シミュレーション工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 シミュレーション工学Ⅰ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 三井田 惇郎,須田 宇宙 (著) 「数値計算法(第2版・新装版)」森北出版,2014年,2160円
担当教員 大枝 真一

到達目標

数値計算の基礎事項の理解と方程式を代表的な方法で解くことができる.
連立一次方程式を代表的な方法で解くことができる.
関数補間等の数値計算法を理解し、解法を適用できる.
シミュレーションの概要の理解とモデリングができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数値計算の基礎数値計算を計算機で行うための基本原理を説明できる.数値計算を計算機で行うための基本原理を理解している.数値計算を計算機で行うための基本原理を理解していない.
連立1次方程式連立1次方程式を解くための様々な手法を説明できる.連立1次方程式を解くための様々な手法を理解している.連立1次方程式を解くための様々な手法を理解していない.
関数補間関数補間の様々な手法を説明できる.関数補間の様々な手法を理解している.関数補間の様々な手法を理解していない.
数理モデリング課題を解くために数理をつかってモデリングができる.既存の数理モデリング手法を理解できる.既存の数理モデリング手法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
課題を解決するためにコンピュータを使って計算する手法を数値計算を学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学と演習によって授業を進める.
座学では数値計算手法を理解することに務めること.また,演習では理解した手法を実装し,数値実験によって理解を深める.
注意点:
・数値計算手法を理解するため,基本的な線形代数,解析学の復習をしておくこと.
・演習およびレポートでは学習内容を実装することがあるため,C言語の基本的なプログラミングができること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数値と誤差 数値の表現,2進法と10進法の変換
2週 数値と誤差 四則演算の丸め誤差,桁落ち
3週 数値と誤差 数値の扱いと誤差の演習
4週 方程式の解 ニュートン法
5週 方程式の解 二分法
6週 方程式の解 はさみうち法
7週 方程式の解 ニュートン法,二分法,はさみうち法の演習
8週 前期中間試験 前期中間試験までの学習内容
2ndQ
9週 連立一次方程式の解法 はきだし法
10週 連立一次方程式の解法 ガウスの消去法
11週 連立一次方程式の解法 ガウスの消去法
12週 連立一次方程式の解法 LU分解
13週 連立一次方程式の解法 LU分解
14週 連立一次方程式の解法 連立一次方程式の演習
15週 前期定期試験 前期中間試験から前期定期試験までの学習内容
16週 前期定期試験解説 試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。5
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。5
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
与えられた簡単な問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。4
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。4
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを理解している。3
主要な計算モデルを説明できる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを理解している。4
時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。5
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。4
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを理解している。4
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを理解している。4
リスト構造、スタック、キューなどの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。4
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを理解している。4
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。6
整数・小数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を理解している。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて理解している。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4
コンピュータシステム処理形態の面でのコンピュータシステムの分類である集中処理システムと分散処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。5
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。5
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを理解している。4
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4
プロジェクト管理の必要性について説明することができる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
プロセス管理機能や記憶管理機能などオペレーティングシステムが備えるべき機能を説明できる。4
形式言語の概念について説明できる。3
オートマトンの概念について説明できる。3
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。2
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3
インターネットの概念を説明できる。3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3
主要なサーバの構築方法を理解している。2
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を理解している。2
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。4
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解している。4
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。4
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。4
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。4
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4
少なくとも一つの具体的なオフィススイートを使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する代表的な対策について説明できる。4
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。3
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。2
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040