電子工学II

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 電子工学II
科目番号 d0240 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電子工学(第2版) 森北出版
担当教員 渡辺 裕

到達目標

評価項目1:フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
評価項目2:金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
評価項目3:真性半導体と不純物半導体を説明できる。
評価項目4:半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
評価項目5:pn 接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて pn 接合の電流―電圧特性を説明できる。
評価項目6:バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
評価項目7:電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を描くことができる。金属と絶縁体のエネルギーバンド図を描くことができない。
評価項目2金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。金属の電気的性質や、移動度・導電率について述べることができる。金属の電気的性質や移動度・導電率の説明ができない。
評価項目3真性半導体と不純物半導体を説明できる。真性半導体と不純物半導体について述べることができる。真性半導体と不純物半導体について述べることができない。
評価項目4半導体のエネルギーバンド図を説明できる。半導体のエネルギーバンド図を描くことができる。半導体のエネルギーバンド図を描くことができない。
評価項目5pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流ー電圧特性を説明できる。pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流ー電圧特性について述べることができる。pn接合の電流ー電圧特性について述べることができる。
評価項目6バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。電界効果トランジスタについて述べることができない。
評価項目7電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。電界効果トランジスタについて述べることができる。電界効果トランジスタについて述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 科学技術の基礎知識・応用力の修得・活用
準学士課程(R5までのDP) R5までDP_4 制御・電気電子・機械・情報等基礎工学の知識習得・応用

教育方法等

概要:
電子工学IIでは、固体の構造、金属、半導体、半導体デバイスについての学習を行う。
授業の進め方・方法:
本講義はスライド資料を中心として進め、授業後半にて演習課題を配布する。
講義に用いた資料は授業後に共有を行うため、授業ノートの作成や復習の際の参考に用いること。
【評価方法】中間試験(40%)、定期試験(40%)、課題(20%)で評価する。
注意点:
演習課題は評価影響するため、必ず提出をすること。
授業中は適宜質問を受け付ける場を設けるが、不明な箇所があれば教員室へ訪問すれば対応が可能。
Minecrosoft teamsでの質問も受け付ける。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の目標や進め方、成績評価の方法、必要な前提知識について確認する。
2週 キャリア密度と電気伝導率① 状態密度関数とフェルミ-ディラックの分布関数を理解し、キャリア密度を数式を用いて記述することができ
る。
3週 キャリア密度と電気伝導率② フェルミ準位とホール効果を理解し、それらを説明することができる。
4週 有効質量と移動度 キャリアの有効質量と移動度を理解し、それらを数式を用いて記述することができる。
5週 電流と連続の式① 拡散電流とドリフト電流を理解し、それらに基づいて半導体中に流れる電流を数式を用いて記述することができる。
6週 電流と連続の式② キャリアの注入による半導体中の変化を理解し、それらに基づいて変化するキャリアの状態を数式を用いて記述することができる。
7週 演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 定期試験返却・解説p-n接合① p-n接合時における拡散電位と空乏層について理解し、それらに基づいてエネルギーバンド図を描くことができる。
10週 p-n接合② p-n接合時におけるダイオードを例にした電流-電圧特性を理解し、数式を用いて記述することができる。
11週 p-n接合③ p-n接合時における空乏層の静電容量を理解し、ポアソンの式に基づいてそれを数式を用いて記述することができる。
12週 金属-半導体接合 ショットキー接合とオーミック接合を理解し、それら
を説明することができる。
13週 トランジスタ バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタの構
造を理解し、それらを説明することができる。
14週 演習
15週 後期末試験
16週 後期末試験返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3後2,後3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3後4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3後5,後6
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3後3,後5,後6
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3後9,後10,後11,後12
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後13
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後13

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合404020100
評価項目1、2、3、44001050
評価項目5、6、70401050