概要:
この科目(電子回路)では、各種増幅回路の解析手法、電圧利得や周波数特性などの諸特性について学ぶ。
まず、演算増幅器の特性と負帰還回路による逆相・正相増幅回路について学ぶ。
次に、トランジスタ増幅回路の解析手法について学び、MOS-FET・バイポーラトランジスタを用いた各種の増幅回路について解析を行う。
また、結合コンデンサを必要としないバイアス方式について学び、差動増幅回路の動作について学ぶ。
最後に、大きな信号を扱う回路として、B級プッシュプル回路の基本を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿って、順に授業を進める。増幅器の基本回路について学び、その解析手法と解析で得られた特性について説明を行う。
なお、教科書には解析結果のみ提示されている部分もあるが、必要に応じて解析方法等について説明を加える。
細かな式の展開にとらわれすぎずに、解析手法の理解を深めるようにすること。
4回の試験の平均点80%とレポート20%で評価する。
注意点:
電子回路の内容は、そのほとんどが電気回路の知識を用いた回路解析であるので、電気回路解析の諸法則・諸定理について復習をしておくこと。
電子回路特有の考え方として、直流解析と交流解析に分けて考えたり、デバイスのモデル化や特性の近似を行って計算すること等があるので、これらの点に注意して学習すること。
解析結果のみならず、解析手法を理解するように学習すること。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電子回路で扱うデバイスの基本的な性質について学ぶ。 |
抵抗、コンデンサ、ダイオードの基本的な特性について説明できる。
|
2週 |
電気回路の解析手法の復習を行い、電子回路特有の制御電源について学ぶ。 |
電気回路の解析手法を確認し、制御電源の扱いについて理解する。
|
3週 |
演算増幅器の基本的特性について学び、逆相増幅回路と正相増幅回路の解析を行う。 |
演算増幅器の基本的特性を理解し、逆相増幅回路と正相増幅回路の解析ができる。
|
4週 |
一般的な増幅器の特性を表すパラメータについて理解し、入力抵抗と出力抵抗の影響について学ぶ。 |
一般的な増幅器の特性を表すパラメータについて理解し、入力抵抗と出力抵抗の影響について説明できる。
|
5週 |
出力電圧の範囲について学ぶ。また、電圧利得の帯域幅について学ぶ。 |
出力電圧の範囲について理解する。また、電圧利得の帯域幅について理解する。
|
6週 |
バイポーラトランジスタとMOS-FETの種類と基本的な特性について学ぶ。 |
バイポーラトランジスタとMOS-FETの種類と基本的な特性について理解する。
|
7週 |
MOS-FETのバイアスについて学び、作図によって出力信号を求める方法を学ぶ。 |
MOS-FETのバイアスについて理解し、作図によって出力信号を求めることができる。
|
8週 |
前期中間試験を行う。 |
前期中間試験で50点以上とる。
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の解答と説明を行う。 |
前期中間試験の結果から、必要な復習を行う。
|
10週 |
トランジスタ回路について、バイアスと信号成分に分けて計算することを学ぶ。また、MOS-FETの交流等価回路について学ぶ。 |
トランジスタ回路について、バイアスと信号成分に分けて計算できることを理解する。また、MOS-FETの交流等価回路について理解する。
|
11週 |
バイポーラトランジスタの交流等価回路について学ぶ。 |
バイポーラトランジスタの交流等価回路について理解する。
|
12週 |
MOS-FETのソース接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。 |
MOS-FETのソース接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。
|
13週 |
MOS-FETのドレイン接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。 |
MOS-FETのドレイン接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。
|
14週 |
MOS-FETのゲート接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。 |
MOS-FETのゲート接地増幅回路の直流・交流解析手法について学ぶ。
|
15週 |
前期期末試験を行う。 |
前期期末試験で50点以上とる。
|
16週 |
前期期末試験の解答と説明を行う。 |
前期期末試験の結果から、必要な復習を行う。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
バイポーラトランジスタのバイアス回路について学ぶ。エミッタ接地増幅回路の交流解析手法について学ぶ。 |
バイポーラトランジスタのバイアス回路について理解する。エミッタ接地増幅回路の交流解析を行い、電圧利得が求められる。
|
2週 |
引き続きバイポーラトランジスタのエミッタ接地増幅回路の交流解析手法について学ぶ。 |
エミッタ接地増幅回路の交流解析を行い、入力抵抗と出力抵抗が求められる。
|
3週 |
バイポーラトランジスタのコレクタ接地増幅回路の解析手法について学ぶ。 |
コレクタ接地増幅回路の交流解析を行い、電圧利得が求められる。
|
4週 |
引き続きバイポーラトランジスタのコレクタ接地増幅回路の解析手法について学ぶ。 |
コレクタ接地増幅回路の交流解析を行い、入力抵抗と出力抵抗が求められる。
|
5週 |
バイポーラトランジスタのベース接地増幅回路の解析手法について学ぶ。 |
ベース接地増幅回路の交流解析を行い、電圧利得が求められる。
|
6週 |
引き続きバイポーラトランジスタのベース接地増幅回路の解析手法について学ぶ。 |
ベース接地増幅回路の交流解析を行い、入力抵抗と出力抵抗が求められる。
|
7週 |
基本的な増幅回路の組み合わせによる、相互接続の影響について学ぶ。 |
基本的な増幅回路の組み合わせによる、相互接続の影響について説明できる。
|
8週 |
後期中間試験を行う。 |
後期中間試験で50点以上とる。
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の解答と説明を行う。 |
後期中間試験の結果から、必要な復習を行う。
|
10週 |
トランジスタ増幅回路の帯域について学ぶ。 |
トランジスタ増幅回路の高域遮断周波数と低域遮断周波数について理解する。
|
11週 |
負帰還回路について学び、基本的な負帰還形式について学ぶ。 |
負帰還回路の基本を理解し、負帰還形式について理解する。
|
12週 |
結合コンデンサを用いないトランジスタ増幅回路のバイアスについて学ぶ。 |
結合コンデンサを用いないトランジスタ増幅回路のバイアスについて理解する。
|
13週 |
差動増幅回路とその周辺回路について学ぶ。 |
差動増幅回路の交流解析を行い、差動利得、同相利得、CMRRについて理解する。
|
14週 |
B級プッシュプル回路について学ぶ。 |
B級プッシュプル回路の基本動作を説明できる。クロスオーバ歪とその改善について理解する。
|
15週 |
後期期末試験を行う。 |
後期期末試験で50点以上とる。
|
16週 |
後期期末試験の解答と説明を行う。 |
後期期末試験の結果から、必要な復習を行う。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系 | その他の学習内容 | オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。 | 3 | 前2 |
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。 | 3 | 前6 |