実験実習II

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 実験実習II
科目番号 d0450 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電子制御工実験指導書
担当教員 泉 源,臼井 邦人,奥山 彫夢

到達目標

□安全のために意図された指導に従って行動することができる。
□指導に従って装置を正しい方法で扱うことができる。
□正しいレポートの書き方を理解してレポートを完成させることができる。
□いくつかの実験の内容について他の授業科目との関連を見いだすことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
安全に留意する能力安全のために意図された指導に従って行動し、改善に努めることができる。安全のために意図された指導に従って行動することができる。安全のために意図された指導に従って行動することができない。
機器・測定器・工具を扱う基礎能力装置の正しい扱い方を、級友にも正しく伝えることができる。指導に従って装置を正しい方法で扱うことができる。指導に従って装置を正しい方法で扱うことができない。
レポート(報告書)を用いたコミュニケーション能力レポートの読者(第3者)を意識して、正しく分かりやすいレポートの作成に向けて改善することができる。正しいレポートの書き方を理解してレポートを作成できる。正しいレポートの書き方を理解してレポートを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 説明 閉じる
準学士課程(R5までのDP) R5までDP_4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路の基礎実験、ダイオードとトランジスタ、論理回路の設計と製作、パソコンを用いた制御、電磁気学の基礎実験などの実験を行い、レポート(報告書)の作成についても訓練する.
授業の進め方・方法:
毎回異なる5班に分かれ5つの実験テーマを2週ごとに替えて全て実施する。実験を安全に行うことができない場合や機器を正しく扱うことができない場合には、実験を中断する・行わない場合がある。5つの実験テーマそれぞれを実施し、レポートを提出すること。レポートが提出されない実験が一つでもあった場合には、本科目の単位は不可となる。後期については、諸君の能力向上を目的として、レポートの添削がなされるため、指摘事項を前向きに捉えて修正し再提出すること。
注意点:
(1) 病気その他のやむを得ない理由によって欠席する/した場合やレポートを出せない場合には、【速やかに担当教員に申し出る】こと。実験を完了せずに報告書を提出することは認められない。
(2) 実験実習の際には、【ふさわしい服装と態度で臨み、実験指導書・筆記用具など必要なものを必ず持参する】こと。これを逸脱する場合には、安全上の理由などから実習を中断する・行わない。
(3) 【レポートの提出期限は厳守】すること。締め切りを守ることができないと、実社会で信頼を得て生きていくことができない。
(4) このほか、各担当教員は諸君の安全や向上を考えて指導に当たるため、【それぞれのテーマの指導の内容に従って学修する】こと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 「ガイダンス」
○実験とレポートの注意
○レポート作成のスケジュール
○なぜ実験をするのか
□それぞれの実験において、実習中の整理整頓や掃除など、安全を維持するための行動を行うことができる。
□それぞれの実験において、測定器を損なわないように留意して取り組むことができる。
□それぞれの実験において、数学・物理・専門科目など他の科目との関連を意識して考えることができる。
□コミュニケーション手段の一つである報告書(レポート)の書き方を学び、実践と多くの失敗を通して向上させる意思がある。
2週 実験テーマ1「電気回路の基礎実験」
○電圧計と電流計
○電圧源
○抵抗値の測定
○乾電池の特性測定
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□電圧計・電流計を正しい方法で使用でき、電気回路の基本定理に基づいて回路の動作を説明することができる。
3週 実験テーマ1「電気回路の基礎実験」
○測定器の内部抵抗の計測への影響、テブナン(等価電源)の定理
○抵抗値の測定
○乾電池の特性測定
○電圧の測定(重ねの理の確認)
○等価回路の推定(テブナンの定理の確認)
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□電圧計・電流計を正しい方法で使用でき、電気回路の基本定理に基づいて回路の動作を説明することができる。
4週 「レポートの書き方」
○なぜレポートを書くのか
○他人の文章・図を盗用してはならない
○レポートの書き方(目的、基礎知識、実験方法、実験結果、考察、課題、参考文献)
○表と図の記載方法
○考察のコツ
□コミュニケーション手段の一つである報告書(レポート)の書き方を学び、実践と多くの失敗を通して向上させる意思がある。
5週 実験テーマ2「ダイオードとトランジスタ」
○ダイオード、トランジスタ、発光ダイオード、フォト・トランジスタ
○ダイオードの整流作用の測定
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□ダイオードとトランジスタ、赤外線LED、フォトトランジスタの動作を測定し、自分なりに考えることができる。
6週 実験テーマ2「ダイオードとトランジスタ」
○オシロスコープによる波形の測定法と記録法
○フォトトランジスタの応答特性
○フォトトランジスタの指向性測定
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□ダイオードとトランジスタ、赤外線LED、フォトトランジスタの動作を測定することができ、自分なりに考えることができる。
7週 実験テーマ3「論理回路の設計と製作」
○カウンタとフリップ・フロップ、エンコーダとデコーダ、BCD、16進数
○16進数アップカウンタの設計・製作と動作確認
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□ICなどの電子部品を正しく取り扱うことができ、カウンタやデコーダを設計・製作できる。
8週 報告書作成 □各テーマごとの学習内容を振り返り、正しい書式に沿うようにレポートを作成し修正することができる。
4thQ
9週 実験テーマ3「論理回路の設計と製作」
○2ビットBCD―10進デコーダの設計・製作と動作確認
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□ICなどの電子部品を正しく取り扱うことができ、カウンタやデコーダを設計・製作できる。
10週 実験テーマ4「パソコンを用いた制御」
○パソコンを用いた制御、インタフェース、パラレルポートの詳細、2進数と16進数、コンパイラ
○パラレルポートの出力電圧測定
○ソフトウェアによるLEDの点灯と消灯
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□C言語を用いたプログラミングでパラレルポートを制御して回路を動作させる仕組みを説明することができる。
11週 実験テーマ4「パソコンを用いた制御」
○LED点滅プログラムの作成
○LED順次点灯プログラムの作成
○スイッチ入力で動作が変わるプログラムの作成
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□C言語を用いたプログラミングでパラレルポートを制御して回路を動作させる仕組みを説明することができる。
12週 実験テーマ5「電磁気学の基礎実験」
○平行平板コンデンサの電極間距離特性
○平行平板コンデンサの電極面積特性
○コンデンサの電荷量推定測定
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□電磁気学で学習した知識を現実のコンデンサに照らしながら実験を行い結果を考察するとともに説明することができる。
13週 実験テーマ5「電磁気学の基礎実験」
○変圧器の変圧特性
○空心コイルの電磁誘導特性―コイル間距離特性―
○空心コイルの電磁誘導特性―位置ずれ特性―
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。
□電磁気学で学習した知識を現実のコイルに照らしながら実験を行い結果を考察するとともに説明することができる。
14週 報告書修正 □各テーマごとの学習内容を振り返り、正しい書式に沿うようにレポートを作成し修正することができる。
15週 報告書修正 □各テーマごとの学習内容を振り返り、正しい書式に沿うようにレポートを作成し修正することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。2
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。2
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2

評価割合

報告書・態度合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00