概要:
[前期]溶接、旋盤、NC加工、基本加工などの機械工作法に関する実習を行い、報告書の作成を訓練する。
[後期]電気回路の基礎実験、ダイオードとトランジスタ、論理回路の設計と製作、パソコンを用いた制御、直流モータの実験、タイマICとフィルタ回路などの実験を行い、レポート(報告書)の作成についてもより踏み込んで訓練する。
授業の進め方・方法:
[前期]4班に分かれ4つの実習テーマを3週ごとに替えて全て履修する。実習を安全に行うことができない場合や機器を正しく扱うことができない場合には、実習を中断する・行わない場合がある。4つの実習テーマそれぞれを履修し、報告書を提出すること。報告書が提出されない実習が一つでもあった場合には、本科目の単位は不可となる。
[後期]毎回異なる6班に分かれ6つの実験テーマを2週ごとに替えて全て履修する。実験を安全に行うことができない場合や機器を正しく扱うことができない場合には、実験を中断する・行わない場合がある。6つの実験テーマそれぞれを履修し、レポートを提出すること。レポートが提出されない実験が一つでもあった場合には、本科目の単位は不可となる。後期については、諸君の能力向上のを目的として、レポートは原則として再提出となるため、指摘事項を前向きに捉えて修正し再提出すること。
注意点:
(1) 病気その他のやむを得ない理由によって 欠席する/した場合やレポートを出せない場合には、【速やかに担当教員に申し出る】こと。実験・実習を完了せずに報告書を提出することは認められない。
(2) 実験実習の際には、【ふさわしい服装と態度で臨み、実験指導書・筆記用具など必要なものを必ず持参する】こと。これを逸脱する場合には、安全上の理由などから実習を中断する・行わない。
(3) 【報告書・レポートの提出期限は厳守】すること。締め切りを守ることができないと、実社会で信頼を得て生きていくことができない。
(4) このほか、各担当教員は諸君の安全や向上を考えて指導に当たるため、【それぞれのテーマの指導の内容に従って学修する】こと。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
「ガイダンス」 ○実習を行う上で第1に優先すべき安全の心得を学ぶ。 ○主な機械工作法についてその概念を学ぶ。
|
□機械工作を実施する上で、指導無視・だらけた服装や態度・作業上の傲り・健康上の過怠・危機想像力の欠如 などがあると、たとえ本実習中でも最悪の場合には命を落とす事故や重大な後遺症を残す事故が発生する可能性がある。これを理解して、「安全に」作業に取り組むことができる。 □工場実習の目標と心構えがわかる。
|
2週 |
実習テーマ1「旋盤」 ○旋盤主要部の構造と扱い方 ○旋盤作業における安全管理 ○端面切削 ○測定器の扱い方 |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全に旋盤作業を行うことができる。 □測定器を正しく扱い、読み取ることができる。
|
3週 |
実習テーマ1「旋盤」 ○旋盤作業における安全管理 ○外径切削(段付切削) |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全に旋盤作業を行うことができる。 □測定器を正しく扱い、読み取ることができる。
|
4週 |
実習テーマ1「旋盤」 ○旋盤作業における安全管理 ○テーパ切削 |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全に旋盤作業を行うことができる。 □測定器を正しく扱い、読み取ることができる。
|
5週 |
実習テーマ2「基本加工」 ○基本加工における安全 ○製作手順 ○測定器の扱い方 ○けがき ○切断作業(弓鋸) ○やすり仕上げ |
□指導を受けた内容に従い、正しく安全に基本加工を行うことができる。 □工具や測定器を正しく扱うことができる。
|
6週 |
実習テーマ2「基本加工」 ○基本加工における安全 ○製作手順 ○けがき作業 ○ボール盤作業 ○やすり仕上げ |
□指導を受けた内容に従い、正しく安全に基本加工を行うことができる。 □工具や測定器を正しく扱うことができる。
|
7週 |
実習テーマ2「基本加工」 ○基本加工における安全 ○製作手順 ○ボール盤作業 ○切断作業(帯鋸盤) ○ねじ立て作業 ○やすり仕上げ |
□指導を受けた内容に従い、正しく安全に基本加工を行うことができる。 □工具や測定器を正しく扱うことができる。
|
8週 |
報告書作成 |
□各テーマごとの学習内容を振り返り、自分なりに調べ直した内容・反省・考察を含めた報告書を作成できる。
|
2ndQ |
9週 |
実習テーマ3「溶接」 ○アーク溶接の原理と扱い方 ○アーク溶接における安全管理 ○スポット・オン・プレート溶接 |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にアーク溶接を行うことができる。 □アーク溶接の原理を理解し、溶接機、溶接器具、溶接棒、保護具の扱い方がわかる。
|
10週 |
実習テーマ3「溶接」 ○アーク溶接における安全管理 ○ビード・オン・プレート溶接
|
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にアーク溶接を行うことができる。 □アーク溶接の原理を理解し、溶接機、溶接器具、溶接棒、保護具の扱い方がわかる。
|
11週 |
実習テーマ3「溶接」 ○アーク溶接における安全管理 ○すみ肉溶接(ストリンガービード、ウィービングビード) |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にアーク溶接を行うことができる。 □アーク溶接の原理を理解し、溶接機、溶接器具、溶接棒、保護具の扱い方がわかる。
|
12週 |
実習テーマ4「NC加工」 ○NCフライス盤主要部の構造と制御の原理 ○NCフライス盤作業における安全管理 ○NCコードのプログラミング手順 ○NCコードのプログラミング |
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にNCフライス盤作業を行うことができる。 □NCフライス盤の主要部の構造と制御の原理を理解し、プログラミングの手順を説明することができる。
|
13週 |
実習テーマ4「NC加工」 ○NCフライス盤作業における安全管理 ○NCコードのプログラミング手順 ○NCコードのプログラミング ○NC加工
|
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にNCフライス盤作業を行うことができる。 □NCフライス盤の主要部の構造と制御の原理を理解し、プログラミングの手順を説明することができる。
|
14週 |
実習テーマ4「NC加工」 ○NCフライス盤作業における安全管理 ○NCコードのプログラミング ○NC加工
|
□指導を受けた内容に正しく従って、安全にNCフライス盤作業を行うことができる。 □NCフライス盤の主要部の構造と制御の原理を理解し、プログラミングの手順を説明することができる。
|
15週 |
「工場実習の振り返り」 ○反省とまとめ |
□本実習後も、安全に配慮して道具を丁寧に扱い機械工作を行うことができる意思がある。
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
「ガイダンス」 ○実験とレポートの注意 ○レポート作成のスケジュール ○なぜ実験をするのか |
□それぞれの実験において、実習中の整理整頓や掃除など、安全を維持するための行動を行うことができる。 □それぞれの実験において、測定器を損なわないように留意して取り組むことができる。 □それぞれの実験において、数学・物理・専門科目など他の科目との関連を意識して考えることができる。 □コミュニケーション手段の一つである報告書(レポート)の書き方を学び、実践と多くの失敗を通して向上させる意思がある。
|
2週 |
実験テーマ1「電気回路の基礎実験」 ○電圧計と電流計 ○電圧源 ○抵抗値の測定 ○乾電池の特性測定 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □電圧計・電流計を正しい方法で使用でき、電気回路の基本定理に基づいて回路の動作を説明することができる。
|
3週 |
実験テーマ1「電気回路の基礎実験」 ○重ねの理、テブナン(等価電源)の定理 ○抵抗値の測定 ○乾電池の特性測定 ○電圧の測定(重ねの理の確認) ○等価回路の推定(テブナンの定理の確認) |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □電圧計・電流計を正しい方法で使用でき、電気回路の基本定理に基づいて回路の動作を説明することができる。
|
4週 |
「レポートの書き方」 ○なぜレポートを書くのか ○他人の文章・図を盗用してはならない ○レポートの書き方(目的、基礎知識、実験方法、実験結果、考察、課題、参考文献) ○表と図の記載方法 ○考察のコツ |
□コミュニケーション手段の一つである報告書(レポート)の書き方を学び、実践と多くの失敗を通して向上させる意思がある。
|
5週 |
実験テーマ2「ダイオードとトランジスタ」 ○ダイオード、トランジスタ、発光ダイオード、フォト・トランジスタ ○ダイオードの整流作用の測定
|
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □ダイオードとトランジスタ、赤外線LED、フォトトランジスタの動作を測定し、自分なりに考えることができる。
|
6週 |
実験テーマ2「ダイオードとトランジスタ」 ○オシロスコープによる波形の測定法と記録法 ○フォトトランジスタの応答特性 ○フォトトランジスタの指向性測定 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □ダイオードとトランジスタ、赤外線LED、フォトトランジスタの動作を測定することができ、自分なりに考えることができる。
|
7週 |
実験テーマ3「論理回路の設計と製作」 ○カウンタとフリップ・フロップ、エンコーダとデコーダ、BCD、16進数 ○16進数アップカウンタの設計・製作と動作確認 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □ICなどの電子部品を正しく取り扱うことができ、カウンタやデコーダを設計・製作できる。
|
8週 |
報告書作成 |
□各テーマごとの学習内容を振り返り、正しい書式に沿うようにレポートを作成し修正することができる。
|
4thQ |
9週 |
実験テーマ3「論理回路の設計と製作」 ○2ビットBCD―10進デコーダの設計・製作と動作確認 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □ICなどの電子部品を正しく取り扱うことができ、カウンタやデコーダを設計・製作できる。
|
10週 |
実験テーマ4「パソコンを用いた制御」 ○パソコンを用いた制御、インタフェース、パラレルポートの詳細、2進数と16進数、コンパイラ ○パラレルポートの出力電圧測定 ○ソフトウェアによるLEDの点灯と消灯 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □C言語を用いたプログラミングでパラレルポートを制御して回路を動作させる仕組みを説明することができる。
|
11週 |
実験テーマ4「パソコンを用いた制御」 ○LED点滅プログラムの作成 ○LED順次点灯プログラムの作成 ○スイッチ入力で動作が変わるプログラムの作成 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □C言語を用いたプログラミングでパラレルポートを制御して回路を動作させる仕組みを説明することができる。
|
12週 |
実験テーマ5「直流モータの実験」 ○モータの動作原理(ローレンツ力)、特性、種類、駆動回路、基礎用語 ○モータの回転速度に及ぼす各種パラメータの影響の測定 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □直流モータの特性を測定するための実験の方法について理解し、説明することができる。
|
13週 |
実験テーマ5「直流モータの実験」 ○モータドライバ回路を用いたモータの制御 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □直流モータの特性を測定するための実験の方法について理解し、説明することができる。
|
14週 |
実験テーマ6「タイマICとフィルタ回路」 ○タイマICの内部構造、フィルタ回路の種類 ○無安定モード発振器の特性測定 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □タイマICを用いて発振器を作ることができ、RC-LPF回路の周波数特性を説明することができる。
|
15週 |
実験テーマ6「タイマICとフィルタ回路」 ○RC-LPF回路の周波数特性測定 ○無安定モード発振器とRC-LPFを組み合わせた回路の動作観測 |
□安全に作業し、装置を正しく扱うことができる。 □タイマICを用いて発振器を作ることができ、RC-LPF回路の周波数特性を説明することができる。
|
16週 |
|
|