到達目標
1.連続時間システムを状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。
2.状態方程式について安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。
3.極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。 | 簡単な連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。 | 連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できない。 |
評価項目2 | システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。 | 簡単なシステムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。 | システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができない。 |
評価項目3 | 極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。 | 簡単なシステムにおいて極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。 | 極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
制御工学Ⅰでは古典制御に関する内容を取り扱うのに対して、制御工学Ⅱでは現代制御の分野に関する内容を取り扱う。
現代制御工学に関する理論の理解を深めるため、ブロック線図の簡単化、状態というあらたな変数を使って状態空間表現を行い、代表的な2つの方法(標準形と対角形)で記述をする。
更に、システムの可制御性と可観測性を評価し、安定性の評価、制御方法として極配置法や最適制御を用いて状態フィードバック制御の概念を学習する。
講義を行い、ほとんど毎回出題される演習問題(課題)を通し、学習理解を深める。
授業の進め方・方法:
90分の授業に対し、予習と復習を合計180分以上行うこと。
1題90分程度の課題を前期・後期、あわせて12~18題程度課すので、理解度に役立てること。
注意点:
・制御工学Ⅱは数学、電気分野、機械分野の広範囲の知識を必要とすることに注意して取り組むこと。
・古典制御の分野である制御工学Ⅰの内容である伝達関数、ブロック線図、過渡特性、定常特性、安定判別について理解していること。
・数学における行列演算、微分積分について理解していること。
・電気系の回路方程式や機械系の運動方程式の導出の経験を有していること 。
・計算問題などはフリーソフトウエア Scilab、Maxima の活用で自分自身で確認ができるようにすること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
古典制御工学と現代制御工学の違いを説明できる。
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2週 |
状態空間表示1 |
状態変数と状態方程式を理解し、簡単な微分方程式から状態方程式で表現できる。
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3週 |
状態空間表示2 |
機械システムと電気システムから状態方程式の誘導ができる。。
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4週 |
状態空間表示3 |
簡単なブロック線図から状態変数線図に変換できる。
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5週 |
状態空間表示4 |
状態方程式から状態変数線図に変換できる。 実現問題が理解できる。
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6週 |
状態空間表示5 |
標準形状態方程式(可制御正準系)を求め、状態変数線図に変換できる。
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7週 |
状態空間表示6 |
対角形状態方程式(対角正準系)を求め、状態変数線図に変換できる。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
状態方程式の解1 |
状態推移行列が計算できる。
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10週 |
状態方程式の解2 |
状態推移行列を使って自由システムの解を求めることができる。
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11週 |
可制御性と可観測性1 |
可制御の意味を理解し、可制御性行列を計算し、可制御性を評価できる。
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12週 |
可制御性と可観測性2 |
可観測の意味を理解し、可観測性行列を計算し、可観測性を評価できる。
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13週 |
状態方程式の解3 |
状態推移行列を用いて、自由システムの解を導出することができる。
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14週 |
状態方程式の解4 |
状態推移行列を用いて、ステップ入力を印加したシステムの解を導出することができる。
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験返却・解答 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
システムの安定性1 |
極を求め、s平面を使って安定性を評価できる。
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2週 |
システムの安定性2 |
リアプノフ方程式の計算ができる。
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3週 |
システムの安定性3 |
リアプノフ方程式を用いて安定性を評価できる。
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4週 |
システムの安定性4 |
状態推移行列を使わない方法でシステムの解の導出し、システムの安定性を評価できる。
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5週 |
システムの安定性5 |
出力の2乗積分値の計算ができ、2次形式評価関数を理解する。
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6週 |
システムの安定性6 |
安定なシステムにおいて、状態の評価関数を用いて評価ができる。
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7週 |
システムの安定性7 |
安定なシステムにおいて、出力の評価関数を用いて評価ができる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
フィードバック制御1 |
極配置法を理解する。
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10週 |
フィードバック制御2 |
極配置法を用いてフィードバック制御を構築することができる。
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11週 |
フィードバック制御3 |
リカッチ方程式の計算ができる。
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12週 |
フィードバック制御4 |
最適制御を用いてフィードバック制御を構築することができる。
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13週 |
オブザーバの設計1 |
オブザーバを理解する。
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14週 |
オブザーバの設計2 |
同一次元オブザーバを用いて、システムを構築することができる。
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
試験返却・解答 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 1 | |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 1 | |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 2 | |
力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 1 | |
応力とひずみを説明できる。 | 2 | |
計測制御 | 国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 3 | |
自動制御の定義と種類を説明できる。 | 2 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 1 | |
電気・電子系分野 | 電気回路 | オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 1 | |
電力 | 直流機の原理と構造を説明できる。 | 1 | |
計測 | SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
情報系分野 | その他の学習内容 | オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。 | 2 | |
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。 | 1 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |