到達目標
1.古典力学を用いて電子の振る舞いを説明できる。
2.量子力学的な扱いで電子の振る舞いや光の性質を説明できる。
3.金属中の電子の運動を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 未到達レベルの目安(不可) |
古典力学的な電子の振る舞い | 電界や磁界中の電子の運動を運動方程式を用いて求めることができる。 | 電界や磁界中の電子の運動を力学と電磁気学の公式を用いて説明できる。 | 電界や磁界中の電子の運動を古典力学を用いて説明できない。 |
量子力学の基礎 | 電子の振る舞いや光の性質を量子力学を用いて説明できる。 | 電子の振る舞いや光の性質に関する量子力学の基礎を理解できる。 | 電子の振る舞いや光の性質に関する量子力学の基礎を理解できない。 |
金属中の電子の運動 | 金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて説明できる。 | 金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて理解できる。 | 金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電子工学Ⅰでは、古典力学的な電子の運動、量子力学の基礎、金属の導電機構の学習を行う。
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心として進め、適宜演習を行う。最初の古典的な電子の運動の取り扱いでは、2学年までに学習した力学と電磁気学が基礎となるので、必要に応じてこれらの復習も行う。また、定期試験前に課題の提出を求める。
注意点:
電子の話は目に見えないミクロの世界であるから、直観的に理解しにくい。したがって各自で電子に対するイメージを頭の中に描けるようにすることが大切である。また、電子の質量で代表されるような非常に小さい数から、電子の個数のように非常に大きな数までを扱うので、その取り扱いに慣れておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンスおよび必要な知識の確認 |
授業の目標や進め方、必要な知識、成績評価の方法について理解する。
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2週 |
真空中の電子の運動1 |
電子の運動を考える上で必要な電磁気学と力学の知識を理解する。
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3週 |
真空中の電子の運動2 |
電界中での電子の運動を理解する。
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4週 |
真空中の電子の運動3 |
磁界中での電子の運動を理解する。
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5週 |
電子放出 |
金属からの熱電子放出、光電子放出、二次電子放出、電界放出を理解する。
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6週 |
波の性質 |
量子力学の基礎を学習するための基礎知識として、波長と周波数の関係および干渉や回折などの波の性質を理解する。
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7週 |
黒体放射 |
量子力学の誕生につながった黒体放射を学習することにより、エネルギの量子化を理解する。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
光電効果 |
光電効果の実験結果より光の粒子性を理解する。
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10週 |
物質波 |
ド・ブロイの理論により物質の波動性を理解する。
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11週 |
気体放電 |
気体放電による発光のスペクトルが離散的であることを理解する。
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12週 |
原子内の電子1 |
ボーアの仮説から原子のエネルギが量子化されることを定性的に理解する。
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13週 |
原子内の電子2 |
定量的な取り扱いにより、ボーアの仮説が正しいことを理解する。
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14週 |
金属中の電子の運動1 |
古典的な金属中の電子の運動と移動度を理解する。
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15週 |
金属中の電子の運動2 |
古典的な金属中の電子の取り扱いからオームの法則の理論的導出や導電率の計算を理解する。
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16週 |
前期定期試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 4 | |
原子の構造を説明できる。 | 3 | |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 40 |
専門的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |