制御工学Ⅳ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学Ⅳ
科目番号 0141 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 小郷寛、美多勉著、「システム制御理論入門」、実教出版、1979年、2700円(+税)
担当教員 大橋 太郎

到達目標

1.連続時間システムを状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。
2.状態方程式について安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。
3.極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。簡単な連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できる。連続時間システムにおいて、状態方程式で表現し、その時間応答を算出できない。
評価項目2システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。簡単なシステムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができる。システムにおいて、状態方程式から安定性を評価し、可制御正準系と対角正準形式への変換ができない。
評価項目3極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。簡単なシステムにおいて極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができる。極配置法や最適レギュレータによる状態フィードバックの設計や同一次元オブザーバの設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学Ⅰでは古典制御に関する内容を取り扱うのに対して、制御工学Ⅱでは現代制御の分野に関する内容を取り扱う。
現代制御工学に関する理論の理解を深めるため、ブロック線図の簡単化、状態というあらたな変数を使って状態空間表現を行い、代表的な2つの方法(標準形と対角形)で記述をする。
更に、システムの可制御性と可観測性を評価し、安定性の評価、制御方法として極配置法や最適制御を用いて状態フィードバック制御の概念を学習する。
講義を行い、ほとんど毎回出題される演習問題(課題)を通し、学習理解を深める。
授業の進め方・方法:
90分の授業に対し、予習と復習を合計180分以上行うこと。
1題90分程度の課題を6~10題ぶん課すので、理解度に役立てること。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、講義内容に適したテキストを配布すると共に、理解度を確認するためのレポート課題を実施する。
注意点:
・制御工学Ⅱは数学、電気分野、機械分野の広範囲の知識を必要とすることに注意して取り組むこと。
・古典制御の分野である制御工学Ⅰの内容である伝達関数、ブロック線図、過渡特性、定常特性、安定判別について理解していること。
・数学における行列演算、微分積分について理解していること。
・電気系の回路方程式や機械系の運動方程式の導出の経験を有していること 。
・計算問題などはフリーソフトウェア、 Scilab、Maxima の活用で自分自身で確認ができるようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 システムの安定性1 極を求め、s平面を使って安定性を評価できる。
2週 システムの安定性2 リアプノフ方程式の計算ができる。
3週 システムの安定性3 リアプノフ方程式を用いて安定性を評価できる。
4週 システムの安定性4 状態推移行列を使わない方法でシステムの解の導出し、システムの安定性を評価できる。
5週 システムの安定性5 出力の2乗積分値の計算ができ、2次形式評価関数を理解する。
6週 システムの安定性6 安定なシステムにおいて、状態の評価関数を用いて評価ができる。
7週 システムの安定性7 安定なシステムにおいて、出力の評価関数を用いて評価ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 フィードバック制御1 極配置法を理解する。
10週 フィードバック制御2 極配置法を用いてフィードバック制御を構築することができる。
11週 フィードバック制御3 リカッチ方程式の計算ができる。
12週 フィードバック制御4 最適制御を用いてフィードバック制御を構築することができる。
13週 オブザーバの設計1 オブザーバを理解する。
14週 オブザーバの設計2 同一次元オブザーバと最小次元オブザーバの違いがわかる。
15週 オブザーバの設計3 同一次元オブザーバを用いて、システムを構築することができる。
16週 後期期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000