材料力学Ⅱ(後期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料力学Ⅱ(後期)
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 石田良平、秋田剛 共著『ビジュアルアプローチ材料力学』森北出版
担当教員 奥山 彫夢

到達目標

1)丸棒のねじりモーメント(トルク)とねじれ角の関係および動力伝達軸に関する、伝達動力、トルク、回転数の関係を説明できる。
2)外力によってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できる。
3)カスティリアノの定理により変位、たわみ角、ねじれ角を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1丸棒のねじりのトルクとねじれ角の関係が説明でき、動力伝達軸に関する、伝達動力、トルク、回転数の関係から必要な軸径を計算できる。丸棒のねじりのトルクとねじれ角の関係および動力伝達軸に関する、伝達動力、トルク、回転数の関係を説明できる。トルクとねじれ角の関係、伝達動力、トルク、回転数の関係が説明できない。
評価項目2引張・圧縮、曲げ・ねじりの外力によってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーを計算できる。引張・圧縮、曲げ・ねじりの外力によってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できる。引張・圧縮、曲げ・ねじりの外力によってなされる仕事と部材に蓄えられるひずみエネルギーの関係を説明できない。
評価項目3カスチリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できる。カスチリアノの定理を理解し、基本的な問題を解くことができる。カスチリアノの定理による基礎的な問題を解くことができるない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械や構造物の設計で基本となるねじりを受ける部材に生じるせん断応力・変形(ねじれ角)を求める方法を理解し、それらにより部材に生じるせん断応力・ねじれ角を計算する手法を学ぶ。動力伝達軸の動力、回転数、ねじりモーメント(トルク)関係を理解し、伝達動力などを計算する方法を学ぶ。さらに、材料力学で重要な考え方であるエネルギ法の一つであるカスチリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できることを目指す。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として例題の事前学習やレポートを課します。
注意点:
授業時間の2倍以上の予習及び復習を行うことを忘れないように。不明な点などあれば随時質問に訪れること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 丸棒のねじり ねじりのモーメント(トルク)が作用する丸棒の変形がせん断変形であることを説明できる。
2週 丸棒のねじり 一端が固定され、他端にトルクが作用する丸棒のねじれ角を求めることができる。
3週 丸棒のねじり 両端が固定された丸棒の中間にトルクが作用する丸棒の任意の位置におけるねじりモーメントを求めることができる。
4週 断面二次極モーメントと極断面係数 丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。
5週 動力伝達軸 棒のねじりモーメント(トルク)とねじれ角の関係および動力伝達軸に関する、伝達動力、トルク、回転数の関係を説明できる。
6週 動力伝達軸 必要なトルクを伝達するための軸径を強度基準と変形基準から求めることができる。
7週 動力伝達軸 複数の負荷作用する軸の変形(ねじれ角)を計算することができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却・解答解説 試験結果を踏まえ、知識・理解不足項目を復習し解消する。
10週 ひずみエネルギ 力の作用により変形する部材に蓄えられる(弾性)ひずみエネルギを説明でき、ひずみエネルギを外力のなす仕事と内力のなす仕事から求めることができる。
11週 ひずみエネルギ 軸力、ねじりモーメント、曲げモーメントが作用する部材に蓄えられるひずみエネルギを求めることができる。
12週 衝撃荷重 衝撃荷重が作用する物体に生じる力や変形は静荷重が作用する場合と異なることを理解し、物体の落下による生じる変形と最大応力を求めることができる。
13週 カスティリアノの定理 複数の集中荷重が作用してつり合い状態にある弾性体の作用点の変位をカスティリアノの定理で求めることを理解し、単純なトラスの荷重点の変位を求めることができる。
14週 カスティリアノの定理 仮想荷重を作用させることによりカスティリアノの定理を用いてたわみ角、ねじれ角を求めることができる。
15週 期末試験
16週 試験返却・解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。1
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。1
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。1
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。1
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。1
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。1
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。1
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。2
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。1
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3
材料機械材料に求められる性質を説明できる。1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。1
塑性変形の起り方を説明できる。1

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000