レポート作成を中心として専門知識に関する理解を深め、これらを応用した計測・制御技術を学ぶ。また、マイコンを用いた制御を行うことができるように各自取り組む。
また、平滑化・最小二乗法・シミュレーション・数値積分など、コンピュータのプログラミングにより情報を処理する技術を身につける。
概要:
専門分野を理解する上で必要な知識を座学だけではなく実験を通じて学ぶ。また、理解度を把握するためにレポート作成と適宜のフィードバックを通して学習を支援する。
また、平滑化・最小二乗法・シミュレーション・数値積分など、コンピュータのプログラミングにより情報を処理する技術を身につける。
授業の進め方・方法:
新型コロナウイルスに対する安全性確保の観点および設備・教員等の制約に対する学習効果を最大化する観点から、クラスを半分に分け、学期の前半と後半で以下(A)と(B)を交代して取り組む。
(A) 1年次に作成した移動ロボットにマイクロコンピュータを接続し、アセンブリ言語での組込みプログラミングを実習し、マイクロコンピュータ使用法などについて実践的に学習する。レポートの作成を通して、実験の内容を読者に適切かつわかりやすく説明する方法を学習する。
(B) 2年次に学習したC言語プログラミングの技法をもとに、平滑化・最小二乗法・シミュレーション・数値積分など、コンピュータのプログラミングにより情報を処理する技術を、演習とそれに合わせた講義を通して身につける。演習課題の取り組みを通して、情報を処理する技術の基礎を実践的に学習する。
注意点:
(A)については、ノート・筆記用具・指導書を用意し、事前に指導書に目を通しておくこと。装置の取り扱い方法等は他の授業とは異なり事後に復習しにくいので、使用した電子部品や計測機器の名前および取り扱い方法は実験中に充分理解しておくこと。なお、レポートが提出されないと評価されないので注意すること。
(B)については、2年次のプログラミング技法の授業における教材を持参することを勧める。理解が不十分なところが生じた場合には、指導教員やクラスメイトに適宜助けを求めることなどにより、自分自身を助けること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 移動ロボットの動作確認 |
実験の進め方などについて理解する また、1年次に作成した移動ロボットの動作確認を行う
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2週 |
マイクロコンピュータ接続のための回路変更 |
移動ロボットにマイクロコンピュータを接続するために回路を変更する
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3週 |
アセンブリ言語プログラミング(1) |
アセンブリ言語を用いて移動ロボットのLEDの点滅動作を行う
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4週 |
アセンブリ言語プログラミング(2) |
アセンブリ言語を用いて移動ロボットのモータを駆動させる
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5週 |
アセンブリ言語プログラミング(3) |
アセンブリ言語を用いて移動ロボットをクランク走行させる
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6週 |
アセンブリ言語プログラミング(4) |
アセンブリ言語を用いて移動ロボットからセンサ情報を読み取る
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7週 |
アセンブリ言語プログラミング(5) |
アセンブリ言語を用いて移動ロボットのライントレーサ動作を実現する
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8週 |
レポートまとめ |
これまでの内容について自分なりにまとめてレポートを提出する
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4thQ |
9週 |
ガイダンス 数値計算と誤差 基礎的な数値計算 |
演習の進め方などについて理解する 数値計算における主要な誤差とその要因(丸め誤差・打切り誤差・桁落ち・情報落ち)を理解する 数値データから平均や標準偏差などを求めるプログラムを作成することで、情報を処理する方法の一例を学習する
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10週 |
回帰(近似) |
最小二乗法により数値データに対して数式をあてはめるプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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11週 |
補間(内挿) |
数値データに対して補間多項式を求めるプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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12週 |
非線形方程式の数値解法 |
2分法やニュートン法により非線形方程式の数値解を求めるプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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13週 |
連立一次方程式の数値解法 |
ガウスの消去法により連立一次方程式の数値解を求めるプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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14週 |
データの積分・微分・平滑化 |
台形公式、シンプソン公式、中心差分商、移動平均などにより数値データに対する積分・微分・平滑化をほどこすプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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15週 |
常微分方程式の数値解法 |
ホイン法やルンゲクッタ法により常微分方程式の数値解を求めるプログラムを作成し、アルゴリズムを実践的に理解する
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 情報処理 | プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。 | 3 | |
定数と変数を説明できる。 | 3 | |
条件判断プログラムを作成できる。 | 3 | |
繰り返し処理プログラムを作成できる。 | 3 | |
情報系分野 | 計算機工学 | コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 3 | |
電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 4 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 4 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 4 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
共振について、実験結果を考察できる。 | 3 | |
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 3 | |
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 3 | |
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。 | 3 | |
論理回路の動作について実験結果を考察できる。 | 3 | |
ディジタルICの使用方法を習得する。 | 3 | |
情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。 | 3 | |
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 3 | |
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 2 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 2 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 2 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 2 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |