線形代数II

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 線形代数II
科目番号 g0420 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高遠ほか著『新 線形代数 改訂版』大日本図書、2022年、1,800円(+税)/補助教材:高遠ほか著『新 線形代数 問題集 改訂版』大日本図書、2022年、900円(+税)
担当教員 佐野 照和

到達目標

評価項目01*:行列が線形変換を表すことを理解し,線形変換された点の座標を求めることができる.
評価項目02*:合成変換及び逆変換を表す行列を求めることができる.
評価項目03*:対称移動や平面内の回転が線形変換であることを理解し,線形変換を表す行列を求めることができる.
評価項目04:行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.
評価項目05: 行列の対角化をすることができる.
評価項目06:行列が対角化可能かどうか調べることができる.
評価項目07:対角化を利用して,2次形式の標準形を求めることができる.
評価項目08:対角化を利用して,行列のn乗を求めることができる.
(上記の * 印はMCC【2-1 I 数学】の項目)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目01行列が線形変換を表すことを理解し,発展的な線形変換によって移された点の座標を求めることができる.行列が線形変換を表すことを理解し,基本的な線形変換によって移された点の座標を求めることができる.行列が線形変換を表すことを理解できない.線形変換された点の座標を求めることができない.
評価項目02発展的な合成変換及び逆変換を表す行列を求めることができる.基本的な合成変換及び逆変換を表す行列を求めることができる.合成変換及び逆変換を表す行列を求めることができない.
評価項目03対称移動や平面内の回転が線形変換であることを理解し,発展的な線形変換を表す行列を求めることができる.対称移動や平面内の回転が線形変換であることを理解し,基本的な線形変換を表す行列を求めることができる.対称移動や平面内の回転が線形変換であることを理解できない.線形変換を表す行列を求めることができない.
評価項目04発展的な行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.基本的な行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない.
評価項目05発展的な行列の対角化をすることができる.基本的な行列の対角化をすることができる.行列の対角化をすることができない.
評価項目06発展的な行列が対角化可能かどうか調べることができる.基本的な行列が対角化可能かどうか調べることができる.行列が対角化可能かどうか調べることができない.
評価項目07対角化を利用して,発展的な2次形式の標準形を求めることができる.対角化を利用して,基本的な2次形式の標準形を求めることができる.対角化を利用して,2次形式の標準形を求めることができない.
評価項目08対角化を利用して,発展的な行列のn乗を求めることができる.対角化を利用して,基本的な行列のn乗を求めることができる.対角化を利用して,行列のn乗を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 科学技術の基礎知識・応用力の修得・活用

教育方法等

概要:
前半は線形変換の性質を学ぶ.
後半は行列の固有値・固有ベクトルの計算と行列の対角化,およびその応用について学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業の前半は,板書あるいはスライドを用いた講義形式で極力丁寧に学習内容の説明を行う.口頭での説明の内容は,適宜,定義や例題に紐づけてメモをとることを推奨する.もし疑問点があればその場で質問することを推奨する.また,毎回ではないが,必要に応じて補足用プリント(B5サイズ)を配布する.
授業の後半は,前半で扱った内容についての演習の時間として,主に教科書・問題集の指定した問題に取り組む.答えだけが求められているのではなく,計算過程の整理や記述が正しくなされているかも重要視される.毎回,演習課題プリント(A4サイズ)を配布する.演習は主体的に取り組み,自分の力で問題を解く習慣を身につけることを基本として、クラスの学生と相談したり教え合いながら協力して解くことも推奨する.また,最終的には,問題を解く過程で曖昧な点を残さないようにすることが求められる.
注意点:
下記の各週における授業計画の表は授業開始曜日等で変動するため目安としてください.別途,ガイダンス時に資料を配布します.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
線形変換
線形変換の定義を理解する.線形変換を表す行列を求めることができる.
2週 線形変換 線形変換の基本性質を理解する.線形変換による図形の像を求めることができる.
3週 線形変換 合成変換と逆変換を表す行列を求めることができる.合成変換と逆変換による図形の像を求めることができる.
4週 線形変換 原点のまわりの回転が線形変換であることを理解する.原点のまわりの回転を表す行列表現を求めることができる.
5週 線形変換 直交行列の定義と性質を理解する.
6週 まとめ 線形変換に関する基本的な問題を解くことができる.
7週 まとめ 線形変換に関するやや発展的な問題を解くことができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
固有値とその応用
2次正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる.
10週 固有値とその応用 3次正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる.
11週 固有値とその応用 対角化行列を求め,正方行列の対角化ができる.対角化可能であるか調べることができる.
12週 固有値とその応用 対称行列について直交行列を用いた対角化ができる.
13週 固有値とその応用 正方行列の対角化の応用として,行列のn乗や2次形式の標準形を求めることができる.
14週 まとめ 固有値・固有ベクトルに関する基本的な問題を解くことができる.
15週 (定期試験)
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験演習合計
総合評価割合7525100
基礎的能力7525100