物理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 物理学Ⅱ
科目番号 0029 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理基礎」数研出版 750円(税込) (1年次購入)「物理」数研出版 1,080円(税込) (1年次購入)「フォトサイエンス物理図録」数研出版 823円(税込)(1年次購入)「セミナー物理基礎+物理」第一学習社 940円(税込)(1年次購入)
担当教員 嘉数 祐子

到達目標

<前期>
 一年次の慣性系から発展して、非慣性系における運動が扱えるようにする。また、波動の基礎となる円運動や単振動の性質及び物体に働く力、速度、加速度の関係を説明できるようにし、水平面内・鉛直面内での円運動や単振動を数値的に解析できるようにする。さらに、円運動が基礎となる天体の運動を取り上げ、万有引力と重力の違いや物体が地球の周りを回る衛星になるためにはどれほどの初速度が必要かなど定量的に求められるようにする。

<後期>
 前期で扱った円運動及び単振動をもとに、波動の性質・波の伝わり方・反射と屈折・干渉について一次元的、二次元的に説明できるようにする。また、波動の一種である音や光について、楽器や回折・干渉といった現象を解析できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
相対運動・相対的な運動に働く力を理解し、慣性力に関する発展・応用問題が解ける。 ・相対的な運動に働く力を理解し、慣性力に関する基本問題が解ける。 ・相対的な運動に働く力を理解しておらず、慣性力に関する基本問題が解けない。
円運動・等速円運動について理解し、等速円運動に関する発展・応用問題が解ける。 ・等速円運動について理解し、等速円運動に関する基本問題が解ける。 ・等速円運動について理解しておらず、等速円運動に関する基本問題が解けない。
単振動・単振動について理解し、単振動に関する発展・応用問題が解ける。・単振動について理解し、単振動に関する基本問題が解ける。・単振動について理解しておらず、単振動に関する基本問題が解けない。
惑星の運動・万有引力について理解し、万有引力に関する発展・応用問題が解ける。・万有引力について理解し、万有引力に関する基本問題が解ける。 ・万有引力について理解しておらず、万有引力に関する基本問題が解けない。
波動・波動の基本的な特性を理解し、波動に関する発展・応用問題が解ける。・波動の基本的な特性を理解し、波動に関する基本問題が解ける。・波動の基本的な特性を理解しておらず、波動に関する基本問題が解けない。
音と光・音や光の現象について理解し、音や光の現象に関する発展・応用問題が解ける。・音や光の現象について理解し、音や光の現象に関する基本問題が解ける。・音や光の現象について理解しておらず、音や光の現象に関する基本問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期に「慣性力」、「円運動」、「単振動」、「天体の運動」を扱う。
後期に「波動の基礎」、「音」、「光」を扱う。
授業の進め方・方法:
 講義・演習を組み合わせた授業を行う。「自ら学ぶ」力を得られるよう積極的に授業に参加してもらいたい。
 授業ではできる限り演示実験や動画等を使って感覚的にも理解できる授業を目指すが、各自が普段の生活の中でみられる現象を思い出したり、さまざまな条件下での現象を思い浮かべる「想像力」を発揮してもらいたい。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1年次で学習した内容の確認
授業の進め方が理解できる。
力を分解し分力の大きさを正弦・余弦を使ってを計算できる。
2週 慣性力 慣性系と非慣性系の違いを説明できる。
慣性力を計算できる。
3週 等速円運動の基本的性質 円運動する物体の速度、加速度及び物体に働く力のベクトルを図示できる。また、それらを文字式を使って表すことができる。
4週 水平面内の円運動と円錐振り子
円運動及び円錐振り子について、物体の速度、加速度、及び物体に働く力のベクトルを図示し計算できる。
5週 鉛直面内での円運動
遠心力
重力を考慮した鉛直面内で円運動する物体の速度を計算できる。
遠心力の大きさを計算できる。
6週 円運動と単振動の相互関係
水平ばね振り子
円運動と単振動の関係を説明できる。
単振動の変位、速度、加速度を文字式で表すことができる。
7週 鉛直ばね振り子 重力を考慮し、鉛直ばね振り子の振動の中心を説明することができる。また、変位、速度、加速度について計算できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験までに学習した内容の基本問題を解くことができる。
2ndQ
9週 試験返却と解説
単振動のエネルギー
単振動する物体のエネルギーを計算できる。
10週 単振り子 単振り子の周期を計算できる。当時性を説明することができる。
11週 天体研究の歴史と万有引力 天体研究の歴史の流れの概略を説明することができる。万有引力の式を使って物体に働く引力の大きさを計算できる。
12週 ケプラーの法則と惑星の運動 ケプラーの法則を説明できる。宇宙第一速度を計算できる。
13週 惑星の持つエネルギー 宇宙第三速度を説明できる。
14週 前期期末試験 前期期末試験までに学習した内容の基本問題を解くことができる。
15週 試験返却と解説
16週 波の概念 波に関する基本的な用語を説明することができる。波の発生と進み方を図示し、波長や周期を計算できる。
後期
3rdQ
1週 波の種類と媒質の関係
波の基本式
縦波と横波の違いを説明できる。波の種類と媒質のい関係を説明できる。任意の時刻、任意の場所における変位を計算できる。
2週 波の合成と重ね合わせの原理
定常波
波の合成を作図することができる。
定常波の性質を説明することができる。
3週 自由端反射と固定端反射 自由端反射の様子を作図することができる。固定端反射の様子を作図することができる。
4週 波の干渉とその条件式 干渉の条件式を使って、指定された点が弱め合うか強め合うかを判定でき、その点の変位を求めることができる。
5週 平面波の屈折と反射 平面波の特徴を説明できる。
平面波の屈折と反射について射線と波面を作図できる。
6週 音の基本特性
うなり
音の基本的な性質を言葉で説明できる。一秒間あたりのうなりの回数を計算できる。
7週 中間試験 後期中間試験までに学習した内容の基本問題を解くことができる。
8週 試験返却と解説
弦の振動
弦を伝わる波の速さを計算できる。
弦から生じる基本振動数、倍音の振動数を計算できる。
4thQ
9週 気柱共鳴 閉管、開管から生じる基本振動数、倍音の振動数を計算できる。開口端補正を計算できる。
10週 ドップラー効果 ドップラー効果の原理を理解できる。
ドップラー効果の式を用いて振動数を計算できる。
11週 光の基本特性 光の基本的な性質や用語を理解し、言葉で説明することができる。
スネルの法則を使って屈折波の諸量を計算できる。
12週 凸レンズと凹レンズ 凸レンズ、凹レンズによる光の進み方を図示することができる。写像公式を使って焦点距離や像までの距離を計算できる。
13週 光の回折と干渉 ヤングの実験について条件式を用いてスリット幅や光源の波長を計算できる。
14週 後期期末末試験 後期期末試験までに学習した内容の基本問題を解くことができる。
15週 試験返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3

評価割合

試験レポート授業課題態度その他合計
総合評価割合60201550100
基礎的能力60201550100
専門的能力000000
分野横断的能力000000