電子計算機 I

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子計算機 I
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 曽和将容著『(コンピュータサイエンス教科書シリーズ 6)コンピュータアーキテクチャ』コロナ社、2006年、2,940円(税込)
担当教員 岩田 大志

到達目標

コンピュータの歴史と基本構造が理解できる.
マイコンを主とした,レジスタ・ゲートなどの役割や設定方法が理解できる.
割り込み処理やスタートアップルーチンなど組込みシステムに必要な要素を理解できる.
ハードウェアマニュアルを活用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータの歴史と基本構造を理解し,説明できる.コンピュータの歴史と基本構造が理解できる.コンピュータの歴史と基本構造が理解できない.
評価項目2マイコンを主とした,レジスタ・ゲートなどの役割や設定方法が理解できる.特定のレジスタや学習した構造のみについて理解できる.レジスタやゲートなどが理解できない.
評価項目3割り込み処理やスタートアップルーチンなど組込みシステムに必要な要素を理解し,説明できる.割り込み処理やスタートアップルーチンなど組込みシステムに必要な要素の概要が理解できる.割り込み処理やスタートアップルーチンが理解できない.
評価項目4ハードウェアマニュアルを活用できる.与えられた条件下のハードウェアマニュアル検索ができる. ハードウェアマニュアルが扱えない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初めて学ぶ計算機の概略を掴み,実験実習で行なっているマイコン演習の理解を深めることが目的である.
レジスタやゲートなど初めは理解が難しい領域であるが,組込みシステムは情報工学に必要となる知識である.
論理回路の応用的な位置づけにあると考えること.
授業の進め方・方法:
通年通して座学が中心となる.
授業時間の前半は説明,後半は演習課題を行う.
演習課題は周りと相談しながら解を導いてよい.
途中,PCの分解実演なども行うため,基礎知識が無くても問題ないが,復習はしっかりと行うよう心がけること.
早いうちに基本情報処理技術者を受けたい場合は,授業内容以外にも書物に目を通しておく必要がある.
注意点:
授業は論理演算回路等の基本概念を習得しているものとして行うので,1~2年で学んだ内容(論理回路や電気回路)を十分に復習しておくこと.
また,実験・実習Ⅲの座学に該当するため実習の内容と比較しながら学習すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,計算機の概略 学習方法を理解する
2週 コンピュータの歴史
コンピュータの基本要素
コンピュータの歴史と基本構成を理解する
3週 レジスタとクロック
基本的な命令の処理
レジスタとクロックによる命令の流れを理解する
4週 マイコンとPCの違い マイコン特有の要素について概略を理解する
5週 ポートとレジスタ(データレジスタ,データディレクションレジスタ) ポートとレジスタの構成について理解する
6週 ポートとレジスタ2(オープンコレクタ,スリーステートゲート) ポートへの装置の接続について理解する
7週 前期中間までの総まとめ 6週までの内容を復習し,理解を深める
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する
10週 ポートとスイッチング回路1(プルアップ) スイッチを接続する際のプルアップについて理解する
11週 ポートとスイッチング回路2(ダイナミックスキャン,チャタリング) 複数のスイッチを効率よく接続する手法を理解する
12週 LCDの制御 LCDの構造と制御方式を理解する
13週 数の表現 整数と浮動小数点の表現方式と変換ができる
14週 前期期末までの総まとめ 13週の内容を復習し,理解を深める
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する
後期
3rdQ
1週 AD/DA変換の概要 AD/DA変換の概要を理解する
2週 AD/DA変換とレジスタ AD/DA変換に必要な制御レジスタを理解する
3週 割り込み処理 割り込み処理の概要とスタックを理解する
4週 タイマー割り込み タイマー割り込みとITUの構造について理解する
5週 割り込みベクタとメモリ割り当て マイコンにおける割り込みの特有な事項について理解する
6週 ITUによるPWM PWMの概要を理解し,ITUを用いたPWMの生成方法を理解する
7週 後期中間までの総まとめ 後期中間までの内容を復習し,理解を深める
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する
10週 スタートアップルーチンとリンカスクリプト スタートアップルーチンとリンカスクリプトの役割について理解する
11週 シリアル通信 シリアル通信の概要を理解する
12週 シリアル通信とレジスタ シリアル通信の制御レジスタについて理解する
13週 現代の情報工学 今の情報工学の現状を,スライドにて学習する
14週 後期期末までの総まとめ 後期の内容を復習し,理解を深める
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力1000001020
専門的能力6000001070
分野横断的能力100000010