材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 d0120 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 石田良平、秋田剛 共著『ビジュアルアプローチ材料力学』森北出版
担当教員 奥山 彫夢

到達目標

1)外力と内力、内力と応力の関係を説明でき、軸力を受ける部材の応力を求めることができる。
2)引張圧縮荷重およびせん断荷重を受ける部材の応力を求めることができ、安全率の考えを理解できる。
3)自重を無視できない場合の応力、温度変化による生じる熱応力を求めることができる。
4)組合わせ棒などの基礎的不静定問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1外力と内力、内力と応力の関係を説明でき、軸力を受ける部材の応 力を求めることができる。外力と内力、内力と応力の関係を説明できる。外力と内力、内力と応力の関係を説明できない。
評価項目2引張・圧縮荷重およびせん断荷重を受ける部材の応力・ひずみ求めることができる。引張・圧縮荷重およびせん断荷重を受ける部材の応力・ひずみを説明できる。引張・圧縮荷重およびせん断荷重を受ける部材の応力・ひずみを説明できない。
評価項目3許容応力と安全率の関係を説明でき、これを利用し部材の寸法を計算できる。許容応力と安全率の関係を説明できる。許容応力と安全率の関係を説明できない。
評価項目4複数の荷重を受ける棒の変形、自重が無視できない棒の変形を求めることができる。複数の荷重を受ける棒の変形を求めることができる。複数の荷重を受ける棒の変形を求めることができない。
評価項目5温度変化による生じる熱応力を説明でき、変位が拘束される棒に生じる熱応力を求めることができる。温度変化による生じる熱応力を説明できる。温度変化による生じる熱応力を説明できない。
評価項目6組合せ棒、簡単なトラスの基礎的な不静定問題を解くことができる。組合せ棒の不静定問題を解くことができる。組合せ棒の不静定問題を解くことができない。
評価項目7丸棒のねじりのトルクとねじれ角の関係が説明でき、任意の位置でのねじりモーメント、せん断応力が計算できる。丸棒のねじりのトルクとねじれ角の関係を説明できる。トルクとねじれ角の関係が説明できない。
評価項目8応力とひずみの3次元成分を理解し、2次元応力の座標変換し主応力、最大せん断応力が計算できる。またモールの応力円を使うことが出来る。応力とひずみには3次元成分があり、応力は座標変換できることを説明できる。応力とひずみには3次元成分と、応力が座標変換できることを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 2(2) 説明 閉じる
JABEE B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物に外力や温度変化が働くとき、その構成部材あるいは全体がその荷重に耐えられるかどうかは、部材に生じる応力や変形で決まる。材料力学1では、内力、応力およびひずみの概念を理解し、応力とひずみの関係であるフックの法則から部材に生じる変形や応力を計算する手法を学ぶ。それらを設計に応用する考え方である安全率について理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
テキストに従って講義を進める。テキストの解説を受けた後練習問題と取り組むことによって内容の理解を深める。
注意点:
難しい専門知識を必要としないが、力のつり合いなどに関する静力学の知識および三角関数・微分積分などの基礎知識を必要とする.材料力学は身の回りにある構造物の変形と強度に関する問題を扱っており、周囲に対する観察眼を持ち、常に非常に身近な問題としての認識と興味をもつようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学の位置付けと目的 強度や変形を扱う学問における材料力学の位置付けと目的を理解する。
2週 静力学の基礎 力やモーメントを受ける物体の静止条件、座標系の設定とつり合い条件を理解する。(MCC)
3週 応力とひずみ 外力と内力の関係、内力と応力、伸びとひずみの関係を理解する。材料力学で扱う微小変形での応力とひずみが比例すること(フックの法則)を理解し、その比例定数である弾性係数(縦弾性係数、横弾性係数)を説明できる。(MCC)
4週 丸棒の引張問題 丸棒に荷重を負荷した場合の応力計算ができる。応力作用面の符号を理解し、軸力を受ける棒(断面が一様でない場合を含む)の応力、ひずみ、伸びの計算ができる。(MCC)
5週 物体力(自重)による変形と応力 自重が無視できない棒の任意の断面の応力と変位を求めることができる。垂直ひずみと横ひずみの大きさの比であるポアソン比について理解する。(MCC)
6週 棒の不静定問題 軸力を受ける両端固定棒、剛体板で結合された3本棒などの不静定問題について、各棒に生じる応力を計算できる。(MCC)
7週 熱応力 材料は温度によってその長さを変えるので、長さの変化を拘束した場合に、弾性ひずみでその長さ変化を補うので熱応力が発生することを理解する。両端固定棒、剛体版で結合された棒に温度変化を与えたときの熱応力が計算できる。(MCC)
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解答解説
10週 丸棒のねじり ねじりのモーメント(トルク)が作用する丸棒の変形がせん断変形であることを説明できる。一端が固定され、他端にトルクが作用する丸棒のねじれ角を求めることができる。(MCC)
両端が固定された丸棒の中間にトルクが作用する丸棒の任意の位置におけるねじりモーメントを求めることができる。(MCC)
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。(MCC)
11週 許容応力と安全率、応力集中 材料の基本的特性である応力—ひずみ線図および構造物設計に重要な許容応力と安全率を説明できる。(MCC)
内力の作用する断面形状が急激に変化すると応力が集中することを理解する。応力集中は材料破壊の起点となることを理解する。前週に学んだ安全率を決める要因の一つとして、これら応力集中があることを理解する。
12週 簡単なトラス 複数の棒状部材をモーメントを伝えない滑節(ピン)で連結した簡単なトラス構造の部材に生じる内力と変形を計算できる。(MCC)
13週 3次元の応力とひずみ、応力の座標変換 3次元の応力とひずみの定義を理解する。3次元の応力成分は9成分あり、モーメントのつり合いからせん断応力の共役関係を導出できる。(MCC)
応力は座標変換出来る事を二次元応力成分で理解し、計算できるようになる。(MCC)
14週 主応力と最大せん断応力、モールの応力円 応力の座標変換から主応力、最大せん断応力の計算ができる。応力テンソルの固有値、固有ベクトルの計算から、主応力と主応力方向の計算ができるようになる。(MCC)
モールの応力円について理解し、主応力、最大せん断応力をモールの応力円から求められるようになる。(MCC)
15週 期末試験
16週 期末試験の返却と解答解説

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力100000010
専門的能力8010000090
分野横断的能力0000000