電気回路II

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路II
科目番号 j0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 西巻正郎・森武昭・新井俊彦著『電気回路の基礎 第3版』森北出版、2014年、2000円(+税)
担当教員 和﨑 浩幸

到達目標

交流回路網の解析手法を理解し、オームの法則やキルヒホッフの法則などを用いて回路解析ができる。
交流回路について、複素数表示や極表示を用いて回路解析ができる。また、インピーダンス軌跡などにより、周波数特性が理解できる。
重ねの理や鳳・テブナンの定理を用いて、回路解析ができる。
交流回路における電力の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1インピーダンスやアドミタンスについて理解し、説明ができる。自在に複素数やフェーザによる表記ができる。インピーダンスやアドミタンスを理解し、複素数で表現できる。インピーダンスやアドミタンスが理解できていない。
評価項目2交流回路においても、オームの法則やキルヒホッフの法則が利用できることを理解し、複雑な回路網でも解析できる。交流回路においても、オームの法則やキルヒホッフの法則が利用できることを理解し、単純な回路網であれば解析できる。交流回路に対して、オームの法則やキルヒホッフの法則を適用することができない。
評価項目3交流回路の諸定理を用いて複雑な交流回路の解析ができる。交流回路の諸定理を用いて比較的簡単な交流回路の解析ができる。交流回路の諸定理が理解できていない。
評価項目4相互インダクタンスを含む複雑な交流回路の解析ができる。相互インダクタンスを含む比較的簡単な交流回路の解析ができる。相互インダクタンスを含む交流回路の解析ができない。
評価項目5交流回路の周波数特性の基本について理解し、周波数特性の解析ができる。交流回路の周波数特性の基本について理解し、周波数特性の簡易解析ができる。交流回路の周波数特性の基本について理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 科学技術の基礎知識・応用力の修得・活用

教育方法等

概要:
この科目(電気回路Ⅱ)では、電気回路Ⅰの知識が必要となるため、電気回路Ⅰを履修していることが基本となる。
まず、交流回路について、抵抗、インダクタンス、キャパシタンス、電源で構成される回路の解析方法について学ぶ。また、交流の電力について学ぶ。
これらの回路解析には、オームの法則、キルヒホッフの法則、重ねの理、鳳・テブナンの定理などが含まれる。
また、電磁誘導結合回路、回路の周波数特性について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業時間の前半は、教科書の各単元に沿って例題を中心に解説を行うので、説明をよく聞くこと。
授業時間の後半は、配布される電気回路問題や教科書の問題に取り組む。わからない場合は、積極的に質問すること。
電気回路問題が時間中に解き終わらない場合は、持ち帰って次回の授業までに解けるように努力すること。
電気回路問題の解答は次回の授業の初めに行うので、問題を解く上での疑問点等を整理しておくこと。
成績評価は、2回の試験成績の平均を80%、課題として電気回路問題を20%、として評価する。
注意点:
・基本的には教科書の例題を使って解説するので、細かな式の展開にとらわれずに説明をよく聞くこと。
・学んだ知識がそれ以降の授業でも必要とされるため、わからない部分を放置しないこと。授業の後は必ず復習し、質問等によって疑問点を解消するように努力すること。
・より一層の理解を深めるため、授業中に配布する電気回路問題と教科書の各章末尾にある演習問題を解いておくこと。
・課題は必ず提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 交流における直列接続の計算方法について学ぶ。インピーダンスについて学ぶ。 交流回路における直列接続の回路計算ができる。インピーダンスについて理解する。
2週 交流回路における並列接続の計算方法について学ぶ。アドミタンスについて学ぶ。 交流回路における並列接続の回路計算ができる。アドミタンスについて理解する。
3週 交流の電力について学ぶ。 有効電力、無効電力、皮相電力、力率について理解する。
4週 交流におけるキルヒホッフの法則と網目電流法の適用について学ぶ。 交流において、例題レベルの回路についてキルヒホッフの法則と網目電流法の適用ができる。
5週 重ねの理について学ぶ。 重ねの理について理解し、適用できる。
6週 鳳・テブナンの定理について学ぶ。 鳳・テブナンの定理について理解し、適用できる。
7週 後期6週までの学習内容の復習を演習問題形式で行う。 後期6週までの学習内容について、演習問題を解く。
8週 後期中間試験を行う。 後期中間試験で60点以上をとる。
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説を行う。 後期中間試験の結果から、必要な復習を行う。
10週 電磁誘導結合回路について学ぶ。 電磁誘導結合回路について理解し、例題レベルの回路について計算できる。
11週 変圧器回路について学ぶ。 例題レベルの変圧器回路について計算できる。
12週 交流における回路の周波数特性について学ぶ。 インピーダンス軌跡などによる周波数特性の把握について理解する。
13週 直列共振、並列共振について学ぶ。 共振回路について、共振周波数やQ値について理解する。
14週 後期13週までの学習内容の復習を演習問題形式で行う。 後期13週までの学習内容について、演習問題を解く。
15週 後期期末試験の解答と解説を行う。 後期期末試験の結果から、必要な復習を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前10,前11
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前4,前5,前6
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前11
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前1
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前12
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前12
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前13
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3後1,後2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後1,後2
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3後5
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3後4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3後6
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後13
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3後10
理想変成器を説明できる。3後11
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後3
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前10,前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000