物理学Ⅲ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 物理学Ⅲ
科目番号 0032 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:適宜資料を配布する / 補助教科書:原康夫著『第5版物理学基礎』学術図書出版社,2016年,2592円(税込)
担当教員 福地 健一

到達目標

 物理学の学習を通して,物体(粒子,流体など)およびエネルギー(熱,光など)の相互作用の中に見出される普遍的自然法則を,物理量間の数学的関係を求めることで解き明かすことを目的としている。法則を知ることで,未知なる現象に対する予測することができるようになることを目標とする。 物理学Ⅲでは,(1)物理現象を正しく言葉で説明することができること,(2)物理現象を数式を用いて表現できること,(3)数式を解析することで,未知現象に対する予想解を求めることができることを目標にする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現象に関する用語(テクニカルターム)を正確に記述することができる。現象に関する用語(テクニカルターム)の意味を選択肢より正しく選ぶことができる現象に関する用語(テクニカルターム)の意味が分からない
評価項目2正確な物理量(単位付き)を用いて物理公式が記述できる文字式を使って物理公式が記述できる物理公式を正しく表記できない
評価項目3立式した条件式を解き,未知量を正確に求めることができる。立式した条件式を解くことができる。立式した条件式を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初めにSI単位の復習を行う。続いて前半は「剛体の回転運動」,後半は「熱力学の基礎」について学ぶ。剛体の回転運動では,積分を用いて,基本的な物体の慣性モーメントを求める。
授業の進め方・方法:
資料配布及び板書によって,極力丁寧に説明を行う。説明が分かりづらい場合は,躊躇せずにその場で質問すること。また,説明の直後に,関連する例題演習(あらかじめ資料で配布)を実施する。自分の力で丁寧なノートを作成し,授業時間内に問題演習もきちんとこなすこと。
注意点:
ノート作成を授業への取組状況の一部として評価する(B5判30頁程度の冊子式ノートを各自準備すること。ルーズリーフは不可)。B5判の資料を20~30枚程度配布するので,バインダー等に綴じて保存すること。試験では電卓の使用を禁止する。補助教科書の『第5版物理学基礎』は,応用物理Ⅰ,応用物理Ⅱ,応用物理実験および応用物理Ⅲ(選択科目)でも使用する。成績は中間試験と定期試験および授業への取組状況(ノート作成,出席状況,課題提出)で総合評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 SI単位の復習 [W],[Pa]等の組立単位を基本単位で表現することができる。
2週 剛体のつりあい 剛体における力及び力のモーメントのつり合いに関する計算ができる。
3週 重心の求め方(平面図形の図心,質点系の質量中心) 重心の定義について理解し,平面図形の図心,質点系の質量中心重心に関する計算ができる。
4週 並進運動と回転運動の対応,慣性モーメントの計算積分(細棒) 回転運動に関する物理量を並進運動と関連して述べることができる。一様な棒の慣性モーメントを積分により求めることができる。
5週 慣性モーメントの計算積分(薄円板,球),平行軸の定理 一様な薄円板,球体の慣性モーメントを積分により求めることができる。
6週 角運動量保存の法則,回転運動の基本公式 角運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。回転運動の基本公式を記述することができる。
7週 回転体の運動方程式 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
8週 前期中間試験 既習得領域の基礎問題を解くことができる。
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
ボイル・シャルルの法則
ボイルの法則,シャルルの法則を用いて,気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
10週 理想気体の状態方程式,アボガドロの法則 理想気体の状態方程式,アボガドロの法則を用いて,気体の圧力,温度,体積に関する計算ができる。
11週 気体の分子運動と圧力及び温度の関係 原子や分子の熱運動と圧力,絶対温度との関連について理解している。
12週 気体の内部エネルギーと熱力学第1法則(1) 気体の内部エネルギー及び熱力学第一法則について理解している。
13週 熱力学第1法則(2),熱量と比熱,摩擦熱 物体の熱容量と比熱について理解し,熱量保存則を用いて,混合物体の温度を求めることができる。動摩擦力がする仕事は,一般に熱となることを理解している。
14週 気体の比熱,可逆変化と不可逆変化,熱機関の熱効率と熱力学第2法則 気体の比熱について理解している。可逆変化と不可逆変化の具体例を挙げることができる。熱機関の熱効率を計算できる。
15週 前期定期試験 既習得領域(第9週以降)の基礎問題を解くことができる。
16週 前期定期試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験取組状況相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000