半導体工学(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 半導体工学(前期)
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 岡本 保

到達目標

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目13次元の箱の中の粒子のシュレディンガー方程式を解ける。1次元の箱の中の粒子のシュレディンガー方程式を解ける。1次元の箱の中の粒子のシュレディンガー方程式を解けない。
評価項目2半導体のキャリヤ輸送について定量的に説明ができる。半導体のキャリヤ輸送について定性的に説明ができる。半導体のキャリヤ輸送について定性的に説明ができない。
評価項目3半導体ヘテロ接合のバンド図を書くことができ、定量的に説明ができる。半導体ヘテロ接合のバンド図を書くことができ、定性的に説明ができる。半導体ヘテロ接合のバンド図を書くことができ、定性的に説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体工学では、電子工学で学んだ固体物理学を基礎として、量子力学・統計力学、半導体のキャリヤ密度、 半導体のキャリア輸送 、pn接合と金属-半導体接触、半導体ヘテロ構造について学習する。
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし、11回の課題の提出を求める。
注意点:
電子工学で学んだ固体物理学を基礎として授業を行う。バンド理論は全体を通じて繰り返し用いるため、これを十分に理解することが肝要である。不明な点がないよう各自しっかり復習し、わからなければ随時質問に訪れること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 箱の中の粒子1 1次元の箱の中の粒子のシュレディンガー方程式を解ける。
2週 箱の中の粒子2 3次元の箱の中の粒子のシュレディンガー方程式を解ける。
3週 原子の結合 イオン結合、共有結合などの結合形式を理解できる。
4週 結晶構造 様々な結晶構造の充てん率を計算できる。
5週 エネルギーバンドと状態密度 状態密度を計算できる。
6週 統計力学1 フェルミ・ディラック分布関数を導くことができる。
7週 統計力学2 ボーズ・アインシュタイン分布関数を導くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 キャリヤ密度とフェルミ準位1 状態密度とフェルミ・ディラック分布関数よりキャリヤ密度を導くことができる。
10週 キャリヤ密度とフェルミ準位2 フェルミ準位とキャリヤ密度の関係を導くことができる。
11週 キャリヤ密度とフェルミ準位3 フェルミ準位の温度依存性を説明できる。
12週 半導体の電気伝導1 キャリヤ連続の式を説明できる。
13週 半導体の電気伝導2 半導体のキャリヤの時間変化についてキャリヤ連続の式を用いて説明ができる。
14週 半導体の電気伝導3 半導体のキャリヤ分布についてキャリヤ連続の式を用いて説明ができる。
15週 前期定期試験
16週 復習
後期
3rdQ
1週 pn接合1 pn接合のバンド図を描くことができる。
2週 pn接合2 pn接合の電流電圧特性をバンド図より説明できる。
3週 pn接合3 pn接合の電流電圧特性をキャリヤ連続の式より導くことができる。
4週 pn接合4 pn接合の電位分布を導くことができる。
5週 pn接合5 pn接合の空乏層容量を導くことができる。
6週 金属半導体接触1 ショットキーダイオード、オーミック接触を説明できる。
7週 金属半導体接触2 金属半導体接触の電位分布を導くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 化合物半導体 化合物半導体の特徴を説明できる。
10週 半導体ヘテロ接合のバンド構造1 半導体ヘテロ接合のバンド図を説明できる。
11週 半導体ヘテロ接合のバンド構造2 半導体ヘテロ接合のバンド図を定量的に描くことができる。
12週 半導体ヘテロ接合のバンド構造3 半導体ヘテロ接合の空乏層容量を求めることができる。
13週 半導体の光学的性質1 波数空間でのエネルギー状態を説明できる。
14週 半導体の光学的性質2 直接遷移、間接遷移を説明できる。
15週 後期定期試験
16週 復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2
安全を確保して、実験を行うことができる。2
実験報告書を決められた形式で作成できる。2
有効数字を考慮して、データを集計することができる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。2
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。2
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している2
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。2
網目電流法を用いて回路の計算ができる。2
節点電位法を用いて回路の計算ができる。2
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。2
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
計測精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。1
オシロスコープの動作原理を説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。2
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。2
直流回路論における諸定理について実験を通して理解する。2
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。2
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。2
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。2
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。2
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。2
論理回路の動作について実験結果を考察できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力90000100100
分野横断的能力0000000