実験・実習IIIA

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 実験・実習IIIA
科目番号 j0300 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 授業ごとに必要な資料・指示を提示する。
担当教員 丸山 真佐夫,和﨑 浩幸

到達目標

・作業報告書の記載方法に沿って作業報告書の作成ができる。
・標準的な方法により、プログラミングするための開発環境構築ができる。
・論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。
・各課題について、標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
作業報告書の作成作業報告書の目的を理解し、その趣旨に合致した報告書を期限内に作成・提出できる。作業報告書の目的を理解し、期限内に作成・提出できる。作業報告書の目的に合致する報告書作成が、期限内に作成・提出できない。
開発環境の整備自ら調査して、OS・アプリのインストール、アップデートと設定ができ、開発環境の整備ができる。相談しながら、OS・アプリのインストール、アップデートと設定ができ、開発環境の整備ができる。OS・アプリのインストール、アップデートと設定ができず、開発環境の整備ができない。
ハードウェアの測定必要な測定に応じて自ら正しい測定機器を選んで、正しく測定を行うことができる。測定機器を用いて、測定を行うことができる。測定機器を用いて、測定を行うことができない。
課題の達成提示された課題の内容を理解し、自ら調査を行いながらプログラムを作成し、目標とする結果にたどり着ける。提示された課題の内容を理解し、相談しながらプログラムを作成し、目標とする結果にたどり着ける。提示された課題の目標とする結果にたどり着けない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(R5までのDP) R5までDP_1 科学技術の基礎知識・応用力の修得・活用
準学士課程(R5までのDP) R5までDP_4 情報技術の修得

教育方法等

概要:
Raspberry Pi 4にOSを導入し、開発環境を整える。また、ソフトウェアを用いて、簡単なI/O制御を行う。
各授業時間ごとに作業報告書を作成し、次回の授業までに決められた方法で提出する。
授業の進め方・方法:
Raspberry Pi を1人1台ずつ用いて実験を進める。
指示に従って必要な操作を行い、各種ソフトウェアのインストールと設定を行う。
プログラムを書いて、I/Oの制御を行う。各授業時間ごとに作業した内容をまとめた作業報告書を作成・提出する。
注意点:
ただ単にコマンドだけを闇雲に入力するのではなく、そのコマンドの意味するところを調査・理解して、先々で応用できるように心がけること。
提示された課題について、実現に必要な情報を自ら調査して課題達成に向けた試行錯誤の中で、問題解決に必要なスキルを身につけるように心がけること。
調べた回路やプログラムを単にコピーするのではなく、その本質を理解して応用できるようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 作業報告書の目的を考え、書き方について理解する。
Raspberry Pi 4にOSのインストール作業を行い、作業報告書を作成する。
実験を行う上での諸注意を守る。また、作業報告書の作成方法について理解する。
Raspberry Pi 4にOSのインストールができる。
2週 日本語入力環境の導入、OS・アプリのアップデートを行う。
SSHとVNCについて調査し、それらの設定を行う。
日本語入力環境の導入、OS・アプリのアップデートができる。
SSHとVNCについて調査し、それらの設定ができる。
3週 GPIOに接続してLEDを消灯・点灯するための回路を調べる。
模擬回路をブレッドボードに作成して、LEDにかかる電圧と電流を実験で求める。
GPIOに接続してLEDを消灯・点灯するための回路がわかる。
模擬回路をブレッドボードに作成して、LEDにかかる電圧と電流を実験で測定できる。
4週 コマンドでGPIOに出力する方法について調査し、LED回路を接続して点灯・消灯を行う。 コマンドでLED回路を制御して、点灯・消灯ができる。
5週 pigpiodを利用したプログラミングで、LEDを0.5秒おきに点灯・消灯を繰り返すように制御する。 GPIOの出力をプログラミングによって制御でき、LEDの点滅を行うことができる。
6週 PWM制御について調査し、プログラミングでPWMを実現してGPIOに接続されたLEDの明るさを制御する。 PWMについて調査・理解して、プログラミングでLEDの明るさをPWM制御できる。
7週 同上 同上
8週 作業報告書の整理を行う。 第7週までの作業報告書の点検を行って、必要に応じて修正を行い、再提出する。
2ndQ
9週 7セグメントLEDについて調査する。 7セグメントLEDの構造や駆動回路について調査し、理解できる。
10週 GPIOに接続する回路を作成し、数字パターンを描くソフトウェア手法についても検討する。作業報告書を作成する。 7セグメントLEDをGPIOに接続する回路が理解できる。また、ソフトウェアで発光制御する方法について、アルゴリズムについて検討できる。
11週 7セグメントLEDに、0~9の数字を1秒間隔で次々に表示する。 制御プログラムを記述し、7セグメントLEDに数字を表示できる。
12週 スイッチをGPIOに接続する回路を調査・接続し、スイッチの状態を読み出すプログラムを作成する。 スイッチ回路の作成ができ、チャタリング対策を行ったプログラムがかける。
13週 スイッチ回路におけるチャタリングについて調査し、ソフトウェア的に除去する。
チャタリング現象について理解し、ソフトウェア的に除去することができる。
14週 スイッチと7セグメントLEDの動作を組み合わせて、電子サイコロを実現する。 スイッチ制御と7セグメントLEDの表示制御を実現し、電子サイコロの機能を実現できる。
15週 作業報告書の整理を行う。 第14週までの作業報告書の点検を行って、必要に応じて修正を行い、再提出する。全ての作業報告書を順番に連結し、提出する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前3,前10,前12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前8,前15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3前1,前2
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3前1,前2
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

作業報告書合計
総合評価割合100100
作業報告書の作成9090
開発環境の整備・ハードウェアの測定・課題の達成1010