電力輸送システムや交流・直流送配電方式、電力の品質と電力輸送システムの経済的運用、水力、火力、原子力発電および再生可能エネルギー、電気エネルギーの発生、輸送、利用と環境問題との関わりなど、電力エネルギー分野全般に関して幅広く理解する。
概要:
先ず、電力輸送システムの基礎である送電線路の線路定数、送電特性、模擬方法、送電電力と調相などについて学ぶ。次に、電力輸送システムと密接に関連する雷現象や雷サージおよび開閉サージを学習する。電力輸送システムで用いられている不平衡三相交流の計算法である対称座標法を学んだ後、電線やがいしの種類と特徴、電線支持物、気象条件、電線のたるみ計算、地中送電と電力ケーブルを理解し、最後に発電と変電の概要、原子力発電と放射線、水力、火力発電および再生可能エネルギーや新エネルギーに関する学習を行う。
授業の進め方・方法:
原則として座学により授業を進め、必要に応じて実験および実物の見学を行う。
中間および期末試験の平均が最終評価となる。
注意点:
電力輸送系統の模擬手法やその計算方法などには、電子回路や電気通信など他分野にも適用可能な知識も多く含まれるので、常に応用を考えながら受講する。暗記するのではなく、理解するよう心がける事が重要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
全体像を理解
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2週 |
送配電工学の基礎
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送電と配電、直流と交流、周波数、各種電気方式:単相方式、三相方式、架空送電と地中送電、送電電圧の変遷、種類、選定などを理解
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3週 |
送電線の抵抗とその計算 温度特性および表皮効果 |
送電線における抵抗値の発生原因と温度および表皮効果の影響を理解
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4週 |
送電線インダクタンスの計算 送電線静電容量の計算 |
インダクタンスおよび静電容量の計算と作用インダクタンスおよび作用静電容量を理解
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5週 |
各種送電線の模擬方法 電圧降下と送電電圧 短距離送電線の模擬 |
短距離、中距離、長距離送電線の模擬方法と基本パラメータを理解
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6週 |
中距離送電線の模擬:T形 |
T形回路の計算方法を理解
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7週 |
中距離送電線の模擬:π形 |
π形回路の計算方法を理解
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
長距離送電線の模擬:分布定数回路1 |
分布定数回路におけるサージ伝搬基礎、進行波の反射と透過、整合などを理解
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10週 |
長距離送電線の模擬:分布定数回路2
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分布定数回路におけるサージ伝搬を各種端子条件に関して計算
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11週 |
電力円線図と調相 |
設備、定態安定度と過渡安定度、安定度向上などを理解
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12週 |
電力輸送システムの評価と運用 |
電力の品質と電力システムの経済的運用、高調波障害などを理解
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13週 |
雷とその対策 |
雷サージ、誘導雷と直撃雷、伝搬、雷遮蔽、Armstrong-Whitehead理論、避雷器、開閉サージなどを理解
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14週 |
対称座標法による不平衡三相交流計算:基礎 |
対称座標法の基礎知識を習得
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15週 |
対称座標法による不平衡三相交流計算:計算例 |
対称座標法による実際の計算
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16週 |
期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電線 |
各種電線の種類と特徴および選定を理解
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2週 |
がいし |
各種がいしの種類と特徴および選定を理解
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3週 |
電線路の付属物 |
電線支持物と付属物の種類や各種鉄塔、径間について理解
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4週 |
気象とたるみ |
気象条件と送配電系統の関係を理解し、電線のたるみを計算
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5週 |
架空および地中送電 |
架空送電と地中送電の比較検討および電力ケーブルを理解
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6週 |
現在のエネルギー状況 |
エネルギー消費動向、発電状況、地球環境問題等を理解
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7週 |
発変電基礎 |
発電の基礎と変電の基礎を理解
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
水力発電 |
水力発電種類と概要を理解
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10週 |
火力発電 |
火力発電の種類と概要を理解
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11週 |
原子力発電 |
原子力発電の種類、構造と反応理論を理解
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12週 |
核分裂と放射線 |
核分裂と放射線の種類について理解
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13週 |
放射線の影響
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放射線の人体に対する影響を理解
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14週 |
現在および将来のエネルギー事情 |
電気エネルギーの現状と将来展望、スマートグリッドなどの概念を理解
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15週 |
各種再生可能エネルギー |
風力、波力、地熱、海流、高温岩体、バイオ燃料等を環境問題と共に理解
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16週 |
期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 3 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 3 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 3 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 3 | |
論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 3 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 3 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 3 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 3 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 3 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 3 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 3 | |
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。 | 3 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 3 | |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 3 | |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 3 | |