到達目標
高電圧・大電流工学の基礎であるそれらの発生、測定および試験に関して、方法および使用される各種デバイスの原理や動作、仕様や特徴などを理解し、それらを説明、計算できる。放電現象を高電界による電子と原子・分子、光子等の相互作用として説明でき、電界や電位を理解してその数値計算を行うことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目(前半) | 放電現象を高電界による電子と原子・分子、光子等の相互作用として詳細に説明でき、応用面にも言及できる。電界や電位を深く理解して、具体的な数値電界計算ができる。 | 放電現象を高電界による電子と原子・分子、光子等の相互作用として説明できる。電界や電位を理解して、基礎的な数値電界計算ができる。 | 放電現象を高電界による電子と原子・分子、光子等の相互作用として説明できない。電界や電位を理解しておらず、基礎的な数値電界計算ができない。 |
評価項目(後半) | 高電圧・大電流の発生、測定、試験方法およびそこで使用される各種デバイスの原理を詳細に説明でき、応用に関して議論できる | 高電圧・大電流の発生、測定、試験方法およびそこで使用される各種デバイスの原理を説明できる。 | 高電圧・大電流の発生、測定、試験方法およびそこで使用される各種デバイスの原理を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程 2(2)
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準学士課程 2(3)
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JABEE B-2
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教育方法等
概要:
電力エネルギー分野における重要な部門である高電圧、大電流、放電現象に関して幅広く学習する。
電子、原子、分子、光子の相互作用である放電現象と、それを引き起こす高電界の数値計算に関して学習する。
気体論の基礎知識からはじまりプラズマの基礎物理および、基礎理論であるTownsendおよびStreamer理論を理解する。
放電電圧特性を説明するPaschen curve と Paschenの法則、各雰囲気中での種放電現象を学習する。
数値電界計算に関して学習する。電磁気学で行ってきた静電界の性質を復習し、差分法による電界計算および電荷重畳法による電界計算を行う。
各種電極の放電特性について、電界、電位分布の見地から解説する。
雷インパルスと開閉インパルスに大別されるインパルス電圧および電流の定義を解説する。
このインパルス高電圧の発生、交流高電圧の発生、直流高電圧の発生、大電流の発生に関して学ぶ。
高電圧測定システム(分圧器)、大電圧測定システム(分流器)および高電圧大電流を用いた商用試験などに関して学習する。
授業の進め方・方法:
原則として座学により授業を進め、必要に応じて実験および実物の見学を行う。
注意点:
物理学、電磁気学、過渡現象論等に立脚する専門科目であり、現象の複雑さ故に解析計算が事実上不可能なまでに煩雑となる。そのため本講義ではコンピュータによる解法の基礎や、現象・計算の「概念」を中心に説明するので、それらを「理解」するよう心がけることが重要である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
全体概要を理解する。
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2週 |
気体論の基礎知識 |
粒子衝突過程と平均自由行程等を理解する。
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3週 |
気体とプラズマ |
気体分子の衝突の理論、衝突による電離、励起を理解する。
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4週 |
プラズマとは何か。 |
電離気体についての概説。プラズマの状態を規定する物理パラメータを理解する。
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5週 |
プラズマ生成メカニズム(DCグロー放電) |
αおよびγ係数とTownsendの理論を用いた、放電メカニズムを理解。放電ギャップへの電圧印加による放電現象メカニズム、タウンゼントの法則を理解する。
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6週 |
プラズマ生成メカニズム(DCグロー放電) |
ストリーマの理論、パッシェンの法則を理解する。
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7週 |
プラズマ生成メカニズム(ACグロー放電) |
DCグロー放電とACグロー放電の違いと統計加熱について理解する。
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8週 |
中間試験 |
7週目までの内容の中間試験を行う。
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2ndQ |
9週 |
中間試験解答と復習 |
中間試験解答と復習を行う。
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10週 |
プラズマの工業的応用 |
ACグロー放電の工業的応用とプラズマオペレーションパラメータの関連、近未来のプラズマの工業的応用の進展について理解する。
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11週 |
静電界の性質、各種電極の放電特性 |
電界の定義と、Laplace方程式、Poisson方程式。電極形状と電界集中と放電現象の関係を理解した上で、いくつかの電極における放電特性を電界、電位分布と併せて理解
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12週 |
差分法による電界計算 |
一般的な微分方程式解法である差分法を用いたLaplace方程式のコンピュータによる数値計算を理解
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13週 |
電荷重畳法による電界計算 |
仮想電荷の作用を加え合わせる半解析的数値計算法である電荷重畳法を用いたコンピュータによる電位分布計算を理解
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14週 |
インパルス高電圧発生装置、交流、直流高電圧および大電流の発生 |
インパルス電圧発生装置の構成部品、動作原理、等価回路とその過渡現象および関連事項を理解。直流、交流、インパルス用測定システムの概要を理解。直流および交流用高電圧測定システムの構造、動作、特性とそれらの主要素である分圧器の構造を理解
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15週 |
復習とインパルス高電圧発生装置の見学 |
インパルス高電圧発生装置の実物を見学することで、知識の定着を図る。
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16週 |
定期試験 |
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評価割合
| 試験 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 30 |
専門的能力 | 50 | 20 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |