材料学Ⅱ(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料学Ⅱ(前期)
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 渡辺義見、三浦博己、三浦誠司、渡邊千尋著「図でよくわかる機械材料学」コロナ社 \3,240(税8%込)
担当教員 丸岡 邦明

到達目標

固体の構造、格子欠陥、拡散、相変態について、定義および典型的な現象を説明できる。
応力ひずみ曲線および代表的な機械的性質について定性的(一部定量的)に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体の構造、格子欠陥、拡散、相変態逐語的でなく概念的に理解できており、どのような角度から質問されても自分の言葉で答えられる。また、相互の関係を詳しく説明できる。逐語的でなく概念的に理解できており、どのような角度から質問されても語群選択でなら正しく答えられる。また相互の関係を簡単に説明できる。角度を変えて質問されると答えられない。また、相互の関係を説明できない。
応力ひずみ曲線および代表的な機械的性質引張試験中におこる現象、機械的性質、それらの工業的意義の関係を説明できる。引張試験中におこる現象と機械的性質との関係を説明できる。引張試験中におこる現象と機械的性質との関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械を設計するには、部品に適した材料を選択できなければならない。また、機械をメンテナンスするには、部品に使われている材料が使用環境から受ける影響や経時変化を知っていなければならない。これらに必要な材料学のやや応用的な知識を学ぶ。予備知識として高校の化学、物理、関数、材料学Iの知識が必要である。材料学Iで学んだことを縦糸とし、材料学IIが横糸となって材料について理解を深める。横糸となるのは格子欠陥、応力ひずみ曲線、地球環境、加工熱処理などである。
授業の進め方・方法:
講義、演習、グループワークを組み合わせる。講義中も積極的に指名して質問を投げかける。
(1) 格子欠陥および拡散を学習することにより、材料学Iで学んだ相変態がミクロにはどのようなメカニズムで起こっているのかを理解する。
(2) 引張試験および応力ひずみ曲線を中心に、いくつかの材料評価法に触れつつ、材料の機械的性質について理解を深める。
注意点:
(1) 材料学Iで学んだことを縦糸とし、材料学IIが横糸となって材料について理解を深める。横糸となるのは格子欠陥、応力ひずみ曲線、地球環境、加工熱処理などである。このため材料学Iの教科書も座右に置き、しっかり復習しておくことが大切である。
(2) テーマを与えてグループまたは個人で調査・研究してもらうことがある。またグループで討論してもらうことがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 金属光沢、展性・延性、電気伝導、熱伝導 金属特有の性質と金属の内部構造との関係を説明できる。
3週 Fe-C系平衡状態図 変態に伴う膨張・収縮と結晶構造との関係を説明できる。
4週 Fe-C系平衡状態図
グループワーク
共析炭素鋼について、セメンタイト、オーステナイトおよびフェライト中のC濃度を温度を横軸に取って図示できる。
5週 Fe-C系平衡状態図
解説
共析炭素鋼について、セメンタイト、オーステナイトおよびフェライト中のC濃度を温度を横軸に取って図示できる。
6週 拡散と格子欠陥 Fickの第1法則を使って拡散速度を計算できる。
7週 拡散と格子欠陥 Fickの第2法則を簡単に説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 空孔と熱活性化過程 空孔濃度を計算できる。また、熱活性化過程を簡単に説明できる。
10週 熱活性化過程とボルツマン定数 熱活性化過程におけるボルツマン定数および気体定数の意義を説明できる。
11週 相とは何か、相変態、固溶体 相の概念を理解する。相変態および固溶体の概念を簡単に説明できる。
12週 格子欠陥および拡散と相変態のまとめ 格子欠陥、拡散、相変態の関係を説明できる。
13週 応力とひずみ 応力およびひずみについて、それらの定義および学問的意義を説明できる。
14週 応力ひずみ曲線と機械的性質 応力ひずみ曲線に現れる機械的性質を説明できる。
15週 引張試験中におこる現象 引張試験中におこる現象と応力ひずみ曲線との関係を簡単に説明できる。
16週 定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000