実験実習IV

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 実験実習IV
科目番号 d0470 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 第3学年 電子制御工学実験指導書、プログラミング演習配布資料
担当教員 臼井 邦人,岡本 峰基,坂元 周作,沢口 義人,関口 明生,君塚 進

到達目標

レポート作成を中心として専門知識に関する理解を深め、これらを応用した計測・制御技術を学ぶ。また、マイコンを用いた制御を行うことができるように各自取り組む。
また、平滑化・最小二乗法・シミュレーション・数値積分など、コンピュータのプログラミングにより情報を処理する技術を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポート作成発展的な内容を含むレポートを作成し、締切までに受理されることができる内容を十分に理解してレポートを作成し、締切までに受理されることができる内容を十分に理解できず、レポート締切までに受理されない
専門分野への理解必要な専門知識を事前に学習し、率先して実験に用いることができる必要な専門知識について指導書を読み学習し、実験に用いることができる必要な専門知識を学習せず、実験に用いることができない
実験への対応知識や技術を生かし、自ら率先して実験実習を行うことができる知識や技術を生かし、実験実習を行うことができる知識や技術を実験実習に用いることができない
数値計算プログラミング発展的な課題に対して数値計算プログラムを作成できる。基礎的な課題に対して数値計算プログラムを作成できる。与えられた課題に対し数値計算プログラムを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
専門分野を理解する上で必要な知識を座学だけではなく実験を通じて学ぶ。また、理解度を把握するためにレポート作成と適宜のフィードバックを通して学習を支援する。
また、平滑化・最小二乗法・シミュレーション・数値積分など、コンピュータのプログラミングにより情報を処理する技術を身につける。
授業の進め方・方法:
実験を行い、各実験ごとにレポート作成を行い、期日内に受理されるまで各担当教員にレポートを修正し、提出する。
前半ライントレーサ・後半テーマ実験のグループと前半テーマ実験・後半ライントレーサのグループに分けて実験実習を行う。
なお、実験実習Ⅲ(3年前期)と実験実習Ⅳ(3年後期)について、実験設備・指導教職員・指導時間等からなる教育資源に対して学習効果を最大化するための観点から、クラスの学籍番号が前半の学生と後半の学生とに分け、前期・後期で学習内容を交代して実施する。
プログラミングによる情報処理(4thQ)については隔週で授業時間の半分を割り当て(全時間の約1/4)、前後半に分けずクラス全体で講義と演習により実践的に学ぶ。
注意点:
事前に指導書に目を通し、ノート・グラフ用紙・レポート用紙・筆記用具・定規・電卓・指導書を用意し、事前に指導書に目を通しておくこと。装置の取り扱い方法等は他の授業とは異なり事後に復習しにくいので、使用した電子部品や計測機器の名前および取り扱い方法は実験中に充分理解しておくこと。なお、すべての実験テーマを実施し、すべてのレポートが提出されないと評価されないので注意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
移動ロボットの動作確認
実験の進め方などについて理解する
また、1年次に作成した移動ロボットの動作確認を行う
2週 マイクロコンピュータ接続のための回路変更(1) 移動ロボットにマイクロコンピュータを接続するために回路を変更する(MCC)
3週 マイクロコンピュータ接続のための回路変更(2) 移動ロボットにマイクロコンピュータを接続するために回路を変更する(MCC)
4週 アセンブリ言語プログラミング(1) アセンブリ言語を用いて移動ロボットのLEDの点滅動作を行う(MCC)
5週 アセンブリ言語プログラミング(2) アセンブリ言語を用いて移動ロボットのモータを駆動させる(MCC)
6週 アセンブリ言語プログラミング(3) アセンブリ言語を用いて移動ロボットをクランク走行させる(MCC)
7週 アセンブリ言語プログラミング(4) アセンブリ言語を用いて移動ロボットのセンサ情報を読み取りライントレーサ動作を実現する(MCC)
8週 レポートまとめ これまでの内容について自分なりにまとめてレポートを提出する(MCC)
4thQ
9週 ガイダンス
数値微分
プログラム作成法を復習し,演習の進め方について理解する
前進差分商や中心差分商,後退差分商を算出するC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
10週 数値積分 矩形和や台形公式,シンプソンの公式により数値積分するC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
11週 方程式の求根 二分法やはさみうち法,ニュートン法により方程式の根を求めるC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
12週 電気回路シミュレーション 電気回路の周波数特性を求めるC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
13週 データの平滑化 移動平均法を用いて多数の一次元サンプルデータを平滑化するC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
14週 最小二乗法 多数の二次元サンプルデータについて,最小二乗法を用いて一次関数や二次関数,指数関数,べき関数として近似式を求めるC言語プログラムを作成し理解を深める(MCC)
15週 C言語とアセンブリ言語
授業のまとめ
C言語のプリプロセッサやコンパイラ,アセンブラ,リンカの動作を学び,2年次の授業や実験実習III・IVで取り扱ったアセンブリ言語との関係を理解する(MCC)
プログラミング演習について振り返り自身の理解状況を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1,後8
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1,後2,後3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後8
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後8
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後8
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後8
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後8
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1,後2,後3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1,後2,後3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1,後2,後3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後8
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
定数と変数を説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。3後10,後11,後12,後13,後14
条件判断プログラムを作成できる。3後7,後11,後12,後13,後14,後15
繰り返し処理プログラムを作成できる。3後4,後5,後6,後11,後12,後13,後14
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。3後12,後13,後14
情報系分野計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後8
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。3後4,後5,後6,後7
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3後1,後2,後3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3後1,後2,後3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3後8
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3後8
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4後1,後2,後3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2後1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2後8
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2後1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2後1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後8
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後1
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後8
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後8
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後8
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後8
複数の情報を整理・構造化できる。3後8
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後8
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後8
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後8
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後8
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後1
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後1,後8

評価割合

レポート課題合計
総合評価割合5050100
基礎的能力15015
専門的能力355085