1. 不釣合いのある回転体の性質とつりあわせ方法について説明できる。
2. 2自由振動系の自由振動について、運動方程式、振動数方程式を解くことができる。
3. 2自由度振動系の強制振動について、運動方程式の解法と共振曲線に示される振動の形態を説明できる。
概要:
機械力学IIでは振動現象について学びます。はじめに、不釣合いのある回転軸の振動(1自由度の強制振動と同等)を対象にして、その解析方法や振動の性質を学びます。次に、2自由度の振動系を対象として、その自由振動と強制振動の解析方法について学習します。いずれの章でも次のような内容を学習します。
1. 対象となる振動系の振動モデルを考え、自由体図(フリーボディダイヤグラム)を描くこと。
2. 自由体図から運動方程式を導出すること。
3. 運動方程式の解法
4. 運動方程式の解を解釈し、振動現象を理解する。
授業の進め方・方法:
毎回の授業は、基本的な事柄を説明した後、課題演習等で理解を深める。
この科目は学修単位科目のため,事前/事後学習として,
①授業90分に対して教科書で予習,復習をそれぞれ90分以上(合計180分)行うこと.
②試験毎に1350分程のレポートを2回課すので予習,復習に役立てること.
注意点:
運動方程式の誘導方法は不明な点がないよう各自しっかり復習し、演習問題を多くこなす事が肝要である。力および力のモーメントの釣り合い、三角関数、行列および2階線形常微分方程式の解法など必要な基礎知識が不足する場合は、過去に修得した科目で使用した教科書を見直して充足することが必要である。
【主な関連科目】物理学、微分積分、三角関数
機械力学Ⅰ(4後)
【成績の算出方法】
中間試験および定期試験を実施し、試験成績(2回の試験の平均点)を80%,2回の課題内容の平均点を20%として評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
回転体のつりあわせ |
不釣合いのある回転体の性質について学ぶ。危険速度やふれまわり現象を理解する。(MCC)
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2週 |
回転体のつりあわせ |
ふれまわりの大きさと重心の進み角の式を導出し、グラフ化する。式とグラフより,危険速度やふれまわりの特徴を理解する。(MCC)
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3週 |
回転体のつりあわせ |
危険速度や自動調心について理解し、各種のふれまわりを小さくする方法を理解する。(MCC)
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4週 |
2自由度振動系の自由振動 |
機械装置のモデル化と自由体図の書き方、運動方程式の導出方法を学ぶ。
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5週 |
2自由度振動系の自由振動 |
運動方程式の解法を理解する。振動数方程式から固有角振動数を求める。
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6週 |
2自由度振動系の自由振動 |
運動方程式の解法を理解する。振幅比を求め、固有振動モードについて理解する。
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7週 |
2自由度振動系の自由振動 |
運動方程式の解法を理解する。連成項について学び、連成しない条件を理解する。
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8週 |
2自由度振動系の自由振動 |
固有角振動数と固有振動モードから2自由度振動系の振動の性質を理解する。
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2ndQ |
9週 |
2自由度振動系の強制振動 |
機械装置の振動モデル化と自由体図の書き方、その強制振動の運動方程式の導出法を学ぶ。ここでは力による強制振動をモデルとする。
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10週 |
2自由度振動系の強制振動 |
運動方程式の解法、定常解の解法を理解する。
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11週 |
2自由度振動系の強制振動 |
強制振動の定常解から共振曲線を書くことができる。
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12週 |
2自由度振動系の強制振動 |
運動方程式の解と共振曲線を用いて2自由度振動系の強制振動の性質を理解する。
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13週 |
2自由度振動系の強制振動 |
運動方程式の解と共振曲線を用いて動吸振器の原理を理解する。
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14週 |
2自由度振動系の強制振動 |
変位による強制振動について、振動モデル、運動方程式の導出、解法を理解する。
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15週 |
2自由度振動系の強制振動 |
変位による強制振動の性質について、力による強制振動の場合と対比して理解する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 4 | |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 4 | |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 4 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | |