コンピュータを用いて、1)対象とするシステムのふるまいを数理的にモデル化・予測し、2)離散時間の信号を適切に処理し、3)対象とするシステムの特性を変えて保つ ための、離散時間の計測制御の知識と技能を身につける。
概要:
ディジタル制御とディジタルフィルタの内容を、応用にも重点を置きながら実践的に学習する。
本科目の学修内容は、たとえば、家電や自動車からプラントや社会システムまでの幅広い計測制御に用いられる制御工学の内容をコンピュータを用いて(離散時間で)実践する際に、効力を発揮する。
授業の進め方・方法:
原則毎回、講義資料を配付する。授業はこの講義資料に沿って行い、課題に取り組む際の資料ともなるため、A4のファイルを用意して整理すること。整理することができないと、本科目の履修は難しくなる。
原則毎回、5問の課題が出る。授業時間の1/6~1/2程度で講義を行い、残りの時間で課題に手を付けることができる。
質問があれば、授業時間内や授業時間外に担当教員まで積極的に申し出ること。
注意点:
課題は締め切りまでに遅滞なく提出することが理想的である。課題点の評価は高くはないが、課題に取り組むことができないと事実上試験問題に取り組むことが困難になる。
より効率的な理解のためには、ScilabやMaximaなどのソフトウェアを自主的に併用することを勧める。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
【第1章:離散時間入門】 「ガイダンス」 「離散時間入門」 ○なぜ離散化が必要か ○連続時間の制御と離散時間の制御の比較 ○ディジタル制御の構成方法 ○制御システムの例 ☆課題(数学基礎の復習) |
□連続時間と離散時間における制御上の差異の概要について説明することができる。 □数学的技能として漸化式(差分方程式)、行列の逆行列や固有値、部分分数分解などを扱うことができる。
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2週 |
【第2章:離散時間信号とZ変換】 「サンプリング定理とADC/DAC」 ○離散時間の標本化 ○サンプリング定理と標本化関数 ○A/D変換器 ○D/A変換器 ☆課題(サンプリング定理) |
□サンプリング定理について、人にわかるように説明することができる。 □A/D変換器とD/A変換器の入出力信号について、どのような違いがあるか、それぞれ説明することができる。
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3週 |
「システムの表現方法」 ○線形時不変(LTI)システム ○連続時間と離散時間の伝達関数 ○連続時間と離散時間の状態空間表現 ○一般化プラント ○例題:バネマスダンパ系の伝達関数と状態空間表現 ☆課題(伝達関数と状態空間表現) |
□伝達関数と状態空間表現の違いについて説明することができる。 □2次系の伝達関数と状態空間表現を求めることができる。
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4週 |
「Z変換」 ○制御工学において用いる変換の俯瞰 ○Z変換の定義式 ○演算子zの意味 ○基本的関数のZ変換 ○インパルス信号(デルタ関数)の違い ☆課題(Z変換) |
□連続時間の計測制御におけるラプラス変換とフーリエ変換が、離散時間の計測制御におけるZ変換と離散フーリエ変換に対応することを知る。 □Z変換の定義式や基本的関数のZ変換を利用して、簡単な関数のZ変換を求めることができる。 □ディラックのデルタ関数とクロネッカのデルタ関数の違いを説明することができる。
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5週 |
「Z変換の性質と逆Z変換」 ○単位時間遅れのZ変換 ○単位時間進みのZ変換 ○指数関数の積のZ変換 ○畳み込み公式 ○初期値定理・最終値定理 ○逆Z変換(数列を使う方法) ○逆Z変換(部分分数分解を使う方法) ☆課題(Z変換の性質) |
□Z変換の諸性質を利用して、簡単な関数のZ変換を求めることができる。 □簡単な関数の逆Z変換を求めることができる。
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6週 |
「逆変換と留数」 ○留数を用いた ラプラス変換のZ変換 ○留数を用いた 逆Z変換 ☆課題(逆Z変換) |
□留数定理を利用してラプラス変換のZ変換を求めることができる。 □留数定理を利用して逆Z変換を求めることができる。
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7週 |
「前期中間試験に向けた過去問演習」 |
□いままでの学修内容で理解が不足していたところを、演習等によって自ら見いだし、改善に向けて取り組むことができる。
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8週 |
「前期中間試験」 |
いままでの授業の内容を理解あるいは説明できる。たとえば: □A/D変換とD/A変換に関わるサンプリング定理について実用上の計算を行うことができる。 □Z変換を用いて基礎的な数式を処理することができる。
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2ndQ |
9週 |
【第3章:離散時間システム】 「システムの離散化」 ○状態方程式の離散化 ○状態方程式から伝達関数を求める方法 ○伝達関数の離散化 ☆課題(システムの離散化) |
□連続時間の状態空間表現で表されるシステムについて、離散時間の状態空間表現を求めることができる。 □離散時間の状態空間表現で表されるシステムについて、パルス伝達関数を求めることができる。 □伝達関数で表されるシステムについて、パルス伝達関数を求めることができる。
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10週 |
「応答」 ○時間応答の導出方法 ○インパルス応答の導出方法 ○ステップ応答の導出方法 ☆課題(応答) |
□パルス伝達関数で表されるシステムについて、単位インパルス応答を求めることができる。 □パルス伝達関数で表されるシステムについて、単位ステップ応答を求めることができる。
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11週 |
「定常偏差・周波数特性」 ○定常偏差の導出方法 ○周波数特性の導出方法 ☆課題(定常偏差・周波数特性) |
□簡単な閉ループシステムについて、定常偏差を求めることができる。 □パルス伝達関数で表されるシステムについて、周波数特性を求めることができる。
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12週 |
「安定性」 ○漸近安定とBIBO安定 ○連続時間の場合との違い ○A)パルス伝達関数の極を求める方法 ○B)A行列の固有値を求める方法 ○C)A行列の行列式と固有値を求める方法 ☆課題(安定性) |
□パルス伝達関数で表されるシステムの安定性を判別することができる。 □状態空間表現で表されるシステムの安定性を判別することができる。
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13週 |
○D)ジュリーの判別法 ○E)双一次変換を用いた判別法 ○F)リアプノフ方程式を用いた判別法 ☆課題(安定性) |
□パルス伝達関数で表されるシステムの安定性を判別することができる。 □状態空間表現で表されるシステムの安定性を判別することができる。
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14週 |
「可制御性・可観測性と座標変換」 ○可制御性の判別 ○可観測性の判別 ○可制御正準形 ○対角正準形 ☆課題(可制御性) |
□状態空間表現で表されるシステムの可制御性を判別することができる。 □状態空間表現で表されるシステムの可観測性を判別することができる。 □状態空間表現で表されるシステムについて、可制御正準形を求めることができる。 □状態空間表現で表されるシステムについて、対角正準形を求めることができる。
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15週 |
「前期定期試験に向けた過去問演習」 |
□いままでの学修内容で理解が不足していたところを、演習等によって自ら見いだし、改善に向けて取り組むことができる。
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16週 |
「前期定期試験」 |
いままでの授業の内容を理解あるいは説明できる。たとえば: □システムの離散化を実施できる。 □システムの応答・定常偏差・周波数特性の解析を実施できる。 □システムの可制御性・可観測性の解析を実施できる。
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