電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作テキストと音声付きパワーポイント
担当教員 鈴木 聡

到達目標

1.半導体の基本的性質を説明できる。
2.電子素子の基本構造であるpn接合の働きを説明できる。
3.ダイオードやバイポーラトランジスタの動作原理および特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
半導体の基本的特性半導体の基本的特性やp形とn形半導体の違いを説明できる。半導体の基本的特性やp形とn形半導体の違いを理解できる。半導体の基本的特性やp形とn形半導体の違いを理解できない。
pn接合pn接合の整流特性の説明や空乏層の特性解析ができる。pn接合の整流特性や空乏層の特性が理解できる。pn接合の整流特性や空乏層の特性を理解できない。
ダイオードとバイポーラトランジスタダイオードとトランジスタの構造、特性および動作原理を説明できる。ダイオードとトランジスタの構造と特性が説明できる。ダイオードとトランジスタの構造や特性が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 2(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電子工学Ⅱでは、半導体の基本的な学習を行う。またpn接合を利用したダイオードとバイポーラトランジスタの動作原理と特性について学ぶ。
授業の進め方・方法:
 授業はパワーポイント視聴形式の遠隔で進め、適宜演習を行う。pn接合の空乏層の特性解析では電磁気学の知識を必要とするので、必要に応じて電磁気の復習を行う。遠隔授業で出された小課題などはポートフォリオとして評価し、中間試験の代わりに遠隔授業中に行った演習問題は、下記の評価割合にしたがい評価する。
注意点:
 半導体の分野は、急速に発展している先端技術の一つである。新聞や雑誌などから最新の情報を得ることが必要となる。ただし、先端技術といってもその動作原理はおよそ50年前に誕生したトランジスタからあまり変わっていない。また、どんなに進んだ技術分野でも新しい技術は基本原理の熟知なくしては生まれてこない。このことを肝に命じて学習することが大切である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 真性半導体 半導体の結晶構造および真性半導体の電気伝導について理解する。
2週 外因性半導体 外因性半導体であるp形およびn形半導体の電気伝導について理解する。
3週 半導体の電気伝導機構1 半導体に流れるドリフト電流について理解する。
4週 半導体の電気伝導機構2 半導体に流れる拡散電流について理解する。
5週 pn接合1 pn接合の構造と作成方法を理解する。
6週 pn接合2 pn接合が整流性を示す理由を理解する。
7週 pn接合3 pn接合の電流-電圧特性について理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 pn接合の特性解析1 pn接合にポアソンの方程式を適用する方法を理解する。
10週 pn接合の特性解析2 ポアソンの方程式を解き、pn接合の電位分布と拡散電位を理解する。
11週 pn接合の特性解析3 電位分布からpn接合の空乏層容量を求める手法を理解する。
12週 ダイオード1 pn接合を利用した整流器の特性と電子回路での応用例を理解する。
13週 ダイオード2 定電圧ダイオードと可変容量ダイオードの動作原理と特性を理解する。
14週 バイポーラトランジスタ1 バイポーラトランジスタの構造と動作原理を理解する。
15週 バイポーラトランジスタ2 バイポーラトランジスタの特性を理解する。
16週 後期定期試験

評価割合

試験演習問題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力3000010040
専門的能力5000010060
分野横断的能力0000000