制御工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅲ
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 小郷寛、美多勉著、「システム制御理論入門」、実教出版、1979年、2700円(+税)
担当教員 大橋 太郎

到達目標

1.連続時間システムを状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる 。
2.状態方程式について安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。
3.極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。簡単な連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できない。
評価項目2システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。簡単なシステムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができない。
評価項目3極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。簡単なシステムにおいて極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学Ⅰでは古典制御に関する内容を取り扱うのに対して、制御工学Ⅱでは現代制御の分野に関する内容を取り扱う。
現代制御工学に関する理論の理解を深めるため、ブロック線図の簡単化、状態というあらたな変数を使って状態空間表現を行い、代表的な2つの方法(標準形と対角形)で記述をする。
更に、システムの可制御性と可観測性を評価し、安定性の評価、制御方法として極配置法や最適制御を用いて状態フィードバック制御の概念を学習する。
講義を行い、ほとんど毎回出題される演習問題(課題)を通し、学習理解を深める。
授業の進め方・方法:
90分の授業に対し、予習と復習を合計180分以上行うこと。
1題90分程度の課題を6~10題ぶん出題するので、理解度に役立てること。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、講義内容に適したテキストを配布すると共に、理解度を確認するためのレポート課題を実施する。
注意点:
・制御工学Ⅱは数学、電気分野、機械分野の広範囲の知識を必要とすることに注意して取り組むこと。
・古典制御の分野である制御工学Ⅰの内容である伝達関数、ブロック線図、過渡特性、定常特性、安定判別について理解していること。
・数学における行列演算、微分積分について理解していること。
・電気系の回路方程式や機械系の運動方程式の導出の経験を有していること 。
・計算問題などはフリーソフトウエア Scilab、Maxima の活用で自分自身で確認ができるようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 古典制御工学と現代制御工学の違いを説明できる。
2週 状態空間表示1 状態変数と状態方程式を理解し、簡単な微分方程式から状態方程式で表現できる。
3週 状態空間表示2 機械システムと電気システムから状態方程式の誘導ができる。。
4週 状態空間表示3 簡単なブロック線図から状態変数線図に変換できる。
5週 状態空間表示4 状態方程式から状態変数線図に変換できる。 実現問題が理解できる。
6週 状態空間表示5 標準形状態方程式(可制御正準系)を求め、状態変数線図に変換できる。
7週 状態空間表示6 対角形状態方程式(対角正準系)を求め、状態変数線図に変換できる。
8週 状態方程式の解1 状態推移行列が計算できる。
2ndQ
9週 状態方程式の解2 状態推移行列を使って自由システムの解を求めることができる。
10週 可制御性と可観測性1 可制御性行列や可観測性行列を使った階数計算ができる。
11週 可制御性と可観測性2 可制御の意味を理解し、可制御性行列を計算し、可制御性を評価できる。
12週 可制御性と可観測性3 可観測の意味を理解し、可観測性行列を計算し、可観測性を評価できる。
13週 状態方程式の解3 状態推移行列を用いて、自由システムの解を導出することができる。
14週 状態方程式の解4 状態推移行列を用いて、ステップ入力を印加したシステムの解(状態)を導出することができる。
15週 状態方程式の解5 状態推移行列を用いて、ステップ入力を印加したシステムの解(出力)を導出することができる。
16週 前期期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000