電子工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子工学Ⅲ
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作テキスト
担当教員 鈴木 聡

到達目標

1.シュレディンガー方程式を理解し、固体中の電子の振る舞いを定量的に取り扱うことができる。
2.エネルギバンド構造を理解し、これをもとに半導体の基本的な性質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
シュレディンガー方程式シュレディンガー方程式を導出でき、井戸形ポテンシャルの問題を解くことができる。簡単な井戸形ポテンシャルの問題が解ける。簡単な井戸形ポテンシャルの問題が解けない。
エネルギバンド構造エネルギバンド構造を定量的に説明できる。エネルギバンド構造を定性的に説明できる。エネルギバンド構造を定性的に説明できない。
真性半導体真性半導体のキャリア密度を定量的に説明できる。真性キャリア密度を定性的に説明できる。真性キャリア密度を定性的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 2(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電子工学2(前期)では、シュレディンガー方程式、エネルギバンド構造、真性半導体半導体のキャリア密度について学ぶ。3学年で学習した電子工学1はやや定性的に扱った項目を、ここでは定量的な取り扱いで行う。
授業の進め方・方法:
 授業方法は講義を中心として進め、適宜演習を行う。3学年で学習した電子工学1が基礎となるので、必要に応じてこれの復習も行う。また、定期試験の前に課題の提出を求める。
注意点:
 量子力学の初歩的な本を読むことを奨励する。特に啓蒙書の部類は量子力学のイメージをつかむのに適当である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の目標や進め方、必要な知識、成績評価の方法について理解する。
2週 電子の粒子性と波動性 電子に粒子性と波動性があることを理解する。
3週 シュレディンガー方程式1 波動性をもつ電子の振る舞いを記述するシュレディンガー方程式を導くことができる。
4週 シュレディンガー方程式2 一次元の箱の中の電子についてシュレディンガー方程式を解ける。
5週 シュレディンガー方程式3 三次元の箱の中の電子についてシュレディンガー方程式を解ける。
6週 シュレディンガー方程式4 三次元の問題で現れたエネルギー準位の縮退とパウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
7週 フェルミエネルギ- 固体中のフェルミエネルギーを計算できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 状態密度 半導体のキャリア密度計算に必要な状態密度を理解する。
10週 フェルミ・ディラックの分布関数 半導体のキャリア密度計算に必要なフェルミ・ディラックの分布関数を理解する。
11週 エネルギーバンド理論1 孤立原子からの近似、集団電子からの近似を用いて定性的にエネルギバンド理論を理解する。
12週 エネルギーバンド理論2 クローニッヒ・ペニーのモデルを用いて半定量的にエネルギバンド理論を理解する。
13週 運動量空間と有効質量 波数とエネルギの関係およびそこから導き出せる有効質量について理解する。
14週 真性半導体のキャリア密度1 状態密度とフェルミ・ディラックの分布関数を用いて、真性半導体のキャリア密度を計算することができる。
15週 真性半導体のキャリア密度2 真性半導体のキャリア密度の式から、真性半導体のフェルミエネルギやpn積一定の法則を導ける。
16週 前期定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力90000100100
分野横断的能力0000000