信号処理工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 信号処理工学Ⅰ
科目番号 0086 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 小畑秀文/浜田望/田村安孝 著『(計測・制御テクノロジーシリーズ 15)信号処理入門』コロナ社、2007年、3,570円(税込)
担当教員 SAPKOTA ACHYUT

到達目標

時間空間での信号処理手法の概要を理解し,インパルス応答と畳み込みが活用できる.
周波数空間への信号変換の概要を理解し,ラプラス変換・Z変換とともにFFTが活用できる.
相関の意味を理解し,FFTと相関のプログラミングによる処理ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1時間空間での信号処理手法の概要を理解し,インパルス応答と畳み込みが活用できる.時間空間での信号処理手法の概要を理解し,与えられた数式が解ける.時間空間での信号処理手法の概要が理解できず,数式も解けない.
評価項目2周波数空間への信号変換の概要を理解し,ラプラス変換・Z変換とともにFFTが活用できる.周波数空間への信号変換の概要を理解し,与えられた数式が解ける.周波数空間への信号変換の概要が理解できず,数式も解けない.
評価項目3相関の意味を理解し,FFTと相関のプログラミングによる処理ができる.FFTと相関について与えられたプログラムを実行し処理ができる.FFTと相関のプログラムが扱えない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報を信号として捉え,数理で表現しつつその処理の手法を理解することが目標である.
特に,数学で学んだラプラス変換やフーリエ変換の応用的活用法と,複素数や行列を用いることの効果を把握する.
情報工学で必要とされるデジタル処理に関して,プログラムを作成することで体感する.
授業の進め方・方法:
前期はスライドを用いた座学であるが,スライドを穴あきとして配布するため,メモを取ることに注力するのではなく,聞く方に注力した受講を心がけること.
後期はPCを用いた演習を行う.
授業の短い時間ではとても学習しきれないため,提示された教科書にとどまらず,様々な書物に目を通して知識を広げるよう心がけること.
特に数学や物理学との関連が高いため,都度復習をする必要がある.
わからないところは適宜質問に応じる.
注意点:
前半の座学における基礎概念は要点を的確におさえ,後半の実機演習課題において活用できるよう,常に実用を見据えた学習を心がけること.
微分と複素数の数学的知識が重要であるため,しっかり復習をしておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,サイバネティックスについて 学習方法を理解する
2週 信号処理の概略とデジタル化手法
数学ツールの紹介
信号処理の基礎として平均の処理方法とAD/DAについて復習する
3週 線形時不変システム
インパルス応答と畳み込み
インパルス応答と畳み込みがもつ意味を復習する
4週 フーリエ級数展開の意味 フーリエ級数展開をすることで何が得られるのかを理解する
5週 フーリエ変換の意味 フーリエ変換とフーリエ級数展開の違いを理解する
6週 離散時間フーリエ変換と離散フーリエ変換 離散化データに対する周波数変換手法を理解する
7週 前期中間までの総まとめ 4つの周波数変換方法についてしっかりまとめて理解する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する
10週 FFT 高速フーリエ変換の概念を理解し,使えるようにする
11週 ラプラス変換の意味
Z変換の意味
ラプラス変換とZ変換が持つ本質的な意味を理解する
12週 アナログフィルタ(コンデンサとコイル) アナログフィルタとして用いられるコンデンサとコイルの意味を理解する
13週 デジタルフィルタ(FIRとIIR) デジタルフィルタの概要と構築方法の基礎を理解する
14週 前期期末までの総まとめ 13週の内容をしっかり復習する
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。4
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力5000001060
分野横断的能力100000010