電気磁気学Ⅲ(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気磁気学Ⅲ(前期)
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤田広一著『電磁気学ノート(改訂版)』コロナ社、1975年、2700円+税
担当教員 上原 正啓

到達目標

ベクトル場とスカラ場を理解し、勾配・発散の計算と、電位・電界・電荷密度に関する計算ができる。
ベクトルの回転を求めることができる。アンペールの法則とファラデーの法則を使った電磁界の計算ができる。
抵抗体・誘電体・磁性体の特性について理解し、それぞれにおける電磁界を計算することができる。
電磁界のエネルギーについて理解し、計算することができる。電磁波について理解し、説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル場とスカラ場を理解し、勾配・発散の計算と、電位・電界・電荷密度に関する計算ができる。ベクトル場とスカラ場を知り、勾配・発散の計算と、電位・電界・電荷密度に関する計算ができる。ベクトル場とスカラ場を知るが、勾配・発散の計算と、電位・電界・電荷密度に関する計算ができない。
評価項目2ベクトルの回転を求めることができる。アンペールの法則とファラデーの法則を使った電磁界の計算ができる。ベクトルの回転を知り、アンペールの法則とファラデーの法則を使った電磁界の計算ができる。ベクトルの回転を知るが、アンペールの法則とファラデーの法則を使った電磁界の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ベクトル場とスカラ場を理解し、勾配・発散の計算と、電位・電界・電荷密度に関する計算方法を学ぶ。
ベクトルの回転を理解し計算を習得し、アンペールの法則とファラデーの法則を使った電磁界の計算方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、板書を用いて授業を行う。
授業内容を理解・習得するため演習問題も適宜行う。演習問題の一部はレポートの対象となる。
注意点:
電気電子工学の学問体系の根幹となる科目であり、その本質を深く理解することが求められる。したがって、諸法則の計算手法を学ぶだけではなく、その物理的内容を深く掘り下げ、電磁現象の理論とイメージの両方を把握することが必要である。
不明な点はそのままにせず、授業内外を問わず積極的に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ベクトル場とスカラ場
授業内容を理解する。
ベクトル場とスカラ場の特徴と表現法、ベクトルのスカラ積を理解し計算できる。
2週 ベクトル量の線積分と保存場 ベクトルの線積分、スカラー場の勾配(grad)、電界Eの線積分が電位Vであることを理解し計算できる。
3週 電位の和 電界と電位には重ねの理が成り立つことを理解し、計算できる。
4週 電位の勾配
演算子∇と電位の勾配(gradV)が電界Eであることを理解し、計算ができる。
5週 面積分と電界の発散 ベクトルの面積分と発散(div)を理解し計算できる。
6週 ガウスの発散定理 ガウスの発散定理と、ガウスの法則を理解し、計算できる。
7週 演習 これまでの学習内容の理解を深め、各種問題の計算ができるようにする。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解説、テスト直し
ベクトル積、ベクトル三重積
自分が理解できていない点を再確認し、復習できる。
ベクトル積とベクトル三重積が計算できる。
10週 回転とストークスの定理 回転(rot)の計算ができ、ストークスの定理を理解できる。
11週 アンペールの法則と電流密度 アンペールの法則と電流密度を理解でき、計算できる。
12週 電磁誘導 ファラデーの電磁誘導の法則、磁界と磁束密度の違いを理解し、計算できる。
13週 電荷保存則と変位電流 電荷保存則と変位電流、補正されたアンペールの法則を理解し、計算できる。
14週 マクスウェルの方程式 これまでの学習内容を振り返りマクスウェルの方程式が理解できる。
15週 前期定期試験
16週 試験返却・解説、テスト直し

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
電場・電位について説明できる。4
人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識英語の標準的な発音を聴き、音を模倣しながら発声できる。3
リエゾンなど、語と語の連結による音変化を認識できる。3
語・句・文における基本的な強勢を正しく理解し、音読することができる。3
文における基本的なイントネーションを正しく理解し、音読することができる。3
自分の専門に関する基本的な語彙を習得する。2
中学校で既習の文法事項や構文を定着させる。3
高等学校学習指導要領に示されているレベルの文法事項や構文を習得する。3
英語運用能力の基礎固め自分や身近なことについて100語程度の簡単な文章を書くことができる。3
自分や身近なこと及び自分の専門に関する情報や考えについて、200語程度の簡単な文章を書くことができる。3
日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。3
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。3
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000