制御工学I

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 制御工学I
科目番号 d0350 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 制御工学 技術者のための、理論・設計から実装まで、実教出版
担当教員 岡本 峰基

到達目標

【V-A-7 計測制御】
評価項目1.自動制御の定義と種類およびフィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
評価項目2.機械系と電気系のモデルの基本要素を理解し、力学モデルと電気回路を定式化できる。
評価項目3.伝達関数の意味を説明でき、基本的なラプラス変換を用いて力学モデルや電気回路の伝達関数を求めることができる。
評価項目4.ブロック線図を用いて制御系が表現でき、ブロック線図で表された制御系を等価変換できる。
評価項目5.制御系の過渡特性について説明でき、過渡応答を求めることができる。
評価項目6.システムの周波数特性について説明でき、ボード線図の概形を描く事ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自動制御の定義と種類およびフィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。自動制御の定義と種類およびフィードバック制御の基本的な概念と構成要素を説明できる。自動制御の定義と種類およびフィードバック制御の概念と構成要素を説明できない。
評価項目2機械系と電気系のモデルの基本要素を理解し、力学モデルと電気回路を定式化できる。機械系と電気系のモデルの基本要素を理解し、単純な力学モデルと電気回路を定式化できる。機械系と電気系のモデルの基本要素を理解しておらず、力学モデルと電気回路を定式化できない。
評価項目3伝達関数の意味を説明でき、基本的なラプラス変換を用いて力学モデルや電気回路の伝達関数を求めることができる。伝達関数の意味を説明でき、基本的なラプラス変換を用いて単純な力学モデルや電気回路の伝達関数を求めることができる。伝達関数の意味を説明できず、基本的なラプラス変換を用いて力学モデルや電気回路の伝達関数を求めることができない。
評価項目4ブロック線図を用いて制御系が表現でき、ブロック線図で表された制御系を等価変換できる。ブロック線図を用いて制御系が表現でき、ブロック線図で表された単純な制御系を等価変換できる。ブロック線図を用いて制御系が表現できず、ブロック線図で表された制御系を等価変換できない。
評価項目5制御系の過渡特性について説明でき、過渡応答を求めることができる。制御系の過渡特性について説明でき、簡単な制御系の過渡応答を求めることができる。制御系の過渡特性について説明でず、過渡応答を求めることができない。
評価項目6システムの周波数特性について説明でき、ボード線図の概形を描く事ができる。システムの周波数特性について説明でき、単純なシステムのボード線図の概形を描く事ができる。システムの周波数特性について説明できず、ボード線図の概形を描く事ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 科学技術の基礎知識・応用力の修得・活用
準学士課程(R5までのDP) R5までDP_4 制御・電気電子・機械・情報等基礎工学の知識習得・応用
JABEE B-2 専門分野の知識と能力

教育方法等

概要:
この科目は企業で自動車用電動パワーステアリングの制御系の設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、制御系設計に必要となる、システムのモデリン、時間応答および周波数応答について講義を行う。また、演習を多く取り入れ、多くの問題に取り組むことで理解を深める。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義形式で行う、講義中は集中して聴講すること。
2.講義は主に授業内容をまとめたPPTスライドを用いて行う。講義開始前までにPDFファイルにして配布するので、予習復習の際に活用すること。
3.定期的に課題レポートを課します。課題の提出は次回の講義の開始時とします。その後、授業中に課題の内容を解説するので、期限を守って必ず提出すること。
【評価方法】課題レポート(20%)、中間試験(40%)、定期試験(40%)で評価する。
4.授業90分に対して教科書でそれぞれ180分の自学自習が必要です。定期的に出される課題レポートに取り組むほか、事前に配布された講義資料(PDF)を活用して予習、復習を行うこと。
注意点:
・制御工学の学習において、同時期に開講される応用数学Aで扱う、ラプラス変換の理解が重要である。十分復習しておくこと。また、不明な点は各自しっかり復習し、わからなければ、随時質問に訪れること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御とは フィードバック制御の基本的な考え方と必要性を説明できる。(MCC)
2週 モデリング 機械系と電気系のモデルの基本要素を理解し、簡単なモデルを定式化できる。
3週 伝達関数1 制御で必要となる主要な関数をラプラス変換ができる。また、伝達関数の定義を説明できる。(MCC)
4週 伝達関数2 簡単なシステムの伝達関数を導出できる。(MCC)
5週 ブロック線図1 ブロック線図でシステムを表現できる。(MCC)
6週 ブロック線図2 ブロック線図の等価変換ができる。(MCC)
7週 時間応答 過渡応答と定常応答について説明できる。(MCC)
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の内容に関する復習 中間試験の解説と間違えたところを確認し、復習する。
10週 過渡応答1 基本要素の過渡応答を求めることができる。(MCC)
11週 過渡応答2 部分分数分解により、複雑なシステムの過渡応答を求めることができる。
12週 ボード線図1 周波数応答の定義を理解し、ゲインと位相差より基本的なボード線図を求めることができる。(MCC)
13週 ボード線図2 基本要素のボード線図とその組み合わせのシステムのボード線図を求めることができる。(MCC)
14週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡の定義を理解し、基本要素のベクトル軌跡を求めることができる。(MCC)
15週 定期試験の内容に関する復習 定期試験の解説と間違えたところを確認し、復習する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3前3,前4
伝達関数を説明できる。3前3,前4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3前5,前6
制御系の過渡特性について説明できる。3前10,前11
制御系の周波数特性について説明できる。3前12,前13
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前3,前4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前5,前6
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3前10,前11
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3前12,前13

評価割合

中間試験期末試験課題レポート合計
総合評価割合404020100
評価項目1,2,3,44001050
評価項目5,60401050