概要:
この科目は企業で計算機のシステム設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、システムに使用される半導体の仕組みについて、講義形式で授業を行うものである。
現在のハードウェアの基幹技術である、半導体とその代表的なデバイスの構造や動作特性などについて学ぶ。
最初に、原子と結晶構造、エネルギーバンド等について学び、結晶構造をもつ物性の基本について学ぶ。
次に、真性半導体、外因性半導体の性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を補足しながら、原子と結晶構造から真性半導体とp型・n型半導体の特性、pn接合ダイオードについて説明する。
3回の小テストの成績の平均で評価する。
注意点:
数式を用いて説明する項目が多いので、式の計算などの表面的なことにとらわれすぎずに、物理的な意味を把握すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
単純な原子の構造や電子配列について学ぶ。 |
原子の構造、電子のとりうる軌道などについて理解する。
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2週 |
原子の電子配列と原子の結合・結晶構造について学ぶ。 |
原子の電子配列規則、共有結合、結晶構造について理解する。
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3週 |
電子の軌道とエネルギー準位、結晶構造におけるエネルギー帯の形成について学ぶ。 |
電子軌道とエネルギー準位の関係について理解する。また、エネルギー帯構造の違いによる電気的特性の違いについて理解する。
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4週 |
真性半導体と外因性半導体のキャリヤの発生の仕組みについて学ぶ。 |
真性半導体と外因性半導体のキャリヤの発生の仕組みについて理解する。
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5週 |
キャリヤ密度について、状態密度関数と分布関数を学ぶ。 |
状態密度関数と分布関数の持つ意味と概形について理解する。
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6週 |
キャリヤ密度を状態密度関数と分布関数から求める方法を学ぶ。 |
キャリヤ密度の計算方法を理解し、ボルツマン分布で表現できることを理解する。
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7週 |
真性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について学ぶ。 |
真性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について理解する。
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8週 |
外因性半導体のキャリヤ密度とエネルギー準位について、温度領域に分けて学ぶ。 |
外因性半導体では、温度領域によって特性の変化が生じることを理解する。また、常温における多数キャリヤ密度とフェルミ準位について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
半導体の電気伝導となる、ドリフト電流について学ぶ。 半導体におけるオームの法則として、抵抗率・導電率について学ぶ。 |
ドリフト電流が外部電界によるキャリヤの移動で生じることを理解し、移動度や電流密度の関係について説明できる。 電界・移動度・キャリヤ密度によって、抵抗率・導電率が計算できる。
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10週 |
半導体のキャリヤ濃度勾配による拡散電流について学ぶ。 半導体のキャリヤの連続の式について学ぶ。 |
キャリヤ密度の勾配によって電流が生じることを理解する。 キャリヤの連続の式について、各項が表す意味を理解する。
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11週 |
pn接合ダイオードの電流電圧特性について学ぶ。 |
バンドモデルによるダイオードの動作について理解できる。
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12週 |
pn接合ダイオードの接合容量について学ぶ。 |
接合容量がどのようにして生じるか、またその電圧特性について理解する。
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13週 |
第4週までの小テストを行う。 |
小テストで合格点をとる。
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14週 |
5週~10週までの小テストを行う。 |
小テストで合格点をとる。
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15週 |
11週~12週の小テストを行う。 |
小テストで合格点をとる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。 | 3 | |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。 | 3 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 3 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。 | 3 | |
計算機工学 | 整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | |
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 4 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 4 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 5 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 5 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 5 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 5 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 4 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 4 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 4 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 4 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 4 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 4 | |
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 4 | |
コンピュータシステム | ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。 | 4 | |
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。 | 4 | |
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。 | 4 | |