技術と社会

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2016
授業科目 技術と社会
科目番号 0009 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 齊藤了文・坂下浩司編『はじめての工学倫理(第3版)』、昭和堂、2014年、1400円(+税)
担当教員 武長 玄次郎,魚谷 雅広

到達目標

"・安全とリスクについての理解を深める。
・製造物責任およびその諸問題について理解する。
・知的財産権とその状況について理解する。
・倫理綱領の内容を身につけ、技術・研究・ビジネスと倫理の関係を理解する。
・上記の事柄を含め、技術(技術者)と現代社会の在り方を理解する。"

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1問題事例を把握・解釈したうえで、それを自分の言葉で説明できる。 問題事例を把握することができる。 問題事例を把握・解釈することができない。
評価項目2他者の考え方を比較・検討したうえで、自分の考えを論理的に組み立てることができる。 問題や事例について自分の考えを説明できる。 自分の考えを説明できない。
評価項目3講義内容を身につけ、それを具体的事例に当てはめて考えることができる。 講義内容を身につけている。 講義内容があいまいなままになっている。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、技術者倫理(工学倫理)を扱い、主として技術者・研究者における倫理(モラル)を学習する。そして、技術者倫理をめぐる様々な事例やその周辺・状況を通じて、現代における「技術」と「社会」の関係を考えていく。
授業の進め方・方法:
本授業は工学倫理に関する様々な諸問題を取り扱う。テキストに登場する過去の様々な具体的事例・事故・事件に基づいて講義形式で授業を進める。また、小テスト(リアクションペーパー)、中間レポートを提出してもらい、その内容をフィードバックして共有し、検討していく。前・後期の定期試験(70%)と中間レポート(20%)を中心に、小テストの提出や授業の参加状況(10%)を踏まえ、総合的に評価する。      
注意点:
テキストにある基礎用語の登場に際してはそのつど説明するが、あらかじめテキストを読み、事例の背景を把握しておくことが望ましい。しかしながら扱う事柄の特性上、社会状況の変化や法律の改正などによって、授業の予定およびテキストの内容が変わる場合がある。テキストの他に資料、教材を用いて、最新の情報や関心に基づいた授業を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション
過去の事件・事例から学ぶ意義を理解する。
2週 組織とエンジニア
技術者や組織にとって何が重要なのかを考える。
3週 企業の社会的責任(1)
「リスク」と「安全」の関係を理解する。
4週 企業の社会的責任(2)
安全とコストのトレードオフについて理解する。
5週 企業の社会的責任(3)
公衆の安全のための「企業の社会的責任」(CSR)の重要性を理解する。
6週 安全性と設計(1)
設計思想(フェイル・セーフ、フール・プルーフ)について理解する。
7週 安全性と設計(2)
倫理的空間の構築(ユニバーサル・デザイン、バリアフリー)について理解する。
8週 製造物責任(1)
「製造物責任」およびPL法について理解する。
2ndQ
9週 製造物責任(2)
技術者や組織における倫理的判断の重要性について理解する。
10週 製造物責任(3)
リスク・アセスメントについて理解する。
11週 製造物責任(4)
「安全文化」の創造の重要性を理解する。
12週 施工管理
ビジネスと倫理の両立について考える。
13週 内部告発(1)
組織における個人(技術者)の在り方について考える。
14週 内部告発(2)
「内部告発」の条件と特性、問題点を考える。
15週 期末試験
16週 試験返却
試験問題の解説。
後期
3rdQ
1週 倫理綱領・倫理規定(1)
倫理綱領(規定)とは何なのか、理解する。
2週 倫理綱領・倫理規定(2)
倫理綱領の内容を身につけていくため、その目的を理解する。
3週 研究者倫理
技術者・研究者における不正(FPP)を理解したうえで、不正しないことを改めて確認する。
4週 知的財産権
「知的財産権」(特許・著作権など)の基本を理解する。
5週 知的財産権:特許(1)
「特許」をめぐる状況や問題を理解する。
6週 知的財産権:特許(2)
「職務発明」をめぐる裁判から、職務発明の現状を理解する。
7週 知的財産権:企業秘密を守る(1)
営業秘密の定義を理解し、および技術情報の取り扱いについて考える。
8週 知的財産権:企業秘密を守る(2)
技術情報の囲い込みなどをめぐって、情報をどこまで守るのかを改めて考える。
4thQ
9週 知的財産権:著作権(1)
著作権の現状について考える。
10週 知的財産権:著作権(2)
前回と同様、著作権について考える。
11週 倫理問題の解決法(1)
倫理問題の解決を図る方法について理解し、身につける。
12週 倫理問題の解決法(2)
前回と同様、倫理問題の解決を図る方法について理解し、身につける。
13週 工学の倫理概念(1)
これまでを振り返り、技術者の守るべきことについて改めて考える。
14週 工学の倫理概念(2)
前回と同様、技術者の守るべきことについて改めて考える。
15週 期末試験
16週 試験返却
試験問題の解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70005025100
基礎的能力3000501550
専門的能力200000525
分野横断的能力200000525