分散情報システムⅠ

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 分散情報システムⅠ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 曽和将容著『(コンピュータサイエンス教科書シリーズ 6)コンピュータアーキテクチャ』コロナ社,2006年,2,940円(税込)
担当教員 丸山 真佐夫

到達目標

バス結合型、ネットワーク結合型の並列コンピュータの構成を理解し、簡単なプログラムを作成できるようになる。
またクラウドコンピューティングの基礎概念を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
バス結合型並列コンピュータバス結合型並列アーキテクチャを理解し、OpenMPを用いた実際のプログラムを作成できる。バス結合型並列アーキテクチャとOpenMPによるプログラム作成の基本的な方法を理解できる。バス結合型並列アーキテクチャについて十分理解できない。
OpenMPを利用した並列プログラミングOpenMPを利用した効率のよい並列プログラムを作成できる。OpenMPを利用した簡単な並列プログラムを作成できる。OpenMPを利用した簡単な並列プログラムを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
並列コンピュータの概念とその上で動作するソフトウェアについて学習する
授業の進め方・方法:
講義および演習、実習を取り入れて授業を進める。
注意点:
変化の早い分野であるので、最新のニュース等に関心を持ち、みずから情報や知識の吸収に努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 並列処理システムの概要(1) 並列処理システムの概念と課題を理解する。
2週 並列処理システムの概要(2) 並列処理システムの歴史を理解する。
3週 並列処理システムの概要(2) 命令/データ流,メモリ共有に注目した並列処理の分類を理解する。
4週 共有メモリ型並列アーキテクチャ 共有メモリ型並列コンピュータの構成と性能上の課題、スヌープキャッシュによる解決の概要を理解する。
5週 スヌープキャッシュ(1) ライトバックインバリデートの基本的なプロトコルである MSI プロトコルの動作を理解する。
6週 スヌープキャッシュ(2) MSI プロトコルの問題点を改善する MESI の動作を理解する。
7週 スヌープキャッシュ(3) MOSI プロトコルを理解し、MOSI と MESI を比較できる。
8週 フォルスシェアリング フォルスシェアリングのメカニズムと性能に与える影響、回避のための一般的な方法を理解する。
2ndQ
9週 共有メモリシステムにおける同期機構 同期の必要性と実現方法を理解する。
10週 マルチスレッドセーフ マルチスレッドセーフの概念を理解し、同期機構が性能に与える影響を観測・理解する。
11週 OpenMPプログラミング(1) OpenMPを用いて簡単な並列プログラムを書けるようになる。
12週 OpenMPプログラミング(2) 共有変数とプライベート変数、リダクションについて理解する。
13週 OpenMPプログラミング(3) OpenMP に用意されているスケジューリング方式を理解する。
14週 OpenMPプログラミング(4) OpenMPを用いてやや規模の大きな問題を解く並列プログラムを書けるようになる。
15週 OpenMPプログラミング(5) OpenMPを用いたプログラムのパフォーマンスチューニングの方法の基礎を理解する。
16週

評価割合

課題・小テストプログラミング課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力60565
専門的能力201535