国文学

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 国文学
科目番号 0031 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 坂口安吾『堕落論』(集英社、1990)(随時プリントも配布する。)
担当教員 加藤 達彦

到達目標

1.文芸作品の読解を通じて、固定観念にとらわれない柔軟な発想を展開することができる。
2.自らの思考を問い直しながら、社会が抱える諸問題について多角度から考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文章や映像による情報を正確に読み取り、自らの考えを深めながら理解することができる。文章や映像による情報を読み取り、おおむね理解することができる。文章や映像による情報を読み取ることができない。
評価項目2与えられたテーマについて、自らの考えを他者に強く訴える文章として書くことができる。与えられたテーマについて、自らの考えをまとめ、誤字や脱字のないように書くことができる。与えられたテーマについて、自らの考えを書くことができない。
評価項目3文芸作品を通じて人間や社会の諸問題について主体的・積極的に判断し、主張することができる。文芸作品を通じて人間や社会の諸問題を把握し、自分の意見を持つことができる。文芸作品を通じて人間や社会の諸問題を把握することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
対象作家に関する様々なテクストや映画等を読解・鑑賞し、そこから社会の諸問題について自分の意見を持つことを目標とする。
読み、書くことによって、ものの見方、感じ方、考え方を深め、ぜひ自らの問いを発見してほしい。
授業の進め方・方法:
①テキストとプリント等を使って授業を行う。
 配布するプリントは必ずファイルし、復習できるようにすること。
②授業のなかで課題を提示し、おおよそ隔週のペースで小レポートを書いてもらう。
 この小レポートも成績に反映されるので、未提出がないように気をつけること。
③レポートの講評と解説を組み合わせて講義するので、レポートには積極的に取り組むこと。
④中間試験は行わず、前期期末試験のみ行う。
注意点:
何事にも興味・関心を持つことが大切である。
文芸作品を単に読み流すのではなく、その読書体験をきっかけにして、自らの感覚を研ぎ澄まし、思考を深めることを心掛けてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の進め方、レポートの取り組み方等を把握し、対象作家に関する基本情報を理解する。
2週 (1)「風博士」を読解する。 Farceについて理解する。
3週 (2)「風博士」を読解する。 Farceについて理解し、小説の構造を分析する。
4週 (1)「ふるさとに寄する讃歌」を読解する。 「ふるさとに寄する讃歌」の構造について理解する。
5週 (2)「ふるさとに寄する讃歌」を読解する。 対象作家独自の〈ふるさと〉という概念について理解する。
6週 (1)『吹雪物語』を読解する。 『吹雪物語』のテーマについて理解する。
7週 (2)『吹雪物語』を読解する。 『吹雪物語』のテーマを1930年代の社会状況と関連させて分析する。
8週 (1)映画鑑賞 対象作家原作の映画を鑑賞し、そのテーマについて自分の意見をまとめる。
2ndQ
9週 (2)映画鑑賞 映画を踏まえ、〈戦争〉と〈性〉の関わりについて考察する。
10週 「日本文化」を撮影する。 写真を撮ることで日本文化に関する理解を深める。
11週 「日本文化私観」を読解する。 日本文化や伝統にまつわる〈対-形象化の論理〉を理解する。
12週 探偵小説の謎解きに挑戦する。 探偵小説を読解し、トリックの構造を理解する。
13週 「不連続殺人事件」を読解する。 探偵小説が孕んでいるアポリアを実感しながら「不連続殺人事件」の特質を理解する。
14週 「桜の森の満開の下」を読解する。 演劇や映画等に再編される「桜の森の満開の下」を〈ウツ・ロ・ヒ〉という着想から考察する。
15週 前期期末試験 今までの授業内容をふまえて、設問に対して正しく解答する。
16週 試験の解答と解説 試験問題を見直し、的確な解答のポイントを確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。3
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。3
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。3
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。3
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。3
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。3
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000