学の正しい知識を定着させる。
授業の進め方・方法:
講義(板書、授業内容に関する配布資料)および学習内容定着のための演習
注意点:
本科目は、授業時間30時間に加えて、自学自習時間60時間が授業の前後に必要となる。具体的な内容は授業時間に指示する。遺伝子工学分野はめざましく進展している分野であるから、バイオサイエンスのニュースのリアルタイム理解に努めること、関連書籍を積極的に読むことを実践すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 遺伝子工学の歴史 遺伝子の概念が理解できる。遺伝物質の化学的性質が理解できる。形質転換物質としてのDNA、核酸の基本構造がわかる。
2週 セントラルドグマ・遺伝子組換え技術の誕生 アダプター仮説とtRNAの発見、mRNAの発見とセントラルドグマを理解できる。遺伝子組換え法の原理が理解できる。
3週 DNAを細工する酵素群 制限酵素、制限と修飾、DNAメチラーゼがわかる。各種ヌクレアーゼの特徴、DNAリガーゼによるDNAの連結についてわかる。
4週 DNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼ DNAポリメラーゼの種類とDNA合成反応についてわかる。クレノウフラグメントがわかる。RNAポリメラーゼの種類と触媒するRNA合成反応がわかる
5週 プラスミド プラスミドの性質、種類(ColE1系、F因子系、R因子系)、Fプラスミドの伝達についてわかる。
6週 ファージ λファージの生活環、λファージDNAの構造複製についてわかる。
7週 プラスミドベクター プラスミドベクターの基本構造がわかる。プラスミドベクターの種類がわかる。α相補の原理がわかる。
8週 ファージベクター 遺伝子組換えにおけるλファージベクターの利用についてわかる。混成ベクターとして、コスミドベクター、ファージミドベクターがわかる。出芽酵母を宿主としたベクター系がわかる。
2ndQ
9週 遺伝子操作における宿主と形質転換 宿主として持つべき性質を理解している。大腸菌の形質転換、動物培養細胞の形質転換の各種方法がわかる。
10週 宿主の制限系と組換え系 大腸菌K-12株における代表的な制限系とそれを規定する遺伝子がわかる。組換えに関する遺伝子についてわかる。
11週 クローニングと遺伝子ライブラリー クローニング、PCR法による遺伝子クローニングの種類と方法がわかる。ゲノムライブラリーとcDNAライブラリーの作製法がわかる。
12週 機能発現クローニング 大腸菌を宿主とした各種機能発現クローニング、酵母を宿主とした機能発現クローニング(ツーハイブリッドシステム)、哺乳動物細胞を宿主とした機能発現クローニングがわかる。
13週 遺伝子治療 遺伝子治療の歴史と遺伝子治療について理解する。遺伝子治療の原理、各種ウィルスベクター(レトロウィルスベクター、アデノウィルスベクター、AVV、レンチウィルスベクター)の特徴と遺伝子治療への応用について理解する。
14週 DNA技術の多彩な応用 親子鑑定、分子考古学、分子人類学、ミトコンドリアDNAの特徴について知る。
15週 ポストゲノム時代のゲノム工学 ヒトゲノム情報の概略、エピジェネティクスについて理解する。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000