応用数学B

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用数学B
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高遠ほか著『新応用数学』大日本図書、2014年、1800円(+税),補助教材:高遠ほか著『新応用数学問題集』大日本図書、2015年、840円(+税)
担当教員 関口 昌由

到達目標

複素数平面という概念を理解し、複素数の極形式による計算ができる。
コーシー・リーマンの関係式を用いて正則関数であるか否か判定できる。
複素積分の定義を理解し、基本的な例の計算と、積分の絶対値の評価ができる。
関数の極におけるローラン展開を計算できる。
コーシーの積分定理や留数定理の主張を理解し、複素積分の計算や留数定理を使うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数の計算や正則関数に関する応用的な問題を解くことができる。複素数の計算や正則関数に関する基本的な問題を解くことができる。複素数の計算や正則関数に関する基本的な問題を解くことができない。
評価項目2コーシーの積分定理や留数定理を用いて複素積分に関する応用的な問題を解くことができる。コーシーの積分定理や留数定理を用いて複素積分に関する基礎的な問題を解くことができる。コーシーの積分定理や留数定理を用いる複素積分に関する基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前半は、複素数に関する演算、複素数平面、極形式、正則関数に関して学ぶ。後半は、複素積分の計算、関数の極におけるローラン展開、コーシーの積分定理や留数定理について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式と演習が交差しながら進んでいく。
注意点:
授業では具体例を通して説明することに努め、計算ができるようになることを目標とするが、複素数自体が既に高度に抽象的であり、その上で展開される関数の理論はなかなか馴染みにくいかもしれない。質問には喜んで応じるが、分からない場合はまずは定義からよく復習し、授業で扱った例や教科書の例題などを通して、自分の中に抽象的な概念を育むことを勧める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数と極形式 複素数平面と極形式について理解し、複素数に関する基本的な計算ができる。
2週 絶対値と偏角 絶対値と偏角に関する性質について理解し、それらに関する基本的な問題が解ける。
3週 複素関数 複素関数の概念を理解し、基本的な計算ができる。
4週 正則関数 複素関数の極限、連続性、微分可能性、および正則関数について理解し、基本的な計算ができる。
5週 コーシー・リーマンの関係式
逆関数
コーシー・リーマンの関係式を用いて、正則関数か否かの判定に関する基本的な計算ができる。
6週 複素積分 複素積分の定義とその基本的な計算方法について理解し、計算を行うことができる。
7週 複素積分 複素積分の性質について理解し、それらと絶対値の評価に関する基本的な問題が解ける。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解説
コーシーの積分定理
コーシーの積分定理の主張を理解し、この定理を用いた基本的な計算ができる。
10週 コーシーの積分定理 コーシーの積分定理の応用についいて理解し、それらを用いた基本的な問題が解ける。
11週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示および導関数の積分表示の主張を理解し、基本的な計算ができる。
12週 数列と級数
テイラー展開
複素数の数列や無限級数の収束・発散、べき級数の収束半径について理解し、これらとテイラー展開に関する基本的な計算ができる。
13週 ローラン展開 孤立特異点とローラン展開について理解し、基本的な計算ができる。
14週 孤立特異点と留数 留数の概念を理解し、基本的な関数の孤立特異点における留数を計算できる。
15週 留数定理 留数定理の主張を理解し、この定理を用いた基本的な計算ができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。3
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。3
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。2
主要な計算モデルを説明できる。2
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3
ソフトウェア時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。3
アルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。2
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。2
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。2
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。1
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。1
コンピュータシステム処理形態の面でのコンピュータシステムの分類である集中処理システムと分散処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。1
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。1
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。1
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。2
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。1
プロジェクト管理の必要性について説明できる。2
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。1
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。1
形式言語の概念について説明できる。1
オートマトンの概念について説明できる。1
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。2
情報数学・情報理論離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。1
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。1
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。1
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。1
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。2
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000