技術と社会

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 技術と社会
科目番号 0020 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 なし
担当教員 武長 玄次郎

到達目標

古来、技術は人間の暮らしおよび社会のあり方に大きな影響を与えてきた。例えばもしも鉄道・テレビ・自動車・インターネットがなかったら、現在の我々は様々な点で全く違う状況に置かれたであろう。技術は社会を変えるが、社会もまた技術を変える。社会や人々の要求が技術を生みだすことも少なくない。技術と社会の、いわば相互作用は古代から現代に至るまで続いている。技術者になることを目指す学生は、こうした歴史的経緯を理解し、自分たちの扱う技術がいかに大きな力を持つかを実感し、その使命を実感してもらいたい。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者の社会的使命について理解できる技術者の社会的使命を認識できる技術者の社会的使命を理解できない
評価項目2技術がもたらす利益と損害について理解できる技術がもたらす利益と損害について認識できる技術がもたらす利益と損害について理解できない
評価項目3技術進歩の歴史的経緯について理解できる技術進歩の歴史的経緯について認識できる技術進歩の歴史的経緯について理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術進歩は人々の寿命を延ばし生活を便利にした。技術が発達することによって人々は多くの利益を得たが、同時に技術がもたらす弊害もまた大きい。技術者の課題は、いかに人々への利益を大きくし害を小さく、可能ならばゼロにすることである。そのためのヒントをこの授業から得ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
技術の歴史についてふれつつ、現代に生きる我々にとって身近な技術の話題を多く取り入れ居る。基本的に講義形式で行うが、学生の積極的な参加を前提とする。
注意点:
全学科共通科目のため、特段の専門的知識を必要としない。教科書は用いないが、授業中の説明や配布物はしっかりと理解してもらうことを前提としている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 古代ギリシアの技術 現代技術につながるユニークな発想や理念を理解できる
2週 古代ローマの技術 分野によっては現代人にも劣らない、ローマの技術水準について理解できる
3週 古代オリエント・アラビアの技術 技術を作り出し、維持してきた人々の営みを理解できる
4週 中国の技術 現在でも重要な、水力の調整と利用を前面に出した文明とその技術について理解できる
5週 ルネサンスの技術(1) 人間の解放をめざしたルネサンス時代の技術を理解できる
6週 ルネサンスの技術(2) ルネサンスの技術について、十分な知識を持つことができる
7週 近代以前、日本の技術(1) 日本の伝統技術水準の高さについて理解できる
8週 近代以前、日本の技術(2) 近代化を準備した時期にあたる日本の技術について理解できる
2ndQ
9週 産業革命(1) 産業革命の画期性とそれに関わった人々の苦闘を理解できる
10週 産業革命(2) 産業革命がもたらした栄光と悲惨さを理解できる
11週 19世紀ヨーロッパの技術進歩(1) ヨーロッパが世界を席巻した背景にあった技術の発展を理解できる
12週 19世紀ヨーロッパの技術進歩(2) ヨーロッパの技術がもたらした近代思想の伝播、植民地化などについて理解できる
13週 19世紀アメリカの技術進歩 近代アメリカの技術について理解できる
14週 近代日本の技術進歩(1) 黒船来航以後の日本において行われた技術進歩について理解できる
15週 近代日本の技術進歩(2) 近代化がもたらした日本の科学技術の変化と社会への影響について理解できる
16週
後期
3rdQ
1週 発明家たちの活躍 19世紀、20世紀の発明家がもたらした社会的影響について理解できる
2週 20世紀初期の技術進歩(1) 自動車・飛行機などモータリゼーションの進歩について理解できる
3週 20世紀初期の技術進歩(2) 現代市民生活の基礎を作った時代の技術発展について理解できる
4週 第一次世界大戦と技術(1) 世界最初の大規模殺戮をもたらした技術の悪影響を理解できる
5週 第一次世界大戦と技術(2) 技術制御の必要性とそれがなされなかった場合の実例を理解できる
6週 戦間期世界の科学技術論 戦間期の科学技術論が次の戦争を阻止できなかった理由を理解できる
7週 八田與一と久保田豊に見る技術の光と影(1) 日本の代表的な土木技術者2人の業績と思想を理解できる
8週 八田與一と久保田豊に見る技術の光と影(2) 日本の優れた技術者の例から、技術と社会のあるべき姿について十分に考察することができる
4thQ
9週 高等教育機関と技術 高等教育機関の発達がもたらした技術の影響について理解できる
10週 第二次世界大戦と技術(1) 第一次大戦を上回る被害を出した戦争に、いかに技術が関わったかを理解できる
11週 第二次世界大戦と技術(2) 技術がもたらすのは栄光だけではなく悲惨であることを理解できる
12週 公害問題に見る技術と倫理 公害問題を考察することにより、技術と倫理について理解できる
13週 現代技術の発展と問題(1) 現代社会にある実例を考察することで、技術と社会のあるべき姿を理解することができる
14週 現代技術の発展と問題(2) 技術の危険性について、身近な問題をもとにして理解することができる
15週 これからの技術と社会 将来の技術はどうあるべきかについて、十分に考察できる
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合02000080100
基礎的能力10004050
専門的能力0002020
分野横断的能力100002030