半導体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 半導体工学Ⅰ
科目番号 0082 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 古川靜二郎ほか著『電子デバイス工学』森北出版、1993年、1800円(+税)
担当教員 和﨑 浩幸

到達目標

原子の構造と電子配置について理解する。また、共有結合による結晶構造について理解する。
エネルギ準位について理解し、結晶構造におけるバンド構造の形成について理解する。
結晶構造におけるエネルギーバンド構造を理解し、金属・半導体・絶縁体の違いを説明できる。
キャリヤ密度とフェルミ準位について理解し、結晶構造をもつ導体の移動度や導電率・抵抗率について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造と電子配置、共有結合による結晶構造について説明できる。原子の構造と電子配置、共有結合による結晶構造について理解できる。原子の構造と電子配置、共有結合による結晶構造について理解できていない。
評価項目2エネルギ準位、結晶構造におけるバンド構造の形成について説明できる。エネルギ準位、結晶構造におけるバンド構造の形成について理解できる。エネルギ準位、結晶構造におけるバンド構造の形成について理解できない。
評価項目3結晶構造におけるエネルギーバンド構造を用いて、金属・半導体・絶縁体の違いを説明できる。結晶構造におけるエネルギーバンド構造による、金属・半導体・絶縁体の違いが理解できる。結晶構造におけるエネルギーバンド構造による、金属・半導体・絶縁体の違いが理解できていない。
評価項目4キャリヤ密度とフェルミ準位について理解し、導体の移動度や導電率・抵抗率について説明できる。キャリヤ密度とフェルミ準位について理解し、導体の移動度や導電率・抵抗率について理解できる。キャリヤ密度とフェルミ準位について理解し、導体の移動度や導電率・抵抗率について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現在のハードウェアの基幹技術である、半導体とその代表的なデバイスの構造や動作特性などについて学ぶ。
最初に、原子と結晶構造、エネルギーバンド等について学び、結晶構造をもつ物性の基本について学ぶ。
次に、真性半導体、外因性半導体の性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を補足しながら、原子と結晶構造から真性半導体とp型・n型半導体の特性について、説明する。
2回の試験成績の平均で評価する。
注意点:
数式を用いて説明する項目が多いので、式の計算などの表面的なことにとらわれすぎずに、物理的な意味を把握すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単純な原子の構造や電子配列について学ぶ。 原子の構造、電子のとりうる軌道などについて理解する。
2週 原子の電子配列と原子の結合・結晶構造について学ぶ。 原子の電子配列規則、共有結合、結晶構造について理解する。
3週 電子の軌道とエネルギー準位、結晶構造におけるエネルギー帯の形成について学ぶ。 電子軌道とエネルギー準位の関係について理解する。また、エネルギー帯構造の違いによる電気的特性の違いについて理解する。
4週 真性半導体と外因性半導体のキャリヤの発生の仕組みについて学ぶ。 真性半導体と外因性半導体のキャリヤの発生の仕組みについて理解する。
5週 キャリヤ密度について、状態密度関数と分布関数を学ぶ。 状態密度関数と分布関数の持つ意味と概形について理解する。
6週 キャリヤ密度を状態密度関数と分布関数から求める方法を学ぶ。 キャリヤ密度の計算方法を理解し、ボルツマン分布で表現できることを理解する。
7週 真性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について学ぶ。 真性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について理解する。
8週 前期中間試験を実施する。 試験で60点以上の成績を目安とする。
2ndQ
9週 試験の解答と解説を行う。 試験の解答と解説をもとに、必要な復習等を行う。
10週 外因性半導体のキャリヤ密度とエネルギー準位について、温度領域に分けて学ぶ。 外因性半導体では、温度領域によって特性の変化が生じることを理解する。また、常温における多数キャリヤ密度とフェルミ準位について説明できる。
11週 半導体の電気伝導となる、ドリフト電流について学ぶ。 ドリフト電流が外部電界によるキャリヤの移動で生じることを理解し、移動度や電流密度の関係について説明できる。
12週 半導体におけるオームの法則として、抵抗率・導電率について学ぶ。 電界・移動度・キャリヤ密度によって、抵抗率・導電率が計算できる。
13週 半導体のキャリヤ濃度勾配による拡散電流について学ぶ。 キャリヤ密度の勾配によって電流が生じることを理解する。
14週 半導体のキャリヤの連続の式について学ぶ。 キャリヤの連続の式について、各項が表す意味を理解する。
15週 前期期末試験を行う。 試験で60点以上の成績を目安とする。
16週 試験の解答と解説を行う。 試験の解答と解説をもとに、必要な復習等を行う。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000