概要:
本授業では、技術者倫理(工学倫理)を扱い、主として技術者・研究者における倫理(モラル)を学習する。そして、技術者倫理をめぐる様々な事例やその周辺・状況を通じて、現代における「技術」と「社会」の関係を考えていく。
授業の進め方・方法:
本授業は工学倫理に関する様々な諸問題を取り扱う。テキストに登場する過去の様々な具体的事例・事故・事件に基づいて講義形式で授業を進める。また、小テスト(リアクションペーパー)、中間レポートを提出してもらい、その内容をフィードバックして共有し、検討していく。前・後期の定期試験(70%)と中間レポート(20%)を中心に、小テストの提出や授業の参加状況(10%)を踏まえ、総合的に評価する。
注意点:
テキストにある基礎用語の登場に際してはそのつど説明するが、あらかじめテキストを読み、事例の背景を把握しておくことが望ましい。しかしながら扱う事柄の特性上、社会状況の変化や法律の改正などによって、授業の予定およびテキストの内容が変わる場合がある。テキストの他に資料、教材を用いて、最新の情報や関心に基づいた授業を行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション
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過去の事件・事例から学ぶ意義を理解する。
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2週 |
組織とエンジニア
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技術者や組織にとって何が重要なのかを考える。
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3週 |
企業の社会的責任(1)
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「リスク」と「安全」の関係を理解する。
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4週 |
企業の社会的責任(2)
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安全とコストのトレードオフについて理解する。
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5週 |
企業の社会的責任(3)
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公衆の安全のための「企業の社会的責任」(CSR)の重要性を理解する。
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6週 |
安全性と設計(1)
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設計思想(フェイル・セーフ、フール・プルーフ)について理解する。
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7週 |
安全性と設計(2)
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倫理的空間の構築(ユニバーサル・デザイン、バリアフリー)について理解する。
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8週 |
製造物責任(1)
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「製造物責任」およびPL法について理解する。
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2ndQ |
9週 |
製造物責任(2)
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技術者や組織における倫理的判断の重要性について理解する。
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10週 |
製造物責任(3)
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リスク・アセスメントについて理解する。
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11週 |
製造物責任(4)
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「安全文化」の創造の重要性を理解する。
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12週 |
施工管理
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ビジネスと倫理の両立について考える。
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13週 |
内部告発(1)
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組織における個人(技術者)の在り方について考える。
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14週 |
内部告発(2)
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「内部告発」の条件と特性、問題点を考える。
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15週 |
期末試験
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16週 |
試験返却
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試験問題の解説。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
倫理綱領・倫理規定(1)
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倫理綱領(規定)とは何なのか、理解する。
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2週 |
倫理綱領・倫理規定(2)
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倫理綱領の内容を身につけていくため、その目的を理解する。
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3週 |
研究者倫理
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技術者・研究者における不正(FPP)を理解したうえで、不正しないことを改めて確認する。
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4週 |
知的財産権
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「知的財産権」(特許・著作権など)の基本を理解する。
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5週 |
知的財産権:特許(1)
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「特許」をめぐる状況や問題を理解する。
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6週 |
知的財産権:特許(2)
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「職務発明」をめぐる裁判から、職務発明の現状を理解する。
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7週 |
知的財産権:企業秘密を守る(1)
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営業秘密の定義を理解し、および技術情報の取り扱いについて考える。
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8週 |
知的財産権:企業秘密を守る(2)
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技術情報の囲い込みなどをめぐって、情報をどこまで守るのかを改めて考える。
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4thQ |
9週 |
知的財産権:著作権(1)
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著作権の現状について考える。
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10週 |
知的財産権:著作権(2)
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前回と同様、著作権について考える。
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11週 |
倫理問題の解決法(1)
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倫理問題の解決を図る方法について理解し、身につける。
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12週 |
倫理問題の解決法(2)
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前回と同様、倫理問題の解決を図る方法について理解し、身につける。
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13週 |
工学の倫理概念(1)
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これまでを振り返り、技術者の守るべきことについて改めて考える。
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14週 |
工学の倫理概念(2)
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前回と同様、技術者の守るべきことについて改めて考える。
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15週 |
期末試験
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16週 |
試験返却
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試験問題の解説
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地歴 | 産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。 | 3 | |
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。 | 3 | |
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。 | 3 | |
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。 | 3 | |
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。 | 3 | |
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。 | 3 | |
公民 | 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。 | 3 | |
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。 | 3 | |
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。 | 3 | |
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。 | 3 | |
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。 | 3 | |
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。 | 3 | |
地歴・公民 | 現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。 | 3 | |
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。 | 3 | |
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。 | 3 | |
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。 | 3 | |
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。 | 3 | |