信号処理工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 信号処理工学Ⅱ
科目番号 0090 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 小畑秀文/浜田望/田村安孝 著『(計測・制御テクノロジーシリーズ 15)信号処理入門』コロナ社、2007年、3,570円(税込)
担当教員 SAPKOTA ACHYUT

到達目標

時間空間での信号処理手法の概要を理解し,インパルス応答と畳み込みが活用できる.
周波数空間への信号変換の概要を理解し,ラプラス変換・Z変換とともにFFTが活用できる.
相関の意味を理解し,FFTと相関のプログラミングによる処理ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1時間空間での信号処理手法の概要を理解し,インパルス応答と畳み込みが活用できる.時間空間での信号処理手法の概要を理解し,与えられた数式が解ける.時間空間での信号処理手法の概要が理解できず,数式も解けない.
評価項目2周波数空間への信号変換の概要を理解し,ラプラス変換・Z変換とともにFFTが活用できる.周波数空間への信号変換の概要を理解し,与えられた数式が解ける.周波数空間への信号変換の概要が理解できず,数式も解けない.
評価項目3相関の意味を理解し,FFTと相関のプログラミングによる処理ができる.FFTと相関について与えられたプログラムを実行し処理ができる.FFTと相関のプログラムが扱えない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報を信号として捉え,数理で表現しつつその処理の手法を理解することが目標である.
特に,数学で学んだラプラス変換やフーリエ変換の応用的活用法と,複素数や行列を用いることの効果を把握する.
情報工学で必要とされるデジタル処理に関して,プログラムを作成することで体感する.
授業の進め方・方法:
前期はスライドを用いた座学であるが,スライドを穴あきとして配布するため,メモを取ることに注力するのではなく,聞く方に注力した受講を心がけること.
後期はPCを用いた演習を行う.
授業の短い時間ではとても学習しきれないため,提示された教科書にとどまらず,様々な書物に目を通して知識を広げるよう心がけること.
特に数学や物理学との関連が高いため,都度復習をする必要がある.
わからないところは適宜質問に応じる.
注意点:
前半の座学における基礎概念は要点を的確におさえ,後半の実機演習課題において活用できるよう,常に実用を見据えた学習を心がけること.
微分と複素数の数学的知識が重要であるため,しっかり復習をしておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 自己相関と相互相関 自己相関と相互相関が持つ意味を理解する
2週 FFTのCプログラム実装1(基本機能の実装) FFTをCプログラムで実装する
3週 FFTのCプログラム実装2(IFFTの実装) FFTプログラムをIFFTに拡張する
4週 FFTのCプログラム実装3(周波数の加工) FFTプログラムを用いて,周波数空間の情報を加工した場合に何が起こるのかを理解する
5週 FFTのCプログラム実装4(周波数の加工) FFTプログラムを用いて,特定の波形情報を周波数空間に掛けあわせた時にどうなるかを理解する
6週 ローパスフィルタのCプログラム実装1(基本機能の実装) ローパスフィルタをCプログラムで実装する
7週 後期中間までの総まとめ これまでの学習内容を復習し,実装が間に合わなかったプログラムを実装する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する
10週 ローパスフィルタのCプログラム実装2(係数による変化) ローパスフィルタの係数を変化させると何が起こるかを理解する
11週 自己相関プログラムの実装1(基本機能の実装) 自己相関を計算するプログラムを実装する
12週 自己相関プログラムの実装2(特定データの解析実習) 自己相関で与えられたデータを解析した場合にどういう波形でどういう結果が得られるかを理解する
13週 ウィーナーヒンチンの定理の実習的証明1 FFTと自己相関のプログラムを統合してウィーナーヒンチンの定理を証明する
14週 ウィーナーヒンチンの定理の実習的証明2
後期期末までの総まとめ
FFTと自己相関のプログラムを統合してウィーナーヒンチンの定理を証明する
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の答案返却・解説 解説を聞いて,自分の苦手箇所を理解する

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力5000001060
分野横断的能力100000010